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42:凍てついた鮮血

久々に推理パート&セクハラパート

 夢現の悪魔

「ようこそ、いらっしゃいませ。

 それがごゆっくりかどうかは貴方次第と言うことでしょう?」


 *


 「やれやれ、まったく手荒な真似をしてくれるね」


 その場所に着いて早々に、エペンヴァは溜息を吐く。外から全て見ていたんだ。制約に触れたらどうなるか。考えなかったわけではない。エフィアルが消えた理由と状況を考えるなら、犯人は自ずと知れた者。

 薄暗く、空も見えない暗い森。初めて来るその場所が、何処かは見当が付く。ここは眠りの森。第三領主アムニシアが治める夢の領地だ。

 本来下位魔王である自分には訪れることが出来ない場所。今回は相手に招かれ、そして自分が消滅の危機に瀕し、死の夢を見ることで至ることが出来ただけ。次回同じ事をしようとも、相手からの誘いがなければやって来られない。つまりは第三領主以上の地位と魔力を得なければ、侵略の糸口が見つからない。


 「それは仕方有りませんわ。私より下位の領主を私の領地に招くには、こうするしかありませんもの」


 この領地の主、第三領主アムニシア。彼女は悠然と佇み、宙に浮く……水晶玉のような泡の一つを指差した。


(あれが夢の実か。第七公なら本という概念で形作られるであろう……世界)


 エペンヴァは息を呑む。第七公の所へ奉公に出した使い魔から情報は届いていたが、こうしてそれをこんな風に見せられるというのはやはり驚く。先程まで自分がいた世界があれだろう。第三公と第七公にとって、下位世界などあんな風に取るに足らない、操ることも壊すことも簡単な箱庭。

 アムニシアは本の外に出たわけではないが、夢の領地はどこでもあってどこにもない場所とも言える。ここは最強の秘密結界。ここで話すことは第七領主にだって気付かれない。

 彼女は本の外にいれば、本を読むことでこの会話も知ることが出来ただろう。しかしその時、彼女は本から目を離していた。何かあったら教えろと言われていた使い魔が意図的にそれを怠った。長年使えされたことであれも信頼されていたのだろうな。第七公は、良くも悪くも人間らしいところがある。

 彼女が本の中にいる場合、魔王として最強レベルになる代わりに、情報能力が制限されるのだ。だから本の中のことを知るのは外に居るときより難しくなる。故にその場合も彼女は使い魔から現在の状況を聞く。それで私の使い魔がどうするかと言えば、言わずもがな。

 アムニシアは裏返しの魔女。自分の損得勘定で動いていたはずのことが、彼女に仕組まれていた風になってしまうのは、あの世界が夢に近くなっていて、アムニシアの支配力が増しているから。なるほど、だから彼女はこうして、本の世界の中に夢の領地を持ち込めたのだ。


(やれやれ、恐ろしいお嬢さん方がいたものだよ)


 自分のような下位領主だけではない。エフィアルやカタストロフも同じ事。イストリアとアムニシア以外の魔王は、こんな風に世界を己の手中に収めることは出来ない。他の世界に向かうには門を開ける必要があるし、辿り着いた先の世界を彼女らの様に神の如く君臨することは出来ない。


(第七公を恐れる理由も分かるが、私としてはこのアムニシア嬢もそれ以上に恐ろしいのだがね)


 そう、第七公は残酷趣味だが魔王としてはまぁ許容範囲だと私は思う。ある意味可愛げがある。第七公が我々を本として執筆し、コレクションに加えたいのなら、もっと簡単にそれが出来ていた。それでも彼女は我々の名を冠した本を作らなかった。今回の本だって、『海神の歌姫』と言うのだろう?軸は我々ではない。

 彼女が今回我々を本の中に閉じ込めたのは、唯の暇潰しだろう。だが、この第三公は……


(何と恐ろしい目だ)


