第四十九手
「ロコちゃんは何の能力を使うの?」
「『サイコロ』だよ。出た目に応じた能力を発動するらしい。ところが、俺との勝負の時はスカである『1』の目しか出なかった。運に左右される能力だから扱いが難しいんだ」
「そっか……」
(ロコちゃん、頑張れ!)
(まさか恭輔が一撃でやられるなんて。これで私が勝たなきゃいけなくなったわ。けど、相手は子供。私が負けるわけないわ)
「フフッ、安心して。私は猛獣使いだけど、お嬢ちゃん相手には使わないから」
「あっそ。後悔しても知らないわよ」
ロコが右手を挙げる。
すると、手のひらにサイコロが出現。
「サイッ!」
ロコがサイコロを振る。
出た目は――――――――――「2」!!
サイコロが形を変え、ロコの手元に移る。
「『ピコピコハンマー』!!」
「なっ!?」
「えっ!?」
月影と水那が驚く。
出てきたのがあのおもちゃのハンマーだからだ。
「オーホッホッホ!! そんなおもちゃのハンマーでどうするつもり?」
(くっ! まさかこんなハンマーが出てくるなんて! 何かの能力を持ってるの!?)
「どんな目だろうと、私は出た目で戦うしかないのよ!」
ロコが渚の元へ走り出す。
そして、渚の頭をハンマーで思いっきり叩く。
しかし――――――――――
ピコッ……
という音が鳴るだけで終わる。
「それだけ?」
渚がロコを払い除ける。
「きゃあ!!」
それと同時に消滅するピコピコハンマー。
「さっ、お遊びは終わりにしましょう」
今度は渚がロコの髪を引っ張る。
「ぐううっ……!!」
渚が殴り始める瞬間、ロコが目を見開く。
「『ストレート』!!」
ドォン!
「かはっ!」
真っ直ぐに力強いパンチを渚の腹部にぶつけ、後方へ吹っ飛ばす。
「お兄! あの技!!」
「ああ。前に特訓した時、俺がロコに教えた技だ。出目に失敗した時の時間稼ぎになるはずだからな」
「やってくれたわね、お嬢ちゃん。私もここからは本気でやらせてもらうわね」
渚が鞭を取り出す。
そして、そのまま鞭を打ちつけ、ロコが吹っ飛ぶ。
「きゃあっ!!」
ビシッ! バシッ! ビシッ!
鞭で打ちつける攻撃を止めない渚。
「くぅぅぅぅっ……!!」
一方、防御態勢を続けるロコ。
それに痺れを切らしたのか、鞭がロコの体を巻きつけ、そのまま宙に浮かす。
そして、そのまま地面に思いっきり叩きつける。
ドゴォン!!
「ごっ!!」
「ロコちゃんっ!!」
(やっぱり今のロコじゃ無理か!!)
「ロコ! もういい! 降参しろ!!」
「月影! 仲間なら私を信じなさいよ!! アンタの出番は無いって言ったでしょ!!」
「ロコ……!!」
「ぐっ……!」
再び立ち上がる。
「へぇ~、まだ戦うんだ」
「当たり前でしょ……。アンタを倒すまではね……。それに、もうそろそろ……」
ロコが何かを感じ取った。
「フッ……、チャージ完了!」
右手を挙げるロコ。
再び手のひらにサイコロが出現。
「まだ浅はかな運に頼るつもり?」
「私はこの能力を信じて、ただ振るだけよ……。想い託してこの賽に全てを賭ける! サイッ!」
ロコがサイコロを振る。
出た目は――――――――――「6」!!
すると、サイコロが黒く変色。
そのまま地面に溶け出し、やがてワープホールの様なものが出現。
その穴から小さな悪魔のモンスターが姿を現す。
「召喚! 『ベビーデーモン』!!」
「オーホッホッホ!! そんな小さなモンスターでどうするつもり!?」
「渚ぁ!! 油断するなっ!! そいつは――」
「お兄、何なのアレ……」
「伝説のモンスターの一体、『デーモン』の子供って言われているモンスターだ」
ベビーデーモンが左手に溜め込んでいた黒い塊を渚に向けて飛ばす。
「ぎゃあああああああああああああああ!!」
攻撃を喰らった渚がその場で倒れる。
「勝者! 双石ロコ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
観客の大きな歓声。
「なんてザマです……」
「ロコちゃん、すごい!!」
「フッ、やったな、ロコ」
ロコが倒れている渚の元へ行く。
「あのね…………、あんまり私を舐めるんじゃないわよっ!!」
CM裏話
元々は先鋒戦で火丸、中堅戦で水那の流れにする話でしたが、火丸をサーカスに連れていく理由付けが難しかった為、ロコに変更しました。
あと、変更点なのですが、第四十三手ではロコがサイコロを出現させる際に左手を挙げていましたが、右手に変更しました。
多忙の為、今度こそまたしばらく休止に入ります。
よろしくお願いします。




