第四十七手
道草大サーカス。
道草三兄弟を中心とした大きなサーカス団である。
「すごいお客さんの数……」
「有名なサーカス団だからな。俺でも名前くらいは聞いたことがある」
三人はそのまま会場に入っていく。
*
始まったサーカスは空中ブランコ、火の輪くぐり、綱渡り、イリュージョン、次から次へと曲芸を繰り出していく。
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていった――。
パチパチパチパチパチパチパチパチ――
会場で大きな拍手と歓声が上がる。
「すごく良かったねー!」
「そうだな。ま、演目が在り来たりっていうか、俺はあの猛獣使いの姉ちゃんが良かったけどなー」
「アンタは一体何を見てたのよっ!!」
「い゛っ!!」
月影の足を思いっきり踏みつける水那。
(お姉ちゃん、怖っ……!!)
そんな様子を横でロコが見ていた。
「今日はスペシャルステージも用意しております! どうぞ最後まで楽しんでいってください!!」
「出るぞ」
「えぇっ!? 急にどうしたのよ?」
「なんか嫌な予感がする。今日はギャグ回じゃなかったのか?」
月影達三人にスポットライトが当たる。
「なっ!!」
「どうぞこちらにお越しください!」
*
ステージに上がる月影達。
「座長……さんか? これは何だい」
「今から貴方方には私達と勝負していただきます!」
「いや、何で?」
「実を言うと、私は四天王をやらせてもらっております。つまり! ここで私を倒せば、貴方が四天王の一人になれるわけです!」
「……別に俺は四天王には興味ないけどね。ただ平穏に生きていきたいだけだ」
「そ、そうですか。でも、豪華賞品があるので是非参加してください」
「豪華賞品!? ねえ!! 豪華賞品って何っ!?」
水那がその話に飛びつく。
「商品は『三日星米』です!」
「ちょっとおおおおおおおおおおおお!! ホントにいいの、貰っちゃって!?」
「いや、あの、私達に勝てればの話ですよ」
「十年分だ」
「え?」
「十年分の米じゃないと参加できないな」
「ちょっとアナタ!! 十年分とかふざけてるの!?」
月影の発言に渚がツッコむ。
「うちは人数多いし、大食いの金華って妹がいるんだよ。一年分で足りるわけねーだろ」
「そ、そうよ! 一年分じゃ足りないわ!!」
月影の発言に賛成する水那。
「わ、わかりました。では、三年分で――」
「十年!」
「五年分で――」
「十年!!」
「わかりました!! じゃあ八年分っ!!」
「……ま、八年でいっか」
「そ、そうね。八年じゃ足りないけど、ま、まぁ良しとしましょう」
「無茶苦茶よ、こいつら……」
渚がぼやく。
*
司会者が出てくる。
「それではルールを説明します! 対戦は三本勝負! 先に二本先取した方が勝ちとなります! 対戦相手はモニターに映るルーレットを回し決めます!」
ドュルルルルルルルル――
回り始めるルーレット。
「あのルーレットは初めから仕込んでいます。私と月影が戦うのは大将戦です」
「なぜ大将戦に?」
「別に先鋒戦で戦ってもよかったのですが、楽しみは最後までとっておくことにしました」
「ま、アナタらしいわね」
そして、ルーレットが止まった。
「対戦カードが決まりました! 先鋒戦は『青石水那vs道草恭輔』、次鋒戦『双石ロコvs道草渚』、大将戦『黒木月影vs道草蓮也』!!」
三本勝負が今始まる!
サーカスのところもう少し引っ張りたかったのですが、力不足ですみません。




