プロローグ
プロローグ
「なぁなぁ!お前の好きなタイプってなに?」
『やっぱ可愛くて優しくて胸でかくて細い子じゃね!?』
「理想高すぎだろ!そんな子いねぇわ!」
『そんな俺は7組の森山さんがどストライクでタイプです』
「まぁ確かに可愛いけど…。森山さんってなんか儚げなイメージだよな。」
『そうなんだよ!なんつーの?守ってあげたい系女子っていうかさ!思わず抱きしめたくなる身長だし!』
「それセクハラやん笑 やっぱ女子は小さくないとなー!小西どう思う?」
『んー、俺は少しくらい背が高くても許せるかな。さすがに10センチ差とかだったら遠慮します!』
「男より女のが身長高いって、男のプライドが廃るよな!ってか小西より背の低い女子って少なくね笑」
『うっせぇわ!160はあるっつーのっ!』
「ちっせぇーーー!!」
___わたしはいてもたってもいられず、ソッと賑やかな教室を離れた。
男子たちの声がだんだん小さくなる。
さっきからズキズキと痛む胸には気付かないフリをして、無我夢中で走った。
「ハァ…ハァ」
息が上がる。
あんな話、聴きたくなった。
ただ鞄を持って帰ろうしただけなのに。
自分の不幸を呪っても、男子たちの声が頭から離れない。
辛くて、苦しくて、切なくて。
いろんな感情がごちゃごちゃに混ざって、瞳から涙が溢れてきた。
「…ぅ…ひっく…っ」
わたしは改めて、報われない恋をしてるのだと実感した。
____この恋は、100%叶わない。
はじめまして、高宮せなです。
このお話は、私の体験談をもとにして作りました。
私は中学生の頃から身長が高くて、背の順ではいつもクラスで1番後ろでした。
自分の身長が嫌で嫌でしょうがなかったです。
たまたま好きになった人が、自分より背が低い。
私と同じ悩みをもった人は少なくないのではないでしょうか。
そんな悩みをもった人も、そうでない人も、このお話を読んで自分の恋に一歩踏み出せたらなと願っております( *´꒳`*)