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序-1
赤く、赤く染まる。
――かあさま、かあさま――
呼ぶ、呼ぶ声。
消える。
消えて、吸い込まれる。
声が、声が。
――あなたは――
呼んでも、呼んでも。
こたえない。こたえてくれない。
その目に映る、私が。
その目に映る、赤、が。
――かあさま、かあさま――
――あなたは、生きなさい――
世界の叫びが、静寂を呼ぶ。
赤く、重苦しい世界が、沈黙を、誘う。
――あつい。あついよ。かあさま――
――いきるって、いきるって、なぁに――?
――かあさま、かあさま――
――私は、生きる……の――?
遠く過ぎていく情景に、悲しんだのか、嘆いたのか。
叫んでも、手を伸ばしても届かぬ現実に、絶望を、知ったのか。
けれども光は。
優しき声は。
――なんで、君は一人で泣いてるの――
異空間にて、降りそそがれる。