【2】
“想”ってほしい人には、何で“想”ってもらえないのだろう――?
「なぁ、ミク。好い加減、俺と付合わね? 」
「付き合わない。ってか、私よりお姉ちゃんと付合えば好いじゃん。美人だし…料理とか出来るし…」
「はあ? 何で其処に、ミナの名前が出てくるわけ? 」
ハジメちゃんと、私とお姉ちゃんは、所謂、幼馴染という間柄だ。私とハジメちゃんは同級生で、お姉ちゃんは七個上。現在、ピチピチの二十四歳だ。お姉ちゃんは、ハジメちゃんの事が好きだ。――男の人、として。
何故私がそんな事を知っているかというと、お姉ちゃんに何度か相談された事があるから。
でも何故か、ハジメちゃんは、出来の良いお姉ちゃんより、私の方が好きみたいで――何でだろ?
「なぁ、ミク…」
「煩いなぁ。嫌だって、言ってんじゃん」
「………まだ、風間の事、好きなわけ? 」
「…………………」
「無理に決まってんじゃん。教師と生徒の恋愛なんて、所詮は架空の話であって――」
「うっさい! そんなの、アンタに言われなくたって、分ってる! ……分ってる、もん…」
「…………俺だったら…、御前に、こんな辛ぇ思い、させねぇのに……」
そんなの、知ってる。
“何でハジメちゃんじゃなく、あの人なんだろう…”
初出【2013年2月14日】