二話 宇宙人を信じる?
「ハルー? いるー?」
一年三組の教室に、芹奈が現れたのは翌日の昼休み。
それに応えたのは君影だった。
「セリちゃん、どうしたの?」
「ちょっとね。ハルはどこ?」
「ほら、あそこで寝てるよ」
君影が示した先には、机に突っ伏している大春がいる。
「なんで寝てるのよ。カゲ、呼んできてくれる?」
「うんっ!」
てくてく……と教室の中へ君影が歩いて行った。
「ハル君、起きてっ! ハールーくーん?」
君影が大春の肩をトントンと叩き身体を揺らす。
「んぁ……? あ……あぁ?」
「ハル君?」
ぼやけた視界の中で大春は天使を見た。懸命に自分のことを起こす天使……夢と現実の境界で天使は語りかけてくる(かわわ)。
「あ、天使か……? 可愛いな」
大春は言葉を漏らした。
「かかかっ……えっ?! あっ、あああの……かわいいって……えっ!」
君影は耳まで真っ赤にした。
「あぁ、カゲかぁ……」
「そ、そうだよっ! 君影だよっ!」
「なんだぁ……」
と、ため息交じりに大春が呟いた。
「うぅ。私だからって、そんなに残念がらなくても……」
「こんなに可愛いのに気づかなかった」
大春は少し笑った。
「はわわっ! 冗談は……やめてよっ!」
君影は慌てて顔を手で隠した。
「冗談? カゲ、何を言ってるの? 俺は本当のこ――いっっってええええぇぇぇ!」
悲しいかな。
大春の台詞は途中で遮られた。
「ハルー? カゲを困らせないで頂戴」
そう言いながら芹奈が大春の頭を両手をグーにし、こめかみをぐりぐりとする。
有潜在者としての超能力を惜しみなく使わんとする勢いが、大春のこめかみを壊していく。
「いてええええぇぇぇぇぇ! セ……セリ! 痛いってばああぁぁ! 壊れるぅぅぅ!」
ぐりぐり。
「ハルがカゲを、からかうからでしょうが!」
ぐりぐりぐり。
「別にからかったわけじゃなぁぁあああああああ! いたいぃぃぃぃぃ! いたいぃ!」
「カゲが真っ赤になるのを見て楽しんでたクセに!」
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
「それはそうだけどぉぉおお! いってえええぇぇぇぇぇ!」
すると君影が芹奈の腕を掴んだ。
「セリちゃん! も、もう大丈夫だから……」
「ふー……うぅぅ? …………カゲ? そんな簡単に許したら、コイツまたやるわよ?」
「もう赤くならないもん! それにまたしてくれたほうがいいもん……」
後半の言葉をゴニョゴニョと呟きながら、さらに赤くなる。
真っ赤になっていく君影の頭を撫でながら芹奈は言った。
「ってそんな話はどうでもよくて。本題に入るんだけど、これがビッグニュースなのよ!」
「ビッグ……」
大春の視線は芹奈の顔から少しずつ下に……下に。
「ソー……スモール」
「おい」
胸元に行く前に、引き返す。
「ニュースって何だ?」
大春はこめかみをさすりながら答える。
「昨日さ、空から女の子が落ちるのを見たって言ったじゃない?」
ニヤッと、一笑。
「おう」
「あれ、本当かもしれないのよ」
「はっ?」
嘘だろ? そんなセリフは、信じていた本人が出すべきではないと思い口を閉じる。
「実は見たって人がいるの」
話を聞いていた君影が、ひょこっと二人の間に顔を出した。
「その話って、昨日ハル君が言ってたやつ?」
「そうだけど……あれ? カゲ昨日、図書室来たんだ?」
間に出てきた頭を指でつつく。連打連打連打打打打打。
「うん。セリちゃんとは入れ違いだったみたい。それでね帰りに駅前のゲームセンターに行ったんだ! 高校生してるよね! それとつむじ痛いよ!」
その思い出は君影に強く焼き付いていた。
連打される頭を押さえつつ涙を流しながら笑った。
「高校生してるって……まぁそうね。それと、つむじをつつくとお腹を壊すらしいわよ」
芹奈は不敵な笑みを浮かべながら、連打速度を速めていく。
「それでセリ! その噂はどこ情報なんだ?」
頭が少しづつ沈んでいく君影を横目に、謎の少女の正体を確かめようとする。
「二年の先輩が写真付きでSNSにアップしてたのよ」
「写真付き?!」
確たる証拠が実在することに驚きを隠せずに、目と口を開く。
「ふふっ。見たい?」
「見たいです!」
食い付くように大春は返事をした。
「そうね。そんなに見たいなら態度で示してもらわないと……ねぇ?」
背筋が凍るような視線が、大春の本能を目覚めさせようとしていた。
「見せてください芹奈様!」
「それだけ?」
サディスティック!
