第十四手
数時間後。
陽はすっかり暮れかけていた。
「ゼェ……ゼェ……」
「きゅう……きゅう……」
(弱いと思っていたが、完全に舐めてた……。こいつ……、どんなに倒れても、何度も立ち向かう『根性』がある)
ノックアントが月影の方へ向かってくる。
「くっ!」
ドンッ!
月影の左パンチとノックアントの右パンチが交差し、お互いの頬を殴る。
つまり「クロスカウンター」である!
「やるな!」
「ギュイ!」
「だが、次の一撃で終わらせる!」
月影が攻撃の態勢に入った。
「チェックメイト! 『ストレート』!!」
ドォン!
真っ直ぐに力強いパンチをぶつけノックアントがその場に仰向けで倒れた。
「きゅう~」
目をグルグル回している。
*
「きゅい!」
「ああ、俺も楽しかったぜ」
「兄ちゃん、こいつが何言ってるかわかるの?」
「拳と拳で語り合ったら自然とわかるようになった」
「そ、そうなんだ……」
金華が若干引き気味になる。
「お前のこと気に入ったぜ。どうだ、俺と来るか?」
「きゅい!」
ノックアントがコクリと嬉しそうに頷く。
「兄ちゃんの初めての召喚獣だねっ!!」
「そうだな。折角だから何かニックネーム付けとくか。……うーん、蟻だから『あり助』? 『あり丸』?」
「はいはいはーい!! 『きゅう太』にしようぜっ!!」
「『きゅう太』か……。お前はそれでいいか?」
月影がノックアントに尋ねる。
「きゅい!!」
きゅう太が元気に返事する。
「これからよろしくな、きゅう太」
こうして月影に新しい仲間ができた。




