君が泣いていた理由。
あの日僕は海辺で泣いている君を見つけた。
バカな僕はなんて声をかけていいのかもわからず
『どうしたの?』って声をかけた。
君は『なんでもないの』そう言って笑った。
次の日僕はまたあの海辺に行った。
君が今日も泣いているような気がしたから。
小さく・・・一人で・・・。
でも君は今日は泣いてはいなかった。
ただ、笑っていた。
独りで、哀しそうに・・・。
僕はなんて言葉にしたらいいかなんてわからなくて・・・声をかけることができなかった。
でも、その子は背を向けて帰る僕に
『ありがとう』
と言った。
ただ、そのあとに『さようなら』って聞こえたような気がして僕は悲しくなった。
なんでなのかはわからない。
また、会えるかも、しれない、のに?
なんで、なんで君は『さようなら』って言ったの?
もしその時に聞いていたら、また君と会えたかもしれないのに僕は
言えなかった・・・・。
次の日僕はなぜか気になって海辺に行った。
そこにはピンクの封筒が置いてあった。
僕はその封筒を開けて、中を見た。
文字を読んで理解して涙を流した。
「ねえ、僕は今になって君があの時泣いていた理由を理解したよ・・・。」
広い広い海には僕の鳴き声と僕の言葉と僕の涙と君の苦しみが流れていった。