第八手
「あ、今日は『俺の嫁は鼻息がスゲーッ!』の最新刊の発売日じゃないか! よし、買いに行くか」
そんなわけで月影はお目当ての漫画本を買いに行くことにした。
*
某本屋にて。
「んー、ここもダメかー。どこも売り切れって……。これはまた荒野フラグか?」
月影はすでに四件の本屋を回ったが、どうやら何処も売り切れのようだ。
「そういえばここって……」
ふと、とある場所へ視線を移すと女子高生が三人程いるのが見えた。
「貴女の恋はあーなってこーなってそーなってあーだこーだできっと! いや絶対うまく行くでしょう!」
「キャーッ! 本当ですかー!!」
「良かったねー!」
「うん!」
どうやらいつかの占い師が女子高生を占っていたようだ。
その女子高生が去っていくのを見て、月影が寄ってくる。
「繁盛してるみたいだな」
「あ、貴方はいつぞやの。あの時は本当に助かりました。今日は占いに来たのですか?」
「いや、たまたま近くを通りかかっただけなんだけど……」
「そうですか……。そういえば、この間一緒にいた彼女さん、今日はいないのですか?」
「彼女? ああ、水那は俺の妹だよ。まぁ血のつながりはないし、俺より少しばかり年上だけどな」
「確かあの時、『お兄』と呼ばれていましたものね。その妹さんから聞きましたが、確かお名前は『月影』さんでしたよね? ……どうですか? せっかく来られたのだから占いでも」
「いやいいよ。前にも言ったけど、俺占い信じてないし」
「いやこの間の恩返しをさせてください! それに私の占いは必ず当たります!」
「いや本当にいいから!」
「そんなこと言わずに占わせてください!!」
その場から逃げようとする月影の腕を占い師ががっつり掴んで離さない。
「いだだだだ!! お姉さん、アンタ!!」
*
無理やり月影は椅子に座らせられた。
「さて、何を占いましょう? 恋? それとも将来のこと?」
「いや占ってほしいことなんてないんだけど……」
月影が占い師の方に視線を送ると、目がうるうるしているのが見えた。
(うっ……!)
「ああ……、じゃあ占ってもらっちゃおうかなぁ……」
「本当ですか!! では何を占いましょう!?」
「……うーん、じゃあ今欲しい漫画があるんだけど、それが今日中に手に入るかどうか」
「…………………………そんなことでいいのですか?」
「あ、ああ……」
「わかりました」
月影は占い師がガッカリしたのを感じたが、気にするのをやめた。
占い師が目を瞑り、目の前の水晶で占い始める。
「見えます見えます、貴方の未来が見えてきました」
(なんやねんコレ……)
月影がそんなことを思っていると、占い師がゆっくりと目を開けて口を開く。
「貴方はこの後、災難に見舞われます。そして、その漫画は……………………手に入りません!!」
「じゃあもう終わりじゃねえかああああああああああああああああああああああああああ!!」




