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CHECKMATE!  作者: ひややっこ
勇者「くろき」の大冒険
16/50

第十六手

 引きこもりの「くろき」は朝ベッドで目を覚ますと、お城にいる王様に呼ばれていることを思い出し、着替えをし、洗面所で顔を洗い、朝食をとり、歯を磨き――


「ありきたりだなー。さっさと城行けよ!」

「まぁまぁ」


 身支度を整えた「くろき」はようやく家から外へ出た。

 「くろき」が外へ出たのは実に一年半ぶりである。

 なぜ彼が引きこもりになったのか、それには深い訳があったのだ。

 あれは今から三十年前、「くろき」が出生した時に遡る――


「遡るなあああああああああああ!! はよゲームで遊ばせろおおおおおおおおおおおおおおおお!! てか勇者って三十歳だったの!?」

「落ち着いて兄さん。まだこの話は二十章まであるから」

「二十章!? そんなに見てられるか!! 『ムービースキップ』とかないの!?」

「あるにはあるけど、感動巨編だから、飛ばす人は一人もいないよ」

「今めっちゃムービー飛ばしたいんだけど!! 豪華にCG使ってるし、もはや映画の領域だろ!! レトロゲームじゃないのかコレ!?」





 ――ということがあり、現在に至るのであった。


「いやぁ~、本当に何度観ても良い話だよ」


(やべぇ、全く感動しなかったんだけど……。二時間のムービーで主人公がうんこ漏らしただの冷蔵庫のプリンが無くなっただの心底(しんそこ)どうでもいいことに映画一本分の時間使いやがった……)


「あ、兄さん、もう主人公動かせるみたいだよ」

「あ、ああ」


(つか何でムービーであれだけCG使って力入れてるのに、肝心のゲームは見下ろし視点のドット絵なんだよ!!)


「まずは『タクシー乗り場』に行ってタクシーに乗るんだよ」

「いやコレ、ファンタジーの世界じゃないの!? 周りが住宅地だし、てっきり荒野とか山道を歩くもんだと思ったら、主人公の足元カッチカチのアスファルトなんですけど!?」

「そうだよ」

「そうなの!?」

「この後、電車と船と飛行機に乗るんだ」

「王様のお城どこ!? コレ絶対魔王の城通り過ぎてるだろ!!」

「あ、エンカウントだ」


 まおうが あらわれた!


「何でだあああああああああああああああああああああ!!」

「すごい! 滅多に魔王なんてエンカウントしないのに!」

「そりゃそうだろ!! だってラスボスだもん!! つかコレどうすんの!? まだ主人公武器も防具も何も持ってないぞ! 家から出て乗り物に乗っただけだぞ!!」

「でも戦うしかないよ」

「そりゃそうだろうけど! もう当たって砕けるか!!」


 まおうの こうげき!

 くろきに 1のダメージを あたえた!


「よわっ!?」

「まだ魔王もレベル上げの途中だからね」

「魔王レベル上げすんの!?」


 くろきの こうげき!

 まおうに 1のダメージを あたえた!


 まおうの こうげき!

 くろきに 1のダメージを あたえた!


 くろきの こうげき!

 まおうに――


「なんだ、この低レベルな戦い……。ラスボスと戦ってるのに全くテンション上がらねえ……。魔王と殴り合うゲームなんて聞いたことねーぞ!!」


 まおうは まほうを つかった!

 ビッグバンインフェルノ!


「魔王本気出した!」


 くろきに 2のダメージを あたえた!


「よわっ!!」


 くろきの こうげき!

 まおうに 1のダメージを あたえた!

 まおうを たおした!


魔王(まお)おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 まおうが たちあがった!

 まおうが なかまになった!


「魔王おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「すごい!」

「いや確かにすごいけども!! まだ王様にも会ってないし、こんなパーティ誰にも見せらんないだろ!! この後どうなんだ!?」


 この続きは映画館で――


「観るか!!」

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