連載終了記念対談(座談会)
お遊び企画です。
おふざけに付き合える方はどうぞご覧ください。
ちなみに、自サイトの方では、読みやすいように発言者によってカラーを変えていますので、「読みにくいわ!!」というパソコンユーザーの方はそちらへどうぞ。
http://asara.velvet.jp/ikuukan/akamitori/akamitori-taidan.html
有喜 「みなさまこんにちは。『魚じゃないよ司だよ』のお時間がやってまいりました。お相手は私、『霧の司』松山有喜と、」
美央 「『花の司』橋本美央と、」
愛理 「……美央の妹の愛理と、」
潤 「……有喜の弟の潤……」
有喜 「でお送りします。限られた時間ではございますが、お付き合いくださいませ。では、早速、最初のお便りからご紹介を――」
潤 「ちょっと待て」
有喜 「おや、なんでしょう、いきなり進行の骨を折ってくれる潤くん?」
潤 「一体これはなんなんだってんだ?」
有喜 「何をいっているのかね、この子は。本番中ですよ」
潤 「だから! 本番ってなんだよ、本番って! 俺は何にも聞いてないぞ!」
有喜 「嘘をおっしゃい。連載終了記念の企画対談があるって、ちゃんと報告したじゃないですか」
潤 「何が終了したって?」
有喜 「……序の序の序その1が、だろう?」
潤 「それに、俺は報告も何も聞いてないぞ!」
愛理 「あら、聞いたじゃない。この前、『朱鳥の剣』に出演していたメンバーだけで臨時召集かかった時に言ってたわよ、有喜さん」
潤 「――その臨時召集って、俺が野球部の試合あって行けなかった時じゃないのかね……?」
愛理 「………………」
有喜 「………………」
美央 「……それにしてもこのネーミング、どうにかならなかったのかしらね?」
愛理 「本当よねー。『魚じゃないよ司だよ』ってセンスなさすぎだよねー。わけわかんないし」
有喜 「言っとくが俺が考えたんじゃないぞ、これっ。渡された台本にこう書いてあったんだからな!」
美央 「力んで否定するところがあやしいわよね」
愛理 「有喜さんって、時々わからなくなるからなあ」
有喜 「だから、決めたの俺じゃないって!」
潤 「おいこら待てったら! そうやってなし崩しに俺への謝罪なり説明はなしかよ!?」
愛理 「……謝罪って何よ、謝罪って」
有喜 「……説明ってなんだよ、説明って」
潤 「だからっ。何でこんなことやんなきゃいけなんだよっ。大体、これって何なんだよ!?」
愛理 「もっと察しよく状況把握しなさいよ」
潤 「てめぇな……。大体、俺がいないときの召集内容の報告はお前がするとこになっていただろうが!」
愛理 「知らないわよ。それ何のこと?」
潤 「知らないだあ? そうやってよくもぬけぬけと自分のミス棚に上げてだなあっ!?」
愛理 「だってそれは、前の事件があったときの話でしょう!? もうそんな制約、時間切れよ!」
潤 「一言ぐらい説明があってしかるべきだろう!? 何も聞かされていないのに突然こんなとこ連れてこられて、こんなとこ押し込まれて、何なんだよ!?」
有喜 「まあ、潤ももうそろそろ腹を括れや」
潤 「どうしてそうなる!?」
美央 「あ、3人ともちょっと待って」
愛理 「……どうしたの?」
美央 「今、上から紙が一枚落ちてきたんだけどね、」
愛理 「上から……?」
有喜 「……しっかりがっちり天井だぞ」
潤 「どこから落ちてきたって言うんだ……?」
美央 「『くだらない言い合いはもう飽きた。早く話を進めろ。“世界の創造者”より』ですって」
愛理 「………………」
有喜 「………………」
潤 「……うさんくさ………………どわっっ!?」
美央 「潤くん大丈夫!?」
潤 「…………なんで頭の上に金だらいが……」
有喜 「これで決まりだな。“世界の創造者”に逆らうとろくなことがない」
潤 「もしかして、このへんてこな対談も、その“世界の創造者”の差し金か……?」
愛理 「言わずもがな、よね」
美央 「なぜか絶対的な拘束力を感じてしまって断れないのよね」
