星との邂逅
ここは真っ暗な空間が広がる世界。
『人間』が住む地球から遠く離れたところ……宇宙。
真っ暗なこの場所では私達が唯一の光源。
……。
夏の大三角……デネブ、アルタイル、ベガ。
三人は突如姿を消した。
地球に吸い込まれるようにしてその威光を消した。
地球が私達を、私達の力を奪おうとした。それが星達の判断だ。
アウストラリスは言った。
「このままでは我々も飲み込まれてしまうだろう……ピストル、急ぎ地球へ向かい宇宙を」
彼女の私を呼ぶ声には焦りが混ざっていた。
「わかった……行ってくるね。必ず三人を連れ戻すよ!」
私はそんな言葉をどれくらい前に言っただろうか?
無限にも思える距離。
やっとの思いで地球を目視した。
「……あっ! あそこだ」
我々に干渉してくる、デネブ達を変えてしまった、『何か』を感じる。
そこは、日本。
私は原因を突き止めるべく、原因の地へ落下していく。
大気圏を抜け、地球へと近付く……。
すると身体は言うことを聞かなくなり、進路を大きく崩す。
落下する先には赤と白の塔がある、
「ぶつかる!」
危険を感じ能力を使う。
特殊潜在、邂逅。
身体は炎を纏う……進路を少し南へとずらす。
その時……学校と呼ばれる建物から男の子がこっちを見ていた。
「私に気付くなんて……」
そんなことを呟きながら、私は大きく手を振った。
「初めまして……『人間』」