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箸休め お地蔵さんの正体① 意外と凄い使命を持っている

 番外編です。

 今回はタイトル通り、お地蔵さんの身元を洗っていきます。

 実は当初、〈コリカンチャ〉を召還する道具は墓石でしたが、土壇場でお地蔵さんに変えました。

 お地蔵さんの頭を回したほうが面白いので(笑)

 罰当たりなチャラ男によって、無惨に首をひねられてしまったお地蔵さん。

 街角で見掛けることも多く、我々にとっても身近な存在です。

 しかし一体何者なのかと問われると、多くの方が答えにきゅうしてしまうのではないでしょうか。そこで今回は、意外と知られていないお地蔵さんの素性に付いて蘊蓄うんちくを垂れたいと思います。


 そもそもお地蔵さんはれっきとした仏さま(=仏教の神様)で、正式な名前を地蔵菩薩じぞうぼさつと言います。半跏思惟像はんかしゆいぞうで有名な弥勒菩薩みろくぼさつが降臨するまで、人々を救うのが役目とされています。そう、あんな牧歌的な外見に反して、お地蔵さんは結構大層な使命を背負っているのです。


 仏教には輪廻転生りんねてんせいの思想があり、全ての命は六つの世界に転生すると言います。すなわち、天道てんどう人間道にんげんどう修羅道しゅらどう畜生道ちくしょうどう餓鬼道がきどう地獄道じごくどうで、合わせて六道りくどうと呼ばれます。以下、各世界の様相を簡潔に紹介したいと思います。


 天道てんどう→天の道を行き、すべてを司る男――ではなく、てんと呼ばれる神々が住む世界。六道りくどうの中では最上級の場所で、面白おかしく日々を過ごすことが出来る。ただし不死ではなく、生前の行い次第では他の世界に転生する可能性もある。

 人間道にんげんどう→我々の生きる世界。割とツラい。

 修羅道しゅらどう阿修羅あしゅらの住む世界。一日三回、激戦をいられる。

 畜生道ちくしょうどう→人間以外の生物が生きる世界。

 餓鬼道がきどう→生前、貪欲だったものが転生する世界。人間が住む大陸の3500㌔地下にある。ここに転生したものは餓鬼と呼ばれ、決して癒えることのない飢えや渇きに苦しめられる。地獄よりはまだマシ。

 地獄道じごくどう→罪を犯した人間が転生する世界。人間が住む大陸の地下7000㌔から始まる。動物に全身を喰われたり、肛門に融けた銅を流し込まれたりと、なかなか刺激的な体験が出来る。


 俗に言う極楽は六道りくどうとはまた別で、悟りを開いたものだけが辿り着ける世界です。死も輪廻転生りんねてんせいも存在せず、ただ永遠の安らぎが約束されていると言います。逆に言えば、異世界に転生し、ギャルにモテモテ♡ と言う展開もないと言うことです。


 我等がお地蔵さんは、六道りくどう全ての人々を救うと言われています。六地蔵ろくじぞうと言って、六体のお地蔵さんが置かれていることも珍しくありません。

 六つのお地蔵さんは六道りくどうに対応し、それぞれ名前が付いています。各自の名前には諸説あるのですが、とりあえず今回は筆者が調べたものを記したいと思います。


 天道てんどう大堅固だいけんご地蔵じぞう

 人間道にんげんどう大清浄だいしょうじょう地蔵じぞう

 修羅道しゅらどう清浄無垢しょうじょうむく地蔵じぞう

 畜生道ちくしょうどう大光明だいこうみょう地蔵じぞう

 餓鬼道がきどう大徳清浄だいとくしょうじょう地蔵じぞう

 地獄道じごくどう大定智悲だいじょうちひ地蔵じぞう


 さてお地蔵さんの正体に迫った今回の箸休め、お楽しみ頂けたでしょうか? 次回は更に、お地蔵さんの身元を洗っていきたいと思います。


 参考文献:東洋神名辞典 山北篤監修 (株)新紀元社刊

      幻想地名辞典 山北篤監修 (株)新紀元社刊

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