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居候猫の父の気がかり  作者: 小高まあな
第七幕 猫の手だって厭わない
24/34

7−3

 マオは先ほどとは違う路地裏の、駐車場の影隠れた。

 乱れた呼吸を整える。

 あと、ちょっと。

 体内の感覚でわかる。あと少しで実体化がとける。そうすれば、遠慮なく飛んで帰ればいい。隆二の家へ。

 それまで見つかりませんように。

 祈るようにペンダントを握りしめる。

「かのーん」

 男の声がする。思っていたよりも近くだ。

 あと少し。あと少しだから。

 ぎゅっと目をつぶる。

 声。足音。

 あっち行け。あっち行けあっち行け!

 体から体温が消えていくのがわかる。実体化がとける前兆。

 あとちょっとだ。

 ここまで来たら、あとはもう待つだけだ。

 少し視界が揺らぐ。

 耐えるように一度目を閉じる。

 ふわりと、体が浮くような感覚。浮遊感。

 目を開ける。

 目の前に手をかざすと、透けて地面が見えた。よかった、ようやく実体化がとけた。

 今なら逃げ出せる。

 そう思って動き出そうとしたとき、かしゃんっと何かの音がした。視線を落とすと、着ていた服と、ペンダントが転がっていた。

 それに一瞬、足が止まる。

 ペンダント。せっかく隆二がくれたペンダント。それをこの場所においておくことに、一瞬の躊躇いが生じた。

 それが、間違っていた。

「見つけた」

 すぐ後ろから声がして悲鳴をあげかけたときにはもう遅かった。

 腕を掴まれる。

 その白い手袋は、エミリがつけているものによく似ている。幽霊が触れるというあの手袋。

 そんな風に思った次の瞬間には、銃を突きつけられ、撃たれた。

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