「見せてください芹奈様! なんでもしますから!」
マゾヒスティック!
「へぇ……? なんでもねぇ?」
「はいっ!」
「それじゃあ……三回まわってワンって鳴きなさい!」
魔女のような笑みを浮かべながら、芹奈は命令をする。
瞬間、大春は高速で三回転。
「ワンっ!」
鳴いた。
「見たいです! ワンワンっ!」
必死にワンっ!
「じゃあ、放課後ね」
ウインクをしながら芹奈は大春にデコピンをした。
「もっとください芹奈様っ! って違う! 俺はマゾじゃない!」
ぜぇぜぇ……と息を切らしながら大春は叫んだ。
「ここまでさせといて放課後かよ!」
「校則で学校内でのスマホ、携帯電話の使用は禁止よ? 私、真面目だからね?」
ドヤ顔で芹奈は答えた。
事実、校則には一字一句違わずそう書いてある。
「よく言うよ。昼休みにやってるくせして」
意義あり! と言わんばかりのキメ台詞。
「なんのことかしら? それじゃあ放課後、図書室でね」
立ち去ろうとする芹奈を君影が引き留める。
「あっ、セリちゃん。私も放課後行っていい?」
「えぇ、もちろんよ」
当然と言わんばかりに答える。
「あ、あとセリちゃん」
続けて君影は質問をする。
「ん?」
「えっとね。図書室も学校内だから……使っちゃダメじゃない?」
「んー……図書室はセーフ?」
「えっ……アウトだと思うんだけど」
「気にしたら負けよ? それと移動教室遅れるわよー」
そう言い、芹奈は手を振りながら教室へと戻っていった。
周りを見ると誰もいなかった。
昼食後の授業は別棟の多目的室。
ボッチとは怖い。
「ふえぇ? 負け……なの?」
君影は不思議そうに大春の方を見た。
「あー、えっと。負けではない。と思うけど、まぁ気にしないでいいんじゃないか?」
「う……うん?」
放課後、図書室。
図書室の机の周りに三人はいた。大春の隣に君影が、そして二人の正面に芹奈がいる形だ。
「ほら、これよ!」
芹奈がスマホを三人の真ん中に突き出す。
「こっ……これはっ!」
大春が目を見開いた。
「セリちゃん……これっ! ……すごく画質が悪いよ!」
芹奈が持つスマホには、ぼやけた写真が写っている。
「あのさ。これじゃ本当に人間かわからないんだけど?」
「そんなこと言われてもねー? 私じゃなくて、この人に文句言って頂戴」
なぜか以前見せたドヤ顔よりも、よりドヤ度を増したドヤ顔が現れる。
「んな無茶な。それで、この人、二年何組なんだ?」
「ふふっ。知らなーい」
あっけらかんとして外を眺め始める芹奈は、呆けた顔になっていく。
「はぁ?! てっきり知ってるのかと……」
「だって。プロフィールに書いてあったから二年生と分かっただけで、誰かなんて特定できないわよ」
プロフィールには大春たちの通う学校の略称名と、二年という文字があった。
「えっと。名前は?」
「四象・東方……?」
「ししょう? なんだこれ? これじゃあ特定できないな」
すると君影がスマホを覗き込んで、
「……もしかしたら、特定できるかも?」
と言った。
「カゲ、本当か?」
「うん。この『四象』っていうのは『四神・四獣』の別名だと思うの。それで、その四象の東方っていうのは『青龍』だから、青龍さん……もしくはそれに由来する名前なのかもって思うんだけど。って、さすがにそんな名前の人はいないよね」
すると芹奈はパッと目を開き、記憶の奥深くを探る。
「待って。二年生で青龍……? 聞いたことがあるような……ないような」
「本当か? でも二年生だろ? 探すのは難しいな」
学年が一つ違うだけで生徒の情報を知るのはとても難しいのは言うまでもない。
なぜか見えない壁的な何かが存在するのだ。
「あ。宮田先輩に聞けばわかるかも」
しかし、その壁は『リア充』という存在が一瞬でぶっ壊すのだ。
なんだそれ。ありえん。
「まじ? てか、宮田先輩って誰?」
「二年生の先輩。この前仲良くなった人なんだけど、結構人間関係とか調べてる人だから……もしかしたら?」
「おいおい。すげぇ人と知り合いになったな? コミュ力やべぇ……」
「このくらい普通よ? それじゃ、さっそく聞いてみるわね!」
(普通? こいつ……いつの間に完全なるリア充に……っ!)
