第四十二手
今日は月影と木也の二人が買い出しの為に商店街へと歩を進めていた。
「兄さん、今日は何買うの?」
「えーと、今日買う物は牛乳とパンと卵と豆腐と長ネギとキャベツと――」
木也の問いかけに月影が巻物の様に長く丸まったメモを取り出し一つずつ読み上げていく。
「わ、わかった、もういいよ。要するに今日も沢山買うんだね」
「そうだな。うちは人数が多いし、それに大食いの金華がいるからな」
すると、
「ちょっと待ちなサイッ!!」
一人のぱっつんでおかっぱの金髪少女が二人を呼び止める。
「何だい、嬢ちゃん」
「私と勝負しなサイッ!!」
「帰りなさい」
即答する月影。
「アンタ、見たところ『ファイター』でしょ! だったらファイター同士、挑まれた勝負は受けなサイよ!!」
「いや、俺『ピープル』だけど」
「えっ!? アンタ、一般ピーポーなの!? それは失礼しました。…………って、私の目は誤魔化せないわ!! アンタは間違いなく『ファイター』よ!!」
「ったく、めんどくせぇ……。ホラ、飴ちゃんやるから帰りなさい」
ポケットから出した飴玉を少女へ差し出す。
「わぁ~、飴玉貰ったさぁ~。お兄ちゃん、ありがとぉ~。…………って、何やらせんじゃゴルァ!!」
「……るっさいのう。他あたらんかい」
「びえーん!! お兄ちゃんが勝負してくれないよぉ~!!」
その場で座り込み、泣き出す少女。
「行くぞ、木也」
「う、うん」
「待たんかいいいいいいいいいいいいいい!!!!!! よくこの状況で去る選択ができたな!!!!!! アンタ悪魔か!!!!!! この場合、周りの大人の目を気にしながら『わ、わかった、勝負するよ』って流れになるんじゃないんかい!!!!!!」
「ない」
「作りなサイよ!!!!!!」
「兄さん、相手してあげなよ」
「相手は女子供だぞ。勝負できるか」
「私はこれでも十四歳よ!! それにこれでも男よ!!」
「性別は嘘だろ!! ……ったく、しょうがねーな、特別に相手してやるよ」
こうして二人は勝負することになったのだ。
この回の前に書いていたエピソードがあったのですが、自分の文才不足により現状書く事が困難だと判断し、お蔵入りしました。
封印回もいつか投稿したいです。