愛理 「そうそう。逆らうと不幸になるんじゃないかって……」
潤 「…………で、俺たち、何をすればいいわけ?」
愛理 「読者さまから質問のお手紙が来ているから、私たちはそれに答えていればいいのよ。進行は有喜さんがやってくれるし、タイムキーパーは美央姉がやってくれるから」
潤 「はん……」
有喜 「じゃあ、気をとりなおして。うっううっん! えーと、最初のお便りです。関東地方にお住まいの、みねのもみぢばさんからの質問。
『司って必ずしも身内から後継者を選ぶわけでは無いんですよね……? そう言う場合は人選とかどうしているんでしょう?』」
潤 「ああ。いい質問だな」
愛理 「どういうことよ、いい質問って」
潤 「だってそうじゃん。『朱鳥の剣』だけ見たら、『司』って身内から選ばれるものって思われても仕方ないじゃん」
美央 「そうよね。確かにそうだわ。愛理と潤くんと瞳子ちゃんが同じグループにいたのは偶然に近いんだけど……」
有喜 「では、質問にお答えしますと、はい。別に『司』は『司』の身内から選ぶわけではないです。現に薫はそうですね。今回は出る機会のなかった薫の師匠は、薫とは別に兄弟でも親子でも親戚でもなんでもないです」
美央 「『司』候補生の人選は、次代を育てる『司』自身が選ぶんです。『浄化』と『精霊使い』の力、2つの力を持っている者の中から、『司』に適しているな、と思われる者を弟子として迎えいれるんです」
潤 「ただ、『浄化力』は遺伝性が強いし、『精霊使い』の力も、『精霊使い』がそばにいればそれだけ発現率が高かったりするから、その分、後継者が身内、っていう確率も高くなるけどな」
有喜 「本当に確率の問題だがな。そういう統計取った奴がいるわけでもないし、大体、『司』ってのは、生易しいもんじゃないから、そう身内に継がせたいって思う奴はいない」
愛理 「身内だと贔屓だとか何とか、周りの声もうるさいしね」
潤 「本当になあ。別に俺たちは兄弟だからって優しくされたおぼえねえし」
愛理 「本当に」
有喜 「ばーか。当たり前だろうが。甘やかしたところでどうなるもんでもない。死ぬ確率が高くなるだけだ」
愛理 「…………」
潤 「王宮庁の奴らは、そういうところがわかってないんだよなあ……」
有喜 「じゃあ次行くぞ、次」
美央 「はい。では次は私がご紹介します。神奈川県のお住まいのAさんからの質問です。
『精霊』は8種類あるとのことですが、どういう『精霊』がいるんですか?』」
潤 「……これって、本当は作中で説明されるべきことじゃねえのか? …………おぉわっっ!?」
美央 「潤くん!?」
愛理 「…………金だらいの次はヤカン……」
有喜 「……一体どこから降って来るんだ……?」
潤 「ちくしょー、なんだよー」
美央 「“世界の創造者”の機嫌を損ねるような発言をしたら落ちてくるような仕掛けになっているようね……」
有喜 「仕掛けって、一体このまっさらな天井のどこに仕掛けてあるんってんだ……?」
美央 「そりゃあもう、“世界の創造者”なんですから、いくらでも非常識なことは起こせるんじゃない……?」
有喜 「だがなあ、物理法則を無視するのもどうかと思うが……」
潤 「俺の体より物理法則云々の方が問題なのかよ……?」
愛理 「あの、みんないい? 質問に答えますよ?」
有喜 「はい、申し訳ない。どうぞ」
潤 「なんかお前急いでねえ?」
愛理 「当たり前じゃない。さっさとこんなこと終わらせたいんだから」
潤 「なーる……」
愛理 「えっと、8種類の『精霊』ですが、『炎』、『水』、『風』、『地』、『氷』、『光』、『霧』、『雷』、です。『炎』と『水』と『風』はそのまま、火と水と風を操ることのできる『精霊』、『地』は、土は木、草、鉱物など、土に関する物を操ることのできる『精霊』です」
美央 「『氷』は、氷自体を、ではなく、温度を操ることのできる『精霊』です。だから、突然氷を出すこともできるけど、対象物を暖め熱することもできます」
