第十二手
月影の「ストレート」がチャラ男に激突し、そのまま吹っ飛んだ。
「ぐっ!」
「まだまだぁ!」
月影が追撃をする為に走り出し、同時に攻撃態勢に入る。
「『ラッシュ』!!」
「『砂の城』!!」
チャラ男の前に砂でできた大きな城が出現し、月影の数発のパンチ攻撃を防ぐ。
「なっ!?」
「オラァ! 次はこっちの番だ! 『砂パンチ』!!」
「砂の城」が今度は大きな砂の拳に形を変え、月影に向けて放つ。
「ぐあああああああああ!!」
「ハッ!」
「こいつ……まさか……」
「そうだよ! 俺は『砂』を自在に操る力がある! つまりこの砂浜の砂、全てが俺の味方ってわけだ!! はーはっはっはーっ!!」
「チッ! 厄介な能力を持ちやがる……」
「まだこれからだ!!」
今度は砂でできた大きな拳が二つ出現し、月影に近付いてくる。
避けようと考えるが……
「!?」
砂でできた二つの手が地面から生え、月影の左右の足をそれぞれ掴んで固定していた。
(技で対処するしかない!)
月影が拳と拳を合わせ、左腕にも黒いオーラを行き渡らせ、両腕で攻撃する態勢を作る。
「射出! 『バルカンラッシュ』!!」
「『フルボッコタイム』!!」
お互いのパンチの嵐がぶつかり合う。
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」
(足が固定されてるから思ったより力が入らない!!)
しばらくぶつかり合った結果、月影側が押され始めた。
「くたばれええええええええええええええ!!」
「があああああああああああああああああああああ!!」
ドォン!!
技のぶつかり合いで押し負けた月影がうつ伏せで倒れる。
「この砂浜の砂が俺の味方である以上、もうお前に勝ち目はない! さっさと降参するんだな!!」
「ハッ。『砂が俺の味方』……ねえ?」
「あん? 何がおかs……」
喋り終わる前に月影が親指で地面の砂を素早く巻き上げるように弾き、大きな砂埃をチャラ男に浴びせる。
「ぐぁっ!? 目がっ!!」
チャラ男の視界を奪うと同時に月影が動き出す。
「『ジェットストレート』!!」
足の裏から煙が噴き出し、まるでジェット機のような早さでチャラ男に向かっていく。
(奴の居場所を特定できなきゃ足を奪えない! しょうがねえ、また『砂の城』を出して攻撃を防ぐか!)
「『砂の城』!!」
チャラ男の前方に再び「砂の城」が出現。
月影が拳と拳を合わせ、左腕にも黒いオーラを行き渡らせる。
「チェックメイト! 『エンドレスラッシュ』!!」
止むことのない無数の両腕のパンチをチャラ男のガラ空きの「背中」に打ち込む。
「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
そして、その場に倒れ込んだ。
「なんで……俺の後ろから攻撃が……」
「『ジェットストレート』は攻撃技としてじゃなくて、あくまでお前に近付く為に使った移動手段だ。あの『砂の城』でまた俺の攻撃を防いでくると踏んで、直前の位置で飛んでお前の後ろに着地。そして、技を放っただけだよ」
「くっ……!」
「次はゴーグルでもしてくるんだな。それから……『ハヤシライス』は俺も好きだよ」
そう言い残し、月影がその場を後にする。
*
「おっそーい!!」
水那が顔を真っ赤にし、ほっぺを膨らませて月影に怒っている。
「悪かったよ」
「兄さん、何してたの?」
「糞ギレが悪くて時間がかかったんだよ」
尋ねる木也に月影が答える。
「きゃははははっ!! 兄ちゃんまたうんこの話してるーっ!!」
金華が笑う。
「うるせえ」
「兄貴、俺達と遊んでくれるんスか?」
土壱の問いかけに月影が答えた。
「ま、せっかくだし遊んでやるか」
こうして、月影も水那達と海を満喫したのであった。