芹奈はスマホを操作し始めた。
「それにしてもカゲ。よく知ってるな……四象なんて」
「実はね、おばあちゃんが風水をやってるの。それで覚えちゃった」
「ほへー。すごいな」
「でっ、でも……そんなに詳しくはないから。自慢できるほどのものでもないんだよね」
もじもじと顔を下に向け、目を隠す。恥ずかしいと視線を外し、相手を消したことにするのは君影の昔からの癖である。
「いいや。自慢できるものだよ」
そう言って、大春は君影の頭を撫でようとした――
「わかったぁー!」
――が芹奈のその声によって遮られた。
君影は少しだけ、残念そうな顔をした。
「おおう、早いな。それでセリ、どんな人なんだ?」
「四組の田北青龍……って人。普段はあまり話さない人みたい。でも友達がいないとかじゃなくて話すのが苦手な人らしいわ。それと……」
芹奈は次の言葉を出そうとするが、何かが詰まったように口を閉じた。
「ん? それと?」
途中で言葉が止まり、大春は続きを聞こうとする。
「お……。おっ……!」
芹奈の目が泳ぐ。
「お?」
「おぉぉぉおお? おっ!」
「「お?」」
「『おっぱい』が、大きいらしいわ…」
響き渡る『おっぱい』の声。
「「……?!」」
大春と君影を襲う衝撃。
唐突なおっぱい発言の破壊力は二人には大き過ぎた。
「えっ、えっと……宮田先輩がそう言ってて!」
顔を真っ赤にして芹奈は目を回していた。
「お、おう」
「おっぱいが……大きい? おっぱい。おっ……!」
息が荒くなる。
「胸が……大きい? なぜ……なぜだぁ。胸が……巨乳ぅ。うらやまけしからんんん……」
芹奈は何度か呟いた後、ハッとして
「と……とりあえず会ってみる?」
と言った。
「え? 会えるのか?」
「図書委員で司書室にいるらしいわ」
「司書室って……そこ?」
「そこ」
大春と君影は司書室を覗き込んだ。
そこには……おっぱいの大きい女子生徒がいた。
彼女の名前は田北青龍。
貸し出しを行うパソコンの前に座り、本を読んでいる。すっとした細長い指で眼鏡の位置を整え、そのまま髪を耳にかける。
黒髪ロング! 眼鏡美女! 巨乳! ロマンの塊だ。
大春は青龍の何気ない動きに目を奪われた。
「?」
青龍は首をかしげる。そして、胸が揺れる。
大春は目的を思い出し、声を出す。
「あのー……田北さんですか?」
大春がおどおどと尋ねる。
「そうですけど……? 本、借りますか?」
警戒しながら青龍はそう返した。そして、胸が揺れる胸が揺れる。
眼鏡の奥の瞳が、真っ直ぐ大春を捉えた。
「いえ……。あのっ、えっと、俺……宇賀神大春、と言います」
「初めまして、吉鹿君影です」
大春と君影は自己紹介をした。
「???」
沈黙。
「ハル君……どうしよう。何から話そう?」
君影が耳打ちで大春に聞いた。
「えっと。何を話せばいいの?」
問いに問いを返す大春。
「あ、あのー。何か?」
青龍のその声にビクッとした大春は、
「えっとですねー……」
という言葉を放ち、沈黙した。
コミュニケーションの取れない時間が続く。
「……」
「……」
「……」
「あぁぁあ! もう! なんで何も話さないのよ!」
沈黙を切り裂いたのは芹奈だった。
「だって……。何から話したらいいかわからないし」
「まったくしょうがないわね。初めまして、一年三組の日ノ沢芹奈です。今日はお聞きしたいことがあって来ました。えっと、田北先輩がSNSに載せていた、空から落ちる人って本当なんですか?」