有喜 「『光』は光度自体を調節もできるが、幻影を打ち破ったり逆にあるものを見せなくさせることもできる」
潤 「『霧』は、厳密に言うと、『霧の精霊』って言うのは存在しないんだよな、兄貴?」
有喜 「そうだ。『霧の精霊』とは、『水』と『風』の融合した形のものだ。だから、普通はどれだけの種類の『精霊』と契約をしていようとも、一度に操れる『精霊』は1つだけだが、霧の場合は『水』と『風』を両方とも操ることができる。で、『霧』として使うなら、幻影を作り出すことができる」
美央 「『光の精霊』はあるものを見えなくするか、あっても見えないものを見えるようにすることができるだけだけど、『霧』はないものを作り出して見せることもできるのよね」
有喜 「そう。その通り」
愛理 「それで、最後の『雷』は、やっぱり『雷』という『精霊』は厳密には存在しないといわれています。『炎』の発展系が『雷』。『炎』より格段に膨大なエネルギーを一気に放出することができます」
潤 「この『雷』を習得するのが『精霊』の中で一番難しいといわれているな」
有喜 「そうだ。だが、『精霊』というのは、人間に力を貸していてくれてはいるが、まだわかっていないことも多くって、はっきり言ってすべてが推論の域をでない。『精霊』の種類だの名前だのも、人間が便宜上付けたものだとされる考えが、かなりの信憑性を持ってあるのも事実だ」
愛理 「こうやって改めて口にすると、ややこしいわね……」
潤 「それをどうややこしくしないで説明するかが、世界の創造者の腕の見せ所だろうに…………あぎゃあ!!??」
美央 「大丈夫!?」
愛理 「あんたって本当に懲りないわね……」
有喜 「金だらい、ヤカンに続いてバレーボールか……次はなんだろうな……何が出るかな、何が出るかな♪」
潤 「歌うな!!!!!」
有喜 「はい。では続きましての質問に行きましょう。横浜市在住のMさんからの質問です。
『皆さんは日本のどこに住んでいるんですか?』。
うーん、簡単な質問ですね。住んでいるところはずばり! ……………………………あれ??」
潤 「どうした? 早く答えろよ。さっさと終わらせて帰ろうぜ」
有喜 「うん。そうなんだけど……潤、お前、家の住所、言えるか?」
潤 「はあっ!? 兄貴、俺のこと馬鹿にしてんのか!? いくつだと思ってんだよ!」
有喜 「言えるとわかっているから聞いている」
潤 「だったら別にいいじゃん」
有喜 「いいから答えろ。じゃないと進まないぞ」
潤 「なんだよ、それ……えっと、俺んちの住所は………………あれ??」
有喜 「だろ?」
愛理 「どうしたの?」
潤 「何でだろう。出てこない……」
美央 「出てこない?」
愛理 「だったら一回蹴ってみるといいわ。どこかに引っかかっているんじゃない?」
潤 「はあ? 蹴る?」
愛理 「出てこないんでしょう? どうしてもダメだったら、電話かけるか諦めるかしかないのよね」
潤 「電話って、どこに……?」
愛理 「でも、電話かけるのも面倒なのよね」
潤 「……………………」
愛理 「高々120円の話だし」
潤 「……………………」
愛理 「まあ、ヘタにホットコーラとか出てきてもらわれても困るんだけど。ホットポカリなら、まだ何とか飲めるんだけどね…」
潤 「ちょっと待て。……なんで自販の話なんだ?」
愛理 「自販の話なんでしょう?」
潤 「何で?」
愛理 「出てこなかったんでしょう? あの、学校の前の自販から、ジュースが。私もこの間、被害にあっちゃったのよねー。でも、真奈に言われて一回蹴ったらね――――」
潤 「ちっがーう!! どうしてそうなる!? 出てこなかったのは俺んちの住所! 思い出せないって話だ!!」
愛理 「ああ、そうだったの。って、自分の家の住所が思い出せないって、馬鹿じゃないの!?」
潤 「てめえな……」
有喜 「でも、愛理ちゃんはどう? 思い出せる?」
愛理 「え? うちは…………あれ? 美央姉……」
潤 「ほら見ろ」
美央 「あら、本当ねえ。見事に思い出せないわ」
