第二十二手
翌朝。
朝食を食べ、準備を済ませた月影達が玄関へと向かう。
月影は昨夜、木也と土壱も一緒に連れて行くことをビアンカに説明していた。
「今日はよろしくッス、ビアンカさん」
「よろしくお願いします」
「オ二人共、コチラコソ宜シクオ願イシマス!!」
「それじゃ水那、行ってくるわ。留守番よろしく」
「うん、気をつけて行ってきてね、みんな」
こうして四人は出発した。
*
汽車の中。
月影とビアンカは会話の中でそこそこ親しくなり色々なことを語らっていた。
「――ソレデワタシハ小サイ頃カラ色ンナ石ヲ集メルノガ趣味デシタ!」
「『石』ねぇ……。そういえば、前に何か貰ったことがあったな」
月影が懐から何かを取り出す。
「ソ、ソレハ!!」
「ああ、前に占い師の姉ちゃんから貰った『ローズクォーツ』とかっていうパワーストーンなんだけど――」
「ソレヲワタシニ寄越シナサーイ!!」
ビアンカが月影に飛び込んでくる。
「だからそれやめろおおおおおおおおおおおおお!!」
月影が避ける。
「オー、コレハ失礼シマシタ」
「俺はこういうのには興味ないからそんなに欲しいならやるよ」
「アリガトウゴザイマス!! コノゴ恩ハ一生忘レマセン!!」
「大袈裟だなぁ……」
「ソウダ! チョット待ッテテクダサイ!!」
そう言うと、ビアンカがバックパックの中から大きな石を取り出す。
「……………………何これ」
「『漬物石』デス!! コレガアレバ漬物ガ作レマス!! コレヲ貴方ニ差シ上ゲマス!!」
「ああ……そう……ありがとね……」
こうして、月影は「ローズクォーツの石」を譲って、代わりに「漬物石」を貰った。
(い、いらねぇ……)
漬物石を呆然と見つめながら月影はそう思った。