 硝子のように透き通る青。その目が鋭く私を睨む。ここで逆らったら私をこの場で殺すつもりだな、彼女は。

 私の第六魔力と言う物は、合理的な魔力で、変換能力に優れている。人の本能に深く関わっていると言うべきか。第二公の場合は睡眠に特化してる感じだが、私の場合は人の三大欲求から魔力へのコンバートが可能。効率が良く手っ取り早いのが、性行為。価値ある肉体や魂から魔力を奪うにはこれが一番。

 歌姫エコーの魂は、かなりの魔力を秘めていた。本人自身が話の軸に関わる男の転生体。それに人魚の子孫。ついでに処女。だと言うのに貴婦人の転生体歌姫シレナから魔力を奪い、更にはウンディーネの生まれ変わりである少年カロン……彼が女になった時、その初めてを奪っている。その際、カロン少年が持っていた第六魔力は彼女に移っている。それら全てを私は吸収して来たわけだ。


(今ならば、第四、第五領主くらいは余裕で倒せそうだ。そう思ったのだが……)


 嗚呼、分が悪い。第五領主は第三領主の傍の木に座し、足をプラプラさせている。あの二人、手を組んでいるな。第三領主と手を組まれたら、魔力を得た私とて敵わない。ここは完全に敵地。彼女の土俵なのだ。


(ああ、勿体なかったな)


 価値ある処女とは言え、人魚の子孫を一人……一回食った位では、第三公に私は遠く及ばない。もう少し早くあの世界に召喚されていたらなぁと残念でならない。

 歌姫シャロンと、歌姫シエラ。あの辺の処女も食えていたならどうなっていたことか。間接摂取では魔力量は大分落ちるが、シエロを食えば歌姫シャロンの初めてを、シャロンを食えばシエラの初めて……その時の第六魔力が得られる。双子の歌姫は両方食ってようやくウンディーネとしての意味を持つから、出来れば双子どちらも抱いていて、本人の魔力も素晴らしいシエロを食いたかったのだがなぁ。それが出来ないなら第四領主。彼を食らえば私は確実にエング君以上の力を得られる。

 しかし私は推理小説という枠にあり、ゲートを開くという禁忌に触れた。タブーを犯せるのは一度が限度。しかし据え膳は食っておく。あれもなかなかの魂だったし妥協も必要だ。何時までも獲物を追って、何も得られないのが一番大損なのだから。


(それにね……時期も時期だ。第二公が現れる前に避難しようと思ったのだが、ここも袋小路だったとは参ったな)


 エペンヴァは降参だと両手を挙げて肩をすくめた。


 「やれやれ、降参だよお嬢さん方!それで?私に何をさせたいんだい?」

 「変態おっさんが良く言うぜ。お前今回随分いい目を見たじゃねぇか!しかもまだ分身が居るから割と自由な癖にっ!」


 ケラケラと此方を笑う第五領主ティモリア。彼女がここに居ると言うことは、彼女も枠内では使ってはならないレベルの魔術を使った。推理小説のタブーに触れたのだ。


(私の分身か)


 確かに本の中にはまだ分身達が残っている。分身に意識を移せば使い魔を通じて第四領主と会話は出来るだろう。第七領主に邪魔をされなければの話だけどね。


 「そうだねぇ。それなら良かったじゃないか。隙あらばエング君が弱体化する。そうなればレディティモにとってもいい話だろう?互角の勝負どころか、君の勝利が確定するかもしれないのだからね」


 境界の悪魔たる私は、使い魔の意識を乗っ取ることが出来るわけだ。しかも魔力を費やすことで、同時に幾人の分身を並列計算で操れる。今第七領地にいるのも私、この第三領地にいるのも私、そして……本の中に配置した無数の使い魔に意識を飛ばせば、それも私ということだ。


 「まぁ、この策の一番の問題は、私の髪の毛一本程度の分身に過ぎない使い魔の身体では、格上領主であるエング君にまるきり歯が立たないと言うことだね」


 使い魔を作るときに、予め分け与える魔力を決めるのだ。そして使い魔が得た魔力は私本体に送られるように作ってあるから、こういう特殊な事態に対応出来ない。だが、あまり多くの魔力を与えると自我が強まって面倒なことになるから、目的にもよるが通常はこうしておくのが一番だ。