有喜 「どうやら、不可知の力が働いているようだな……」
美央 「この状態で迷子になったら、困っちゃうわね」
潤 「じゃ、この質問の答え、どうするんだ?」
美央 「ヒントぐらいは?」
有喜 「そうだな。某政令指定都市、ということで」
愛理 「曖昧に終わっちゃったね」
美央 「仕方ないわね」
潤 「設定してないからそうしないとやばかったんじゃないの? ………どぎゃあっ!!??」
美央 「潤くん!?」
愛理 「ちょっとは学習しなさいよ……」
有喜 「おお! 本当に今度はごきげんようサイコロが振ってきたぞ! いやあ、ためしに歌ってみるもんだ。はははははは!」
潤 「爽やかに笑うんじゃねえよ……」
有喜 「では、せっかくなのでサイコロを振ってみよう! 何が出るかな、何が出るかな♪」
潤 「やめい」
美央 「………それでは、次の質問に移りたいと思います。関東地方にお住まいの、萩尾さくみさんからのお便りです。
『各キャラクターたちのマイブームを教えてくらさい。いや、皆もいつも「魔」と戦っているばかりじゃなくて、個人的にハマっているものとかがあるのではないかと思ったもので…。まだ中学生や高校生ですしね』
とのことです」
愛理 「マイブーム…?」
有喜 「はい、この質問には他の3人にも答えてもらいたいと思います。中継が出ています。最初は、スーパーで買い物をしていらっしゃる瞳子さーん?」
瞳子 「こんにちは。瞳子です。マイブームですか? 私はパンを焼くことかな? 焼きたてっておいしいから、今は毎日のようにパンを焼いているんです。今日はうちに帰ってから明日の朝用にバターロールを焼きます。おいしく焼けるといいんだけど」
有喜 「うーん。瞳子らしい、ほほえましいマイブームですね」
瞳子 「ありがとうございます。ところで、そこに美央さんいますか?」
美央 「はい、いますよ。なあに?」
瞳子 「今日の晩御飯、何にするか決めましたか? 今私、肉売り場で迷っているんですよ。本当は気分的にはローストビーフなんですけどね、パン焼くからオーブンがふさがっちゃってって……」
美央 「そうねえ。私は今日はギョーザにするつもりなんだけど、……ローストビーフの代わりにするならこんなのはどうかしら? 鶏のカタマリ肉にから揚げ子をつけて、じっくり油で揚げてね、それをしょうゆとみりんとごま油と唐辛子とにんにくでつくったつけ汁に漬け込んでね」
瞳子 「あ、それおいしそうですね! 鶏は丸のまま揚げるんですか?」
美央 「ええ、そうよ。じっくり揚げてじっくりつけこまないといけないから、時間がないと大変だけど」
瞳子 「今日なら大丈夫です! あ、それにしよう。つけ汁の分量、教えてもらえますか?」
美央 「ええ。まず、しょうゆがね、――――」
有喜 「はい。二人はちょっと別世界に行ってしまったので、おいといて。次行ってみましょう。家屋敷にいる律子さーん?」
律子 「ういっす。律子っす。私のマイブームは、FF9。ただいまエクスカリバー2をゲットすべく奮闘中。以上!!」
有喜 「簡潔明瞭でしたね。続きまして、図書館にいる薫さーん?」
薫 「薫です。私のマイブームは、入試問題の傾向と対策を練ることです。過去十年間に出された問題と、今年の日本と世界の情勢を照らし合わせ、これからの教育がどこに向かおうとしているかも加味して考えれば、どのような問題が出るか、だいたいわかります。パズルのようでおもしろいですよ。皆さんもやりませんか?」
有喜 「………………やりません。はい、ありがとうございました。では、続いてここにいる4人のマイブームを教えてもらいましょう。ちなみに俺のマイブームは、野球場に行って大声で野次を飛ばすことです。いやあ、ビールのおいしい季節になりましたね。美央は? 瞳子との話は終わった?」
美央 「うん。終わりました。私のマイブームはね、育児雑誌とか、赤ちゃんの服とか見ることかな。かわいいのよ~。靴下なんて、こーんなに小さくって、まるでお人形さん用なの。そうやって赤ちゃんのものに触れて、自分の腕の中に赤ちゃんがいることを想像していると、すっごく幸せな気分になれるのよね……」
