嘘が現実になる事について (トイレットペーパー買い占め問題)
ドラッグストアに行ったら、トイレットペーパーと生理用品が買い占められて、棚が空になっていました。(ああ、ほんとにこうなっているんだ…)と思いました。今のところまだ棚は空の状態です。
トイレットペーパーの買い占めは、コロナウイルスの蔓延からマスクが品切れになり、その余波で「ペーパーもなくなるのではないか」というデマが広がり買い占めが起こりました。他にもティッシュ・生理用品の類も買い占められていて、空っぽの状態です。
それで、おそらく買い占めに走った人は、デマに惑わされているという感覚はなかったと思います。これはいくらでも正当化する事が可能です。つまり「ペーパーがなくなるのはデマかもしれないけど、デマを信じてみんなが買うかもしれないから先に買っておこう」というそんな心理です。
この心理の内部でこの人は、デマに騙されていないと思っているけど、デマに騙されたのと同じ行動をしています。そして結果、トイレットペーパーは店の棚から消えました。
私は権威主義者を嫌っていますが、それは「現実にそうなっているからそれは正しい」というような正当化の論理が底にあるからです。しかし、今の世界はこのトイレットペーパーの買い占めのように、嘘でも、みんなが嘘だと信じ込めば本当になります。そして現にトイレットペーパーは店にありません。買い占めに来た人は全く正しい次のような理屈を使う事ができます。
「ほうら見ろ、本当にトイレットペーパーはなくなっているではないか。買い占めておいて正解だったじゃないか」
この言説は間違っていないとも言えます。なにせ現実にトイレットペーパーはなくなっているのですから。現実を頂点として理論を正当化する限界はここにあると思います。人はもっと違う何かを志向して生きるべきではないかと私は思っています。