 「ですが今彼を殺されては困りますわ。私達にとっては彼の力も必要なのですから」

 「……ん?というとどういうわけだねお嬢さん?」

 「それにしたってなアムニシア。こんなに領主の気配が消えたら流石のトリアでも気付くんじゃねぇの?」

 「それは勿論そうでしょう。ですが第七公に対抗するには、我々領主一同が団結せねばなりません」


 ええと、意訳するとあれだね。協力しない奴から殺すからそのつもりで。そう言うことか。なるほど。

 これは従わざるを得ないとエペンヴァは頷く。ひとまず第三領主に協力するなら、第二領主の怒りから逃げられる。どうせまだ自分は第一領主に喧嘩を売るつもりはないのだ。彼女の怒りは買わぬ方が良い。


 「それじゃあ本の外の私に接触をしたのはそういうことかい?」

 「ええ。約束通り、協力していただけるのならシャロンの魂を貴方にお譲りしても構いませんわ」


 アムニシアが接触して来たのは、本の外側に居る分身。詳しい話は後ほどだと聞いたが、こんな手を使って呼び出されるとは。使い魔に夢を見せ、伝言をした第三領主。彼女が差し出すは、稀代の歌姫の魂。エペンヴァはその取引に応じ、第七領地の分身に本を閉じさせた。これでイストリアは本の外には出られない。


(第七公と第三公。どちら側に付くのが良いか見極めるための判断材料にしようと思ったのだが……)


 第二領主から私をちゃんと守ってくれるのはどちらだろうね。考える間もなかった。悩む猶予もなくこの魔女は、なんならこの場で殺しますわよと言うのだから。


(なんとも本当に恐ろしい子だ、くわばらくわばら)


 第三領主が道端に転がっていても、魔力吸収をしようとは思わんねとエペンヴァは苦笑い。珍しくも親しくなった契約者を、こうも容易く私に差し出すか。執着した相手にはぞっこんのこの領主らしくもない。やはりシャロンも手駒として実験材料として見ていたか。そう問いかければ、何の事かしらと彼女は笑う。


 「おやおや。歌姫シャロンは、貴女があんなに親身になっていた歌姫ではなかったのかい?」

 「その方がシャロンも嬉しいはずです。シャロンの愛しい人は、死後貴方の領地に行くのでしょう?」

 「なるほど、これは一本取られた」


 此方の会話の区切りを見計らい、ティモリアが何やら唸る。気になることがあるようだ。


 「トリアって移動魔術とかゲート魔法使えなかったんだな。俺知らなかったぜ」

 「そりゃあレディティモ。高速で空を飛べる者が飛行機の開発をするかい?しないだろう?」

 「ま、世界を本として行き来出来るならゲートなんか要らないもんな。そりゃそうか」

 「おや、エフィアル様もいらっしゃったとは」

 「むぐ、ふが、むが」


 エペンヴァが周りを見回すと、ここには領主が四人いる。今まで意図的に無視していたのだが、地獄の最高権力者であるはずの第一領主が惨めな姿になっていた。

 木の幹に縛り付けられ、猿轡まで。これをやったのがアムニシアなのだろうから、やはり彼女には逆らえない。


 「ええと、つまりだねアムニシア嬢。我々が呼ばれたのは、第七公の封印ということかい?」

 「ええ。第二、第四領主の方はその内何とかなりましょう!後は兄様が首を縦に振ってくだされば……」

 「ええいっ!我の縛めを解けアムニシアっ!」

 「流石はお兄様!アウェイのこの地で私の猿轡を噛み切るなんて!素敵ですわ!結婚して!」

 「嫌だっ!」

 「そんなこと仰らずに!さぁっ!」


 ようやく口が自由になった第一領主が叫び暴れる。しかしその縛めは解けない。第一領主の確率変動も及ばない第三領地。ここは入った時点で負けなのだ。彼女と戦うには外に誘き寄せなければならないのだとエペンヴァは学ぶ。