有喜 「………………………………」
愛理 「美央姉、目がうるうるしてる……」
潤 「…兄貴、すごいプレッシャー感じてない…?」
有喜 「何を言っているんだ、潤」
潤 「声が裏返ってるって……」
有喜 「う、うううっん! えっと、じゃあ、愛理ちゃんは? どうなのかな? 何がマイブームかな?」
潤 「うわ、強引な展開……」
愛理 「私のマイブームですか? ……うーん、なんだろう……。絵を描くことかな?」
有喜 「絵? 愛理ちゃん、絵なんて描いたっけ?」
愛理 「普段は描かないんですけどね、この前、学校の美術で静物画を描いたら、なんだかおもしろくって、それからまとまって暇があったらうちで描いてるかな」
有喜 「へえ。そうなんだ。高尚な趣味だね」
愛理 「でも、多分、また長続きしない趣味だと思うな。どうも私って飽きっぽいから……」
有喜 「じゃ、最後に潤は? っていっても、お前は年がら年中野球か」
潤 「ちげーよ。俺のマイブームは、ずばり、モノマネ」
有喜 「……は?」
潤 「有名人とかの真似するんだよ。クラスの奴らとやりあうんだ。おもしろいぜ。似てる奴から全く似てない奴まで必死なんだからな」
美央 「潤くんは何をやるの?」
潤 「俺? 俺もまあ、色々やるけど、自信あるのは、ピカチュウかな」
愛理 「ピカチュウ……?」
潤 「そう。ポケモンの、ね」
有喜 「ピカチュウ…………?」
潤 「あー! なんだよ、その半信半疑の目は! いいよ、ここでやってやるよ、びっくりして腰抜かすなよ! ――――ピ、ピ、ピッカチュウ!」
愛理 「――――――」
有喜 「――――――」
美央 「――――――」
潤 「な? 似てるだろ?」
愛理 「………………びっくりした……本当に似てる……」
美央 「すごいわね、潤くん……」
有喜 「ヘえ。大したもんだ。いやあ、この対談を文字で読んでいる人には聞かせられなくて残念だね!」
潤 「ああ、本当に! またの機会に聞かせてやるからな!」
美央 「では、潤くんの隠れた特技を知ったところで、さくさく次の質問に行きましょう! またまた、みねのもみぢばさんからの質問です。
『ホワイトソースをブラックにしてしまう律子さんの得意料理は?』
…とのことですが…」
有喜 「律子の得意料理……?」
潤 「……って、律子さん、料理するのかよ……」
愛理 「まあ、以前はしていたって話だけど……」
美央 「以前は得意なお料理があったとしても、今でも作れるのかしら……」
潤 「忘れっぽいからなあ、あの人……」
愛理 「まあ、カレーぐらいは作れるんじゃないの……?」
美央 「そうねえ。シチューとカレーなら、材料切って煮て、市販のルー入れるだけだし……」
潤 「味噌汁ぐらいは……」
有喜 「あいつにダシが取れるのか……?」
潤 「ダシ入りの味噌ならさ、やっぱり材料と水と一緒に入れるだけだから……」
有喜 「俺は目玉焼きぐらいだと思うぞ.……? あれは、フライパン熱して卵を落とすだけだ……」
美央 「いくらなんでも、それはひどいんじゃあ……」
潤 「瞳子にも聞いてみようぜ。あいつなら、わかるかもしれないし……」
有喜 「そうだな。瞳子? まだ繋がってるか?」
瞳子 「あ、はーい。繋がってますよ。聞いてました。皆さん、お姉ちゃんのこと買いかぶりすぎだと思います」
愛理 「今ので買いかぶりすぎって……」
有喜 「じゃあ、律子の得意料理、瞳子は何だと思うんだ?」
瞳子 「私はずばり、ゆで卵だと思います」
潤 「………………」
有喜 「………………」
美央 「ゆで卵って……」
愛理 「水といっしょにおなべに入れて火にかけるだけじゃ……」
瞳子 「絶対そのあたりが関の山ですよ。本人に聞いてみてください」
有喜 「そ、そうか……。妹である瞳子がそういうんだったら、多分そうなんだろうな。よし。律子、いるか?」
律子 「はいな~」
有喜 「今の話、聞いていたか?」
