第五十手
「うんこ漏らしそう」
道を散歩していた月影が唐突に口を漏らす。
「はぁ~あ、昔っから腹が緩いからこういうとこで困るんだよな。しょうがねえ、近くの公園のトイレ借りるか」
*
公園。
「あったあった。『トイレ』という名のオアシスが」
「待たれい!!」
誰かが月影を呼び止める。
「んだよ……」
月影が声のする方を見ると、茶色い巻きグソうんこに顔が付き、手足の生えている何かが立っていた。
「俺を忘れたとは言わせねーぞ!!」
「『うんこマン』だろ? 安心しろ。その見た目は忘れたくても忘れられねーよ。つかブロマイド持ってる」
「フン! 覚えてくれていて光栄だな! 俺はあれからもこの世界を『うんこ』でいっぱいにする『うんこパラダイス計画』を諦めちゃいねえ!! その前にまずはお前を倒す!! 俺と勝負しろ!!」
「お前の住まいが何処だか知らないが、下らん事考えてないで山だか森だかに帰れ」
「そんなこと言われたら余計に帰れるかっ!! それに俺の住まいは家賃二万のオンボロアパートじゃい!! 手始めにお前をうんこまみれにしてやる!!」
「クソったれ」
月影が首からぶら下げているギアスタルのネックレスが黒く光りだす。
「ギア発動!」
そう言うと、月影の白い髪が黒く変色し、右腕に黒いオーラが纏わりつく。
「これでも喰らえっ! 『∞うんち』!!」
うんこマンが間髪入れずに次々と巻きグソうんちを投げつける。
「芸のない野郎だ。その攻撃は前回この技で防いでるんだよ。『ブラックボール』!!」
月影を黒い半球ドームが包み込み、うんち攻撃を防ぐ。
ぎゅるるるるるるるるるるるるぅ~
(チッ! もうそろそろマズいな。きゅう太に力を貸してもらうか……)
月影がスマホを前にかざす。
「召喚獣『ノックアント』!!」
「ギュイ!」
ボクシンググローブを付けた二足歩行の蟻のモンスターを召喚。
「この間のありんこか! だったら二人まとめてコイツを喰らいな!! 『クソデカうんこ』!!」
「ん?」
急に月影ときゅう太の頭上が暗くなる。
「なっ!?」
「きゅいっ!?」
頭上を見上げると大きなうんこがゆっくり落ちてくる。
「ギャーハッハッハ!! これでさっきの『ブラックボール』で防いでも、解除した瞬間、うんこまみれだ!!」
ぎゅるるるるるるるるるるるるぅ~
「くっ……!!」
月影が片膝をつく。
(もう一か八かに賭けるしかない!!)
「きゅう太! 『ファイヤーストレート』であの巨大うんこを壊してくれ!!」
「ギュイッ!」
きゅう太の右手が炎に包まれる。
そして、その炎を巨大うんこ目掛けて投げつけた。
ドカアアアアアアアアアアアン!!
炎とぶつかった巨大うんこが上空で爆発。
「なっ、なんてことしやがる!!」
「ハッ……! 今の技、大きいだけでそんなに強度はなかったみたいだな……」
(だが、俺の肛門も爆発寸前……)
「ギュイッ!」
きゅう太が急に月影を持ち上げる。
「えっ!? おいっ!! 一体何をする気だ、きゅう太!!」
そして、そのまま思いっきりうんこマン目掛けて投げ飛ばす。
「だああああああああああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああ!! こっちに来んじゃねえええええええ!!」
「チェ、チェックメイト! 『人間ロケット』おおおおおああああああああ!!」
「ぎゃふんっ!!」
月影と激突してその場に倒れるうんこマン。
「あああああああああああああああああああああ!!」
ドカアアアアアアアアアアアアアン!!
勢いが止まらずそのまま公共トイレの壁を破壊し、大便器に到着。
「サ、サンキュー、きゅう太……」
月影が目をぐるぐる回しながらきゅう太にお礼を言う。
※因みに月影はギリギリ漏らしませんでした。
早く書き上げたので投稿しました。
「うんち」って書いたり「うんこ」って書いたりするので、わからなくなる。
次の投稿は来年からを予定しています。
今年中には多分投稿できないかもしれませんが、何卒よろしくお願いします。
それでは、少し早いですが、良いお年を。