 「あいつがトリアを封印したいのってそういうわけだよな?」

 「まぁ、それ以外にあり得ないだろうね」

 「勿論この件にも分け前はありますわ!我々に彼女の領地が振り分けられます。勿論私はそれをいただきませんわ」

 「確かにねぇ。私に限ってはこんな封印痛くもないし、ありがたいことではあるのだが……最近の第七公はやんちゃが過ぎる。こんな事をしょっちゅう起こされていたのでは領地の管理もままならないよ。しかしだね……第七公と比較的親しい私としては、喧嘩をするのもどうかと思うのだよ」

 「ああ、そうだぜ!それに俺やこの変態としてはライバルまで領地増えるってのは、平行線であんま意味ねーよな」

 「その辺りはご心配なく。あの女には我々が呪いをかけて封じることになります。その呪いに第七公が触れたなら、該当する呪いの術者たる領主に、彼女の領地と魔力と魂が得られることになるのです」

 「そ、そんなこと……出来るのか!?」

 「ああ、それは私としても聞いておきたいね」


 アムニシアの話が本当なら、それは確かに魅力的。第七公の魔力と言えば、膨大な物。その気になればあのカタストロフと渡り合えるレベルだ。だからやり合えばエフィアルの地位を脅かせる力を持つのに、気紛れな彼女は権力に固執しない。その魔力が丸ごと自分の物になるというのは……地獄の王になったも同然。エペンヴァはティモリアと目を合わせ、頷き合う。この企み、乗らない理由が何処にもないと。


 *


 罪の悪魔

「僕は後悔している。僕は人間を馬鹿にしていました。

 取るに足らない恋は応援する必要もない、有り触れた繁殖行動。

 人と人外の悲恋だから応援したい。それは間違いだったんです。

 それを、僕は教えて貰いました。カロンさんに、シエロさんに……

 沢山の歌姫達から。」



 *


 エペンヴァの結界の力。あいつは思い通りの場所にゲートを繋げることが出来る。勿論ランダムも可能だと、カロンは今更エングリマから教えられた。


(俺達は、無事に城まで運んで貰った。ああ、それは良い)


 だけど問題はまだあった。飛んでいった先、悪魔を連れているのに兵士に見つかってしまった。そして逃げられず捕らえられ、牢屋に転がされいるのが今の自分とアルバ。


 「おい、アルバ!これはどういう事なんだ!?」

 「……これは、嵌められましたね」

 「は、嵌められた!?」

 「おい!静かにしろ!別の牢に移されたいか!?」


 見張りに怒鳴られては、話も出来ない。困ったとカロンは舌打ちをする。


(……でも、おかしい!絶対におかしい)


 エングリマも一緒にゲートを抜けた。確率変動ですぐに俺達を守ってくれた。それなのに捕まってしまった。

 ここにエングリマより力を持つ悪魔でもいない限り、こんな結果はあり得ない。シャロンは後出しジャンケンの道理でまだ城には来ていないはず。エフィアルは行方不明だが此方の味方だ。カタストロフって奴だって俺達側に付いてくれたようなもの。俺達がこんな風に捕まるなんて……こんな風に何もかも思い通りに操れる奴がいるとしたらそいつは……


(イス、トリア……)


 これはあの悪魔の企みか?だとしたら何が目的?

 アルバはエペンヴァの使い魔から情報を得ていた。その情報では街には裁判は明日だとの情報が街を飛び交っていたが、カロン達が捕まることで、兵士達は城に集まる人々を追い返すようになったそうだ。「裁判も挙式も明日」だと言葉を携え。


(そうか!)


 合点がいったカロンがアルバを見れば、彼もこくと頷く。彼も理解していたようだ。


(行方不明になった殿下。明日になれば、殿下いないから結婚式が挙げられない)


 殿下を探せば死体として見つかる。そうなれば……シエロに骨抜きになった殿下の養護もなく、喋れないシエロがどうなるか。


(そうだ、それだけじゃない)


 俺は今、歌姫シャロンとして捕まっている。自由なままの本物のシャロンが、どう動くか。考えるだけでも恐ろしい。フルトブラントの家を見張る兵は少なくなったはず。そこにシャロンが向かったら……


(アルバ。証拠品はどれだけ持って来られた?)