律子 「うんにゃ。ゲームやっていたから聞いていなかったけど、何?」
美央 「あのね、律子ちゃんの得意料理は何ですかっていう質問のお便りが来ているんだけど、……カレーぐらいは作れるわよね?」
潤 「いいや。味噌汁だろう?」
有喜 「目玉焼きは、焼けるよな?」
瞳子 「ゆで卵で、いっぱいいっぱいよね?」
愛理 「傍から聞いてると、みんな恐ろしいこと言ってるんですけど……」
有喜 「そのあたり、どうなんだ?」
律子 「あーん? 私の得意料理ぃ?」
瞳子 「もしかして、ゆで卵も作れないとかいうんじゃ……」
潤 「わかった! カップラーメンだろ!?」
有喜 「ああ、なるほど! それがあったか!」
美央 「でも、カップラーメンじゃ料理とは言わないんじゃ……」
愛理 「そこを言ってしまうのが律子さんかもしれない」
瞳子 「そうね、お姉ちゃんなら、お湯を注ぐだけでも料理といってしまうかも……」
律子 「ちょっと~。みんな本人差し置いて何言ってるのさ~。私にだって得意な料理ぐらいあるよぉ!」
有喜 「あ、ああ。そうか。それは悪かった。で、律子が得意な料理は、一体なんなんだ?」
律子 「へへん。聞いて驚くな!」
愛理 「うわ、自信ありげ」
美央 「けっこうこれは期待が持てる……?」
律子 「私の得意な料理は、ずばり!!」
潤 「ずばり!?」
律子 「冷奴だ!!!!」
(暗転)
有喜 「はい。気を取り直して、続いてのお便りにまいりたいと思います」
潤 「はい」
愛理 「はい」
美央 「はい」
有喜 「名古屋市出身の、A.Mさんからの質問です。
『話の途中に突然出てきた、体から光を放つ、幽霊のような不気味な少年は一体誰なんですか?』」
愛理 「……………………」
潤 「……………………」
美央 「……………………」
有喜 「次の質問に移りましょう。某県庁所在地にいらっしゃる、FULL MOONさんからの質問です。
『今後の話は一体どうなるっていうんですか? ちゃんとみんな良い子に働いてくれるんですか?』」
愛理 「……………………」
美央 「……………………」
有喜 「……………………」
潤 「ちょっと待て。さっきからどうも妙だと思っていたんだが……おかしくないか?」
美央 「おかしい……」
愛理 「具体的には、どういう風におかしいと?」
潤 「ちゃんとみんな良い子に働いてくれるって、なんだよ。俺たちがいい子に働くことが、読者様になんか関係してくるのかよ?」
有喜 「……そうだな」
潤 「それに、やばそうな質問してくる奴って、みんなとりあえず名前は違うけど……どうもそいつらのこと、俺、知っているような気がするぞ――」
愛理 「! ちょっと……!」
有喜 「潤!」
美央 「潤くん!?」
愛理 「――――」
潤 「―――――へっへ~ん。どうだ! 今度は避けたぞ、頭上から降ってきた大量のパイ!!」
有喜 「……何でパイまでもが降ってくるってんだ……?」
潤 「これではっきりしたな! やっぱりやばそうな質問してくる奴はあいつだったんだ!」
愛理 「予想がついていたから避けられたのね……」
潤 「あったり前よ! お前はいつも俺のことを馬鹿にするけどなあ、俺にだってこんぐらいの策は掛けられるってわけよ! ちーとは見直してだなあ――――ぶぶッッッ!!!????」
有喜 「そして今度は真正面からパイ……?」
美央 「どうやら潤くんの読みは甘かったようね……」
愛理 「やっぱり、馬鹿じゃないの……?」
潤 「ちっっくしょう~~~~~~!!!!」
有喜 「パイ顔に塗りたくってすごんでも情けないだけだぞ」
美央 「あ、ねえ、これ見て。パイ皿の裏に紙が張ってあるわ。――『松山潤を痛めつけてほくそえむ会会長より愛を込めてvv』ですって」
潤 「俺のこと馬鹿にし腐っていやがるなぁッ!」
有喜 「全くもってしてその通り」
愛理 「あら? この紙の裏にも何か書いてある。最後のお便り、ですって。――奈良県生まれの匿名希望さんからのお便りみたい。
