プロローグ、突然ですが大ピンチ
はじめまして。城之内千代です。えっと……初投稿です。楽しんで書いているのでよろしくお願いします。
と言っても、今回はプロローグなので物語は動かないのですが……。
二人の前に立ちはだかる兵器は、六本の足に細長い身体――まさにアリのようだ。不気味に動き、二人の前で止まったのだ。
煙なのか霧なのか。殺伐とした空気に押し潰されそうにもなっていた。
「これはぁ……やべぇくね?」
「まさにあり得ない。アリだけに」
「そんな冗談言っている場合じゃないよな……だってほら、レーザーが……」
「に、逃げるぞぉぉおおお‼」
アリのような兵器は口からレーザーを放とうと準備を始めている。光が集まっていく。
「こんな兵器を目の前にして平気でいられるかよ⁉」
「だから、そんな駄洒落言っている場合じゃねーから!」
逃げながらも余裕なのか切羽詰まって混乱しているのか、二人は掛け合った。飛び伏せて、背後からレーザーキャノンが放射される。
ビュゥウウウギャァアアアアギィイイ‼
凄まじい音が耳に残る。あとはレーザーが放たれた一直線は無残にぽっかり穴が開いている。
「復讐ってレベルじゃないぞ、これ」
「こんなのが襲ってきたら、東京おしまいだー」
「いや、もう襲ってきてるから。だから、俺らここにいるんだろ?」
「あ、そっか」
『あんたたち、私の前から消えて。被害を加えるつもりはない。私が殺したいのはあの男だけだから』
どこかスピーカーがあるのだろう。女の声が聞こえた。
「だって、日本刀はどうする?」
「愚問だね。チビりそうだけど」と股間を押さえた次はアリに向かって言う。「東京には僕の大切なものや場所があるからさ!」
「そうそう。リア充がたくさんいて嫌いだった夢の国とかね。リア充は嫌いだけど、俺にリア充になるんだ! って夢を与えてくれるのさ」
「それは千葉だ!」
「なんだって⁉」
「お前、知らなかったのかよ!」
女は自分を退けて、つまらない話をしている二人に苛立ちを覚えた。
『殺していい?』
「誰も殺させはしない。なめんなよ‼」
「この場には魔法使いとロボ使い。そして、剣士……って僕、一番弱くない⁉」
読了ありがとうございます。次回もよろしくお願いします。