(全ては持って来られませんでした。足跡の石膏が運べなかったのは痛いですね)

(くそっ!今頃シャロンに処分されているかもっ……くそっ!)


 悔しげに顔を歪めるカロンの傍に跪き、牢の外からエングリマが笑う。監視役からは見えていない。それでも確かにそこにいる、少年悪魔は時を凍らせてからカロンの名前を優しく呼んだ。


 「カロンさん……」

 「エングリマ?」

 「これ、エペンヴァさんが……僕がゲートを通る時に投げてきたんです」

 「何、これ?」


 エングリマが見せるのは、水色の石がついたネックレス。


 「これは歌姫エコーの持ち物です」

 「ああ、その触媒は……第四領主様の召喚物ですね」


 アルバが石を見て、そんな言葉を口にする。その様子からアルバも凍った時の中にいるのだとカロンは気付く。エングリマは一度に契約者二人分をここに招いたのだと。


 「でもさ、アルバ!それってエコーがエングリマを召喚しようとしたことがあったってことか!?」

 「いいえ。正確にはこれは……歌姫シレネの持ち物です。最初の事件の時に彼女が落とした物を、エコーはシャロンの物だと思って拾っていたんです」

 「お前、よく分かるな。でもシレナのネックレスが何の意味に?エコーが襲ったのはシレナだったってことの証明?」


 それはエコーが身につけていないと証拠として意味がないのではとカロンは言う。しかしエングリマはそんなことはないと否定する。


 「それだけじゃありません。明日はきっとこれが、証拠になります。だってこれは……オボロスさんがシレナさんに贈った物なんですから」

 「オボロスが、シレナに!?」


 あいつそんなことをしていたのか。あいつも隅に置けないなと感心したところ……どうにもそのネックレスには見覚えがある。エングリマの手にあるそれをじっとカロンは凝視して……そして目を思い切り見開いた。


 「あ!思い出したっ!確かにあいつ、こんなん持ってた!そうだこのアクアマリン!あいつが船乗りなった時、お守りだって俺があいつにやったんだ!これ、お前の召喚物だったのかよ」


 アクアマリンは海難防止のお守りだ。だけどそんなに高い物を俺が買えるはずがない。だからシレナはエングリマを呼び出せなかったのかとカロンが唸ると、当の本人が苦笑する。


 「元々はそんな力はないですよ。だけど沢山の人の間を渡り歩いたこの子は、多くの罪を見ました。そして、僕の司る第四魔力を培って、触媒としての力を高めたんです」

 「へぇ……」


 アクアマリンを贈ってしばらく……次に会った時、もうオボロスはそれをしてなかった。だから売ったのかとカロンが聞けば、オボロスは落としたと言う。


(流石に俺も怒ったなあれは。でも、その分無事で帰ってきたんだって機嫌直してやったけどさ、あいつの給料でそれの値段以上の飯おごらせたし)


 かつて自分が友に贈った物が、巡り巡ってまた目の前にある。それはなんとも妙な感じだ。けれどこれが大事なのだとエングリマは言う。彼はまるで、この石が真実を知っていると言いたげだ。


 「カロンさん。この石のことをシャロンさんは知りません。解りますか?互いが変装しなければならない時でさえ、シレナさんが手放さなかった宝物。それをどうしてエコーさんが持っているんだと思いますか?」

 「それは……手放したんじゃない。事故だ。落としたってこと?そうだな、俺が贈った時と鎖が変わっている」


 そこまで言ってカロンは口を閉ざす。直感めいたものが浮かんできたのだ。


(シレナはエコーに襲われた……)


 その時にこれを落とした。それってつまり……犯された後のことだよな?だってエコーは俺をシャロンと思いこみ、俺を監禁しようとした。シレナをシャロンだと思ったエコーは、事が済んだら帰るだろうか?あり得ない。俺は思い違いをしていた。


 勢い余って犯した後、エコーはそのままシレナを屋敷に連れ帰るはず。シレナの口から秘密が漏れてはならない。相手が気絶したならこれ幸いと連れて帰って監禁生活のはじまりだ。だけどそれが出来なかったのは、エコーが一息吐いている内に、シレナが死に物狂いで逃げ出したと言うことなんだ。

