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朱鳥の剣  作者: 望月あさら
■ 3 ■
19/22

3-7

     生キテ……。

 

     生キテイク……。

 

 

  強く、願った。

 

  一人でも生きていけるだけの、

 

  力が欲しい。

 

 

     生キテ……。

 

     生キテイク……。


 

  生きたいと思ったのは、

 

  どうしてだったのか。   


 

     生キテ……。

 

     生キテイク……。

 


  生きたいと願ったのは、

 

  なぜだったのか。

 

 

     生キテ……。

 

     生キテイク……。

 

 

  生きていく勇気がなければ、

 

  生きなければいい。         

 

 

     生キテ……。

 

     生キテイク……。

 

 

  生きることに希望を見いだせれなければ、

 

  生きなければいい。

 

 

     生キテ……。

 

     生キテイク……。

 

 

  だけど、自分は思った。

 

 

     生キル……。

 

     生キル……。

 

 

  強く、思った。

 

 

     生キル……。

 

     生キル……。

 

 

  生きなければ、と。

 

 

     生キタイ……。

 

 

  生きたいのだ、と。

 

 

     生キタイ……。

 

 

  それは、生きとし生ける者、全ての願いだから。

 

  それは、そう願うことが、遺伝子のレベルで宿命付けられているから。

 

 

     生キタイ……。

 

     生キタイ……。

 

 

  ――違う。

 

 

     生キタイ……。

 

 

  違う。

 

 

     生キタイ……。

 

 

  脳裏に張り付いた真っ赤な恐怖と臭いが、

 

  感情を揺さぶる。

 

  だから。

 

 

     生キタイ

 

 


――あなたは、生きなさい――


 

 

     生キタイ

 

 

  楽園から放り出され泣きつづけた自分に、

 

  差し伸べる手があったから。

 

  だから。

 

 

     生キル……生キル……

 

 


――なんで、君は一人で泣いてるの――


 

 

  その時から、

 

  強く、思った。

 

 

     生キル……生キル……

 

 

  生きたい、と。

 

 

     生キル……生キル……

 

 

  自分は、生きていくのだ、と。

 

 


――生キナケレバ――


 

 

  課せられた宿命と、向き合って。



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