「あら? 私のアカウントバレちゃってるのかしら? えぇ、あれは本当よ。家に帰る途中で確かに見たもの」
微笑……何か面白い事を思い出したように青龍は答えた。
「ほら見ろ。俺が見たのはやっぱり人だったんだよ」
「大春君も見たのかしら?」
「はい。図書室から」
「どこら辺に落ちたのか、わかりますか?」
「えぇ」
嘲笑。
「目の前よ?」
「目の前。そうですか……目のま――は?」
時間が止まってしまったかのように、全員の動きが停止した。
「目の前の建物。あのタワーに落ちたのよ」
「「「は?」」」
この先輩は一体何を言ってるんだ。その共通の認識が『は?』という言葉を引き出させた。
「フワッて。落ちたのよ?」
「へ、へぇー。因みにその落ちてきた人は、どんな人だったか知っていますか?」
「それじゃあ直接聞きに行ってみましょう。ネットで西宮タワー周辺で変な人がいるって噂が立っているみたいだから」
「「「……は、はい」」」
正直、話についていけない三人だったが青龍が嘘をついているようには思えなかった。
「ふふっ。じゃあ行きましょう?」
三人は青龍に連れられ西宮タワーへと向かった。
西宮中央公園。
この公園は敷地内に西宮タワーがあり、アスレチックや展望台、動物舎まである総合公園である。
「ほら。いたわ」
青龍がそう言い指を差した先には――
「むにゃむにゃ……」
――幼女が寝ていた。
白いワンピースを着た金髪幼女が寝ていた。
もう一度言おう。白いワンピースを着た『金髪幼女』がベンチで寝ていた。かわわかわわ。
「田北先輩。あれは怪しい人というか、ただの幼女じゃ?」
金髪幼女はベンチに横になり、ぐっすりと寝ていた。
「そうね。幼女ね。あ、そうだ。大春君はロリコンさんだから襲ってもいいのよ?」
「えっと……ですね。俺はロリコンじゃありません。それとロリコンだとしても襲っちゃダメですよ?」
「あら、残念。でもね、空から落ちてきたのはきっとあの子だわ。さぁ、大春君襲いに――ゴホン。話を聞きに行きましょう?」
「田北先輩。襲いませんからね?」
そう言い大春達は金髪幼女に近づく。
(なんて声をかければいいんだろう?)
「あっ……あのーごめんくださーい」
その言葉を聞いた芹奈は、
「何でいきなり、ごめんくださいなのよ」
と呆れながら笑った。
「しょうがないだろ……こういうの慣れてないんだから。もしもーし、起きてくださーい」
「んー、はぅう……」
金髪幼女は目を擦り、何度か瞬きをした後に上半身を起こした。
「え、えっと……おはようございます?」
大春は戸惑いながらも挨拶をした。
「おはよー。あなたたちは……だーれ?」
金髪幼女は蕩けたような目で大春達を見つめる。
「日ノ沢芹奈よ」
「吉鹿君影です」
「田北青龍」
「宇賀神大春と言います。君の名前は……?」
「えっとぉー……………あっ!」
突然大きい声を出した金髪幼女は、目を大きく開き、両手で自分の頬を何度か叩いた。
「ピストルと言います! 宇宙人です!」
ピストルと名乗る金髪幼女(自称宇宙人)は金色の長い髪と青い瞳を持ち、君影よりも小さい身体に白のワンピースを着ている。絵に描いた様な金髪幼女である。
そう金髪幼女。
もう一度言おう。金髪ロリ最高ぅ! いえあぁぁぁ!