 エコーは、シレナに逃げられた。シレナは誰かに助けを求めた。そう……普通の人間じゃ太刀打ちできない確率変動……悪魔を従えていた誰かに。安心できる、顔見知りの……誰かに。シレナは出会った。心許せるその相手は……ドリスであるはずがない。


 「……シャロンの潜伏場所が、解った」

 「本当ですかカロン様!?」

 「ああ。だけど……」

 「大丈夫ですカロンさん。僕が時を凍らせています。だから今の内に証拠を見つけに行って下さい」

 「でも、お前の力は……」


 凍った時の中から何かを持ち出すことは出来ないと、そう聞いていた。


 「ええ。ですから僕が、……脚本に背きます。推理小説という枠に背いて、貴方の手に証拠を渡します」

 「え、エングリマ!?」


 エングリマが、凍った時間の中でアクアマリンをカロンに手渡す。確かにそれを受け取れた。それが推理小説のタブーだと、カロンも気付く。


 「だ、大丈夫なのか!?」

 「はい、この位ならまだ……大丈夫です。だけど、急いで」


 苦しげに、その場にしゃがみ込んだエングリマ。呼吸が荒くなりながらも、必死に何かを抑え込むよう言葉を発する。


 「カロンさん、アルバさん。時間が凍っている間は本の外以外からは誰も今を知ることは出来ません。本の中に来たイストも、アムニシアさんも今起きていることは解りません。解る人が居るとしたら……それはエペンヴァさんだけ」

 「大丈夫なのか、それ……」

 「はい、……だから、早く!僕の力が尽きた時点で、あなた方はこの牢の中に戻されます!その前に、アルバさんは石膏を!カロンさんはシャロンさんの証拠を!」


 エングリマがこの魔法に今まで以上の力を込めているのがわかる。物は掴めるのに、鉄格子も壁もカロン達は自在に擦り抜けられる。これは時間短縮になりそうだ。


 「ああ!解った……ありがとうエングリマ!行こうアルバっ!」

 「第四領主様……感謝します」


 アルバが悪魔に礼を言う声を聞き、走り出そうとしたカロンは後ろを振り返る。あの悪魔は今、消滅の危機と闘っている。もしかしたら、これが最後の別れかも知れない。そう思うと寂しくなった。この少年悪魔には随分助けられたんだ。俺はまだ何も返していない。


(ごめん、シエロっ!)


 カロンは心の中で恋人に詫びて、エングリマの方へと戻り、その傍らに跪く。


 「エングリマっ!……俺が死んだら、シエロをあの変態から取り返すの手伝ってくれるよな!」

 「勿論です!」

 「そっか。それじゃあ俺……お前の領民になるよ」

 「え?」


 見開かれた悪魔の瞳。自分で教えてくれたことを忘れていたのか。そんな反応が可愛らしく思えて、カロンは申し訳なさを感じつつ、仮契約の物とは違う……本契約のキスを交わした。


 「け、契約完了だ!消滅とかされたら困るからな!しっかり俺とシエロが死ぬまで生きててくれよ!?」

 「は、……はい!お待ちしています!カロンさん、シエロさんとお幸せに!」


 あれで悪魔だって言うんだから詐欺だろ。そう感じながらもカロンは思う。


(アルバ……)


 もしかしたら、俺は彼を傷付けることになるかもしれない。それでもきっとお前は納得してくれるはずだ。


(俺は絶対に、シエロを幸せにしてみせる!)


 例えそれが……死後の話であったとしても。生きて幸せになれなかったとしても、俺は終わりを恐れない。死んだ後のことを今悩む必要はない。そこでだって助けてくれる人が居る。今悩むのは今のこと。そしてその今を失ったとしても、怖くなどはない。

 迷いを振り切るように、壁の向こうへと飛び込んだ。


 *


 介入の悪魔

「命懸けの晩餐だ!メインディッシュは活きが良い!