『有喜さんは、昔、いろんな女の子を泣かせてきたという話を聞いてのですが、本当ですか?』
え!? 何これ!?」
有喜 「なぬうっ!?」
潤 「全くもってしてその通り! だな」
愛理 「え!? 本当なの!?」
美央 「あらぁ、本当よぉ」
愛理 「美央姉も知ってるの!?」
美央 「ええ。よく知っているわ。だって私、有喜くんと付き合いだす前、いつも違う女の子と歩いている有喜くんによく会ったもの」
愛理 「ええええええええ!!!???」
潤 「何、お前知らなかったの?」
愛理 「知らない、知らない! だって私は、美央姉と付き合っている有喜さんしか知らないもの!」
潤 「みんな知ってることだと思うけどな。中学のときから有喜兄貴の女癖の悪さは折り紙つきだったし」
有喜 「…………でも、美央と付き合いだしてからは他には手を出してないぞ…………」
潤 「そりゃあ、こんな美人の彼女差し置いて他の女に手を出すのは馬鹿だろう?」
美央 「あら、でも、有喜くんは最初、その馬鹿だったのよ? なかなか私のこと見てくれなかったんだから」
潤 「え? そうなの……?」
美央 「そうよお。だから私、学校が終わると毎日頑張って有喜くんの部活動見に、空陽高校の野球部のグランドに通っていたのよ」
愛理 「知らなかった。美央姉がそんな努力をしていただなんて……」
潤 「美央さんみたいな美人に見向きもしなかったって、本当に兄貴、馬鹿だったんだな……」
有喜 「当時は1人の女に縛られるのが嫌でね、フッ。……って、何言わせるんだよ」
潤 「その言葉に信憑性大有り」
有喜 「―――――――」
美央 「高校の頃の有喜くんは本当にもてたものねぇ。今の潤くんなんか目じゃなかったのよ? いっつも、野球部のグランドには、私みたいに有喜くん目当ての女の子達が、内外問わずにいたものだわ」
愛理 「ヘえ……かっこよかったんだ……」
美央 「そうよ。何をやっていてもかっこよかった。――頭は丸坊主だったけど」
有喜 「ちょっと……美央。過去形のように言うのはやめてくれないか……?」
愛理 「丸坊主の有喜さん…………」
有喜 「愛理ちゃんもそこでへんに想像力を働かせないのね? ――――しっかしなあ。愛理ちゃんですら知らなかった俺の過去の話を、どうしてこの読者様は知っていたかなあ」
潤 「だから! これを書いたのもあいつなんだよ!」
有喜 「あいつあいつって……一体誰のことなんだ?」
潤 「だからだなあっ。俺たちのことをよ~く知っているあいつだよ!」
愛理 「あいつ――」
美央 「あいつ――」
有喜 「あいつ――ああ! あいつか!!」
潤 「やっとわかったか! くっそう! 遅すぎだ! まだ不可抗力が働いていやがるな!?」
有喜 「なんだよ、畜生! やってられるか、こんなこと!」
愛理 「うわっ。言い放った」
美央 「あれ…? でも、何も落ちてこないわねえ……?」
愛理 「……どうしたのかしら…?」
潤 「へん! 大方ネタ切れだろうよ! それか、俺たちが気付いたことに恐れをなしているんだな!」
有喜 「おい、帰るぞ、潤! こんなところにもういられるか!」
潤 「おうよ、兄貴!!」
謎の少年1 「うわ~~!! ちょっと待った―――――!!!!!!」
潤 「なんだぁっ!?」
謎の少年2 「馬鹿やろう、痛えぞ、お前!! 襟離しやがれっ!」
有喜 「お前ら、突然にどこから降って沸いてきやがったんだ!?」
謎の少年1 「皆さまこんにちは! ワタクシは、天変地異を起こす美少年、下原哲平であります! 今後お見知りおきのほどをッ! ――んでもって、この子は俺の飼い猫、野村真士でございます。野々村真とは関係ございませんのであしからず」
真士 「誰がお前の飼い猫なんだよっ!? とにかく離しやがれっ、首をしめるなっ!!」
潤 「おい、一体何がどうなっているんだ!? 何でお前らがいきなり乱入して来るんだ!? 一体どういう話の展開になっているんだぁっ!?」
哲平 「あ、潤くんだ、ハロー。ぷっっ。なんなの、その真っ白の顔。俺と張り合う男前がだ~いなし」
