第二十手
闘技場。
「『火球』!!」
「ぐああああああああああああああああ!!」
火丸が一人の男を倒す。
「…………チッ! 雑魚が」
「勝者! 赤村火丸!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
観客の大きな歓声が上がる。
(こんなつまんねー戦いで盛り上がってんじゃねーよ)
月影達は「何でも屋」の仕事で生計を立てている。
一方の火丸は闘技場で勝つ度に出る賞金でお金を稼いでいた。
その何割かを月影の家に収め生活している。
*
月影宅。
月影と水那は昼食作り。火丸と金華は居間で将棋。
土壱も同じく居間で銃の手入れ。木也は庭で木刀を使って素振りの練習。
この日は休日であった為、それぞれが思い思いの時間を過ごしていた。
「昼食できたから、みんなテーブルに着いてー!」
水那がみんなに呼びかけると同時に月影と一緒に昼食を運ぶ。
この日の昼食は「ハヤシライス」である!
「「「「「「いただきます!!」」」」」」
六人が居間に集まり昼食を開始。
火丸はハヤシライスに粉ふるいで砂糖を落とし、それを月影は相変わらず苦い顔で見ていた。
*
闘技場。
火丸と対戦相手が向かい合う。
「赤村火丸vs水野流、勝負開始!!」
試合開始のゴングが鳴る。
「テメーが火丸とかって奴か! 炎を使うみたいだが、そんなモン俺の水でかき消してやるぜ!!」
「御託はいいからさっさとかかってこい」
「ハッ! 後悔しても知らねーぜ! 『ビッグウェーブ』!!」
水野が両腕を前に出すと、突如大きな波が出現。そのまま火丸を襲う。しかし……
「効かねーなぁ。足腰鍛えてっからよぉ」
「なにっ!?」
火丸はビクともしていなかった。
「その程度の水で俺が倒せるわけないだろう」
「くそっ!」
「水浴びの礼をしないとな。『双炎龍』!!」
火丸が手をグーにした両腕を前に出すと、二匹の龍の形をした炎がぐるぐると螺旋の様に回転しながら水野へ向かっていく。
「おおおおおおおおおおおおお!! 『水流光線』!!」
水野が両腕を前に出すと手のひらから強力な水が噴き出し、技と技がぶつかり合うが、あっという間に火丸の「双炎龍」が押し返す。
「があああああああああああああああああああああ!!」
技を喰らった水野がその場に倒れる。
「勝者! 赤村火丸!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
観客の大きな歓声が上がる。
(チッ! 少しでも俺を楽しませてくれる奴はいないのか?)
そんなことを思いながら火丸はその場を後にした。