 なんといってもあの億年寝太郎を活動的にさせる位の晩餐ちゃんなんだからねぇ。

 食べられる物なら食べたいけれど、そうは問屋が卸すかな?」



 *


 「エペンヴァさん!いるんでしょ!?出て来てくださいっ!」

 「やれやれ。自己犠牲とは見上げた物だねエング君」


 僕の声の後、含み笑うような男の声が落とされる。誰も動けない止まった時間。城の兵士達は動けないし何も見えない、何も知らない。そんな場所に現れたその人は、最初は彼の低級量産型使い魔である蝙蝠の姿をしていたが、すぐに本体である青年の姿に変わる。


 「やぁ、先程ぶり」


 にこやかに笑むエペンヴァさんは、悔し気な僕を見て、全てを悟ったようににたにたと口元を吊り上げる。それがとても腹立たしいとエングリマは唇を噛む。


 「……エフィアル様が消えて、貴方も消えた。ティモの気配も感じない。……貴方達は今、アムニシアさんの領域にいる。違いますか?」

 「ああ、その通りだよ」

 「それじゃあ貴方だけが、この場所であったことを知ることが出来る。それをアムニシアさんやイストに教えることが出来る」

 「そういうことだね。それで君の取引は何なのかな?」

 「わ、解っている癖に」

 「だが言わせたいんだよ」


 この変態っ!こんな変態にこれから好き勝手されるかと思うと泣きそうだ。


(でも、これも仕事だ)


 僕だって魔王の一人。僕は悪魔だ。契約した以上、契約者を守る。約束したなら絶対守る。

 契約者には祝福を。それに足ると思った相手としか僕は契約をしない。自分を犠牲にしても良いと思える価値ある相手。その恋を応援するのが僕の仕事だ。契約した時点で、最悪の事態は想定している。だから仕事の安請け合いはしないのだ。


(だけど僕があの時……)


 泣いていた、歌姫シレナ。召喚物に、乙女の涙。僕が現れる環境は整っていた。後は僕の気持ち次第。

 もし僕が彼女の前に現れたなら……彼女を助けられたかも知れない。人間同士の恋なんか興味ないやと僕は見捨てた。だけどそれは間違いだった。

 人間は、短い時を生きる。だから一つの恋にも必死になるんだ。気が狂ってでも誰かを愛したいと思うんだ。僕はそれをカロンさん達に教えられた。

 悲しいな。悲しいね。幸せにしてあげたいよ。人間と人外だけじゃない。人間達だって悲しい恋をして居るんだ。もし何処かで出会ったら、シレナさんの魂を領地に招いてあげたい。それでいつか死ぬ、オボロスさんも拾ってきて……寄り添わせてあげたくなった。そのためにも僕はこの本の中から出なきゃ。彼女を見捨てた……僕の罪を、償うために。


 「エペンヴァさん。これは自己犠牲なんかじゃないですよ」

 「そうかい?」

 「ええ」


 エングリマは強い意志の宿った瞳で同僚を見る。涙は出さない。それが罪の悪魔としての……魔王としての意地だった。


 「そうか。無理矢理でなく自由恋愛ならば第二公も納得してくれるだろう。しめしめと。それじゃエング君、お兄さんにお願いしたいことを可愛らしい口から言って貰えるかな?」

 「ぼ……僕の純潔と引き替えに、誰にもこの凍った時間であったことを言わないで欲しいんです」

 「よしきた。約束するよ!」

 「うわぁっ!」


 お許しが出た!それなら早速と、飛びかかってくる同僚。エングリマはその場に押し倒される。


 「おお!おお!すっべすべだねぇ、エング君の生足っ!」

 「うっ……」

 「どれ、スカートの中を拝見拝見っと……おお!何世紀も後に遠くの国で流行るであろう、水色と白の縞々パンツ!これは可愛らしいねぇ」

 「うぅっ……」

 「ほほぅ!こんな可愛らしい顔なのに、やっぱりエング君は身体は男の子なんだねぇ」

 「ひっ!へ、へんなところ触らないでくださいっ!」

 「いやいやいや、これしきのことで変だなんて言っていられないよ、何て言ったってこれから我々は合体するんだからね!よいしょっと」


 一瞬で下着を抜き取られ、スカートの下には