潤 「うるせえ……!」
有喜 「本当に突然なんなんだ。どうしてお前らがここに来たんだ? 今日のこの場所は、俺たち4人しか知らないはずだぞ?」
真士 「今日の朝、哲平んちのポストに手紙が入ってたんだってよ」
哲平 「そうなんですよ、有喜さん! これみてください。そうしたら、俺たちが来た意味、わかりますから」
有喜 「なになに…? 『本日某刻、某所にて、哲平くんと真士くんの出演するお話を広くご紹介できる場があります。ぜひ、自分たちの魅力を読者の皆さまにアピールしてきてください! 君たちはこんなところで埋もれていていい人材ではなーい!!』……なんだ、これ?」
真士 「だからさ、哲平が来ようって言い出して聞かなくてさ……俺は面倒だったから良かったのに……」
哲平 「面倒とは何事! 真士くんはこの私の美貌が世に知らしめられなくても良いというの!?」
真士 「だったら1人で来いよ……」
哲平 「あー、マイクはどこかなあ? あ、あったあった。うおおおお!! こんなところに愛理ちゃんに美央さんではないですか!」
潤 「今ごろ気付くなよ……」
哲平 「相変らず2人ともお美しいっ。2人に会えた感動を、体全体でめいっぱい表現したいところなのですがっ、残念ながら今はちょーっと、先に済ませないといけない用事がございましてっ」
美央 「ええ。どうぞごゆっくり」
愛理 「哲平の感動はいらないわ……」
哲平 「あーあー。マイクのテスト中。ううううっっん! みっなさーん! 『異空間の司・若葉の章1 朱鳥の剣』を読んで頂いて本当にありがとうございますー!! 続きましての『若葉の章2 深遠に在る呟き』では、この超絶美形、下原哲平くんと!」
真士 「…………野村真士が…………?」
哲平 「『三大陸世界』において華麗に大暴れしますので、ぜひご期待くださいねー!! 近日公開予定!! です。
――――えー、では、お時間もあるようなので、このままワタクシ、下原哲平の半生などをつらつらと皆様にご紹介を――」
潤 「いらん!! 用事は終わったんだろう、帰れ!」
哲平 「ちょっと、潤くん、それはどーゆーこと?」
真士 「俺は帰るからな」
哲平 「あーちょっと待ちなさいよ、真士くん!!」
有喜 「俺も帰るかね……」
潤 「兄貴はまだだろうが!! 後始末が、残ってる!」
真士 「冗談じゃねえ! お前のお遊びになんかかまっていられるか!!」
哲平 「真士くん、つめたーい」
有喜 「なんでやる気のなかったはずのお前が、最後になってそう言うんだ……?」
潤 「仕方ないだろうが!! このまま哲平の好きなようにさせていなくなるのは癪だろうが!」
真士 「俺は帰る!! 服を引っ張るなってんだ!!」
哲平 「ひどい、真士くんと俺は親友でしょ!?」
真士 「冗談、やってられるか!」
哲平 「ひど~い!!」
潤 「待ちやがれ、兄貴。このまま行かせてたまるか!」
有喜 「ほう、おれに楯突こうっていうのか。おもしろい、全力でかかって来い!」
潤 「いわれずとも!!」
愛理 「――――――――。えー、まあ、ということでして」
美央 「朱鳥の剣連載終了記念特別企画対談、少しはお楽しみいただけたでしょうか?」
愛理 「時間を無駄にさせただけのような気がするけど……」
美央 「それよりも先に、みんな余りのくだらなさに読むのを途中でやめたような気が私はするわ……」
愛理 「………………」
美央 「………………」
愛理 「はい。アンケートにご協力いただいた方、本当にありがとうございました」
美央 「『異空間の司』は、今後も驀進していく予定ですので、どうぞ、ご声援、ご感想をよろしくお願いします」
愛理 「では、これにて、『魚じゃないよ司だよ』、を終わらせていただきたいと思います」
美央 「……そういえば、そんな題名ついていたわね、これ」
愛理 「やっぱりセンスない……」
美央 「今度は私たちで名前決めちゃいましょうね」
愛理 「そうね。そうしよう」
っていうか、今度があるのか、お前ら!?
おわり