公園内は木々が多く生え、日本らしい風景となっている。ピストルの姿は馴染まず、かなり浮いている。
「はいっ! 大春君達に質問!」
「は、はい」
宇宙人、という疑問を持たせる前にピストルは話を始める。
「みんなは宇宙人っていると思う?」
右腕を大きく上げたピストルは、目を輝かせながら大春たちを見つめた。
「私はいると思うわ。テレビで何回も取り上げられているものね」
芹奈は即答した。
「んー、私はいて欲しいかな。いろんなお話聞きたいなー」
少し悩んだ君影も、笑いながらそう答えた。
「宇宙人ね……。ふふっ。いるのかしらね?」
青龍はそう呟いた。
「ハルは?」
「いない。会ったことがないもの」
大春のその答えを聞いたピストルは、ニッと笑顔を浮かべてこう言った。
「じゃあ、そんな大春君に一つ面白いことを教えてあげる!」
「?」
「最初にも言ったけど。私、ピストルは宇宙人です!」
(何このドヤ顔? すっごいドヤ顔!)
「……は、はぁ」
「あ! 信じてないね? 本当なのに!」
「証拠がないからなぁ。パッと見ても女の子にしか見えない」
「金髪幼女よね、大春君襲っちゃダメよ」
「田北先輩黙ってください」
「じゃあ、宇宙人だからできることを見せてあげる!」
「は? 宇宙人だからできること?」
「うん! まぁ正しくは星の使い……星の使者なんだけどね。客観的に見れば宇宙人だから」
ピストルは残念そうな顔をしながらも笑った。
「よし! じゃあいくね!」
大きく深呼吸。
「……っ!」
威光、邂逅。
バン! と地面を蹴ったピストルは宙に浮き、両の腕に青白い炎を纏わせた。
目は紅く光る。炎の揺らぎのせいだろうか。ピストルの顔から幼さが抜けて見えた。
「これが星の能力……威光。人間達はLSを使い、超能力と呼んだりしているものに近いのかな。でも、ただの有潜在者ではこんなことはできない。これは宇宙の……星の能力、固有のものだから。ふふっ、少しは信じてくれた?」
君影と芹奈は大春の後ろに隠れ驚いている。
大春はピストルの姿を見て笑みを浮かべた。
「……すごい」
自分の知らない……いや、地球にいる誰も知らないであろう事を知った大春はワクワクしていた。
「大春君。私が地球に来た目的……聞いてくれる?」
「あぁ!」
ピストルは炎を消し地面に降りる。
「私達を助けてほしいの!」
「え?」
「人間達が私達の能力を知り、それを奪おうとしているの!」
ピストルの目は真っ直ぐ、大春を捉えていた。
「地球で有名な夏の大三角、デネブ、アルタイル、ベガが地球の何者かによって能力を奪われてしまったの……このままでは他の星の使者達も能力を奪われてしまうかもしれないの」
俯く大春。
それを見守る芹奈、君影、青龍。
「ピストル。俺は何をすればいい?」
俯きながら言葉を紡ぐ大春。
「原因を一緒に探してほしい」
ピストルのその答えに大春は身体を震わせていた。
そして大春の顔にはこれから起こるであろうことを想像し、笑みが浮かんでいた。
「……わかった!」
「……それとね、大春君」
ピストルは、より真剣な眼差しで大春を見る。
「なんだ?」
「それと……ね」
沈黙が続き、ただならぬ空気が広がる。
「?」
「私を大春君の家に泊めてください。もう……野宿は辛いんです。虫とか虫とか虫とかっ!」
土下座をしながらそう言ったのだ。
その言葉を聞いた大春が聞く。
「まさかずっと野宿?」
「……うん」
涙を浮かべながら、静かな返事をした。
「そっか、部屋は余ってるし。ウチでよければ」
右手を差し出してピストルに笑いかけた。
その背後で芹奈は目を光らせながら、
「ロリコンめ……」
静かにそう呟いたのであった。
こんにちは、
下野枯葉です。
最近格ゲーを買いました。
話題のヤツです。下手糞すぎてエンジョイもできません。
日々練習ですね。
さて、今回は『宇宙人を信じる?』という題です。
さて来ました宇宙人です。
あ、あらすじに書いてねぇや。
まぁいいか。
このお話は、空から女の子が降ってくるお話です。
勘のいいひとなら少し気付きますが空から降ってきた女の子の正体に気付くでしょう。
……勘のいいひとは嫌いだよ。
今回は気合が入りすぎましたね。
よっしゃ!
次回もがんばおー。
今回はこの辺で。
最後に、
金髪幼女は最強です。