1/10

✿コトバ短歌集【夏－Ⅰ】

夏に咲く花の、花言葉と短歌です。

旭光（きょっこう）を　浴びて涙す　庭先で　あの日と同じ　朝顔が咲く　　

✿朝顔：【花言葉】・・・儚（はかな）い恋

降りしきる　涙雨（なみだあめ）打つ　頬（ほお）冷えて　滲（にじ）む視界で　紫陽花（あじさい）手折（たお）る

✿紫陽花：【花言葉】・・・冷たい貴方

蝦夷菊（えぞぎく）を　墓前に供え　灯をともす　線香に煙（けぶ）る　古き情景

✿蝦夷菊：【花言葉】・・・追憶

武道場　響く掛け声　風乗せて　岡虎の尾を　微（かす）かに揺らす

✿岡虎の尾：【花言葉】・・・騎士道

幼子が　覚えたてなる　挨拶を　振り撒（ま）く姿　含羞草（おじぎそう）かな

✿含羞草：【花言葉】・・・三枝之礼

野山にて　彩（いろど）り飾る　女郎花　身に宿すのは　清祓（せいばつ）の効

✿女郎花：【花言葉】・・・女らしさ

下駄鳴らし　単衣（ひとえ）を羽織る　童女（わらわめ）が　仰ぐ夜空に　天人菊（てんにんぎく）を

✿天人菊：【花言葉】・・・天真爛漫（てんしんらんまん）

想い秘め　華燭（かしょく）の席を　立ち抜けて　白鳥（はくちょう）草の　世界に咽ぶ

✿白鳥草：【花言葉】・・・我慢できない

哀哭（あいこく）を　律（りつ）を唱えて　潰す世は　雁首（がんくび）揃（そろ）え　凡庸（ぼんよう）なる蒲（がま）

✿蒲：【花言葉】・・・杓子定規（しゃくしじょうぎ）

項（こうべ）垂（た）れて　悲嘆（ひたん）にくれる　唐糸草（からいとそう）の　頭上に浮かぶ　天使の梯子（はしご）

✿唐糸草：【花言葉】・・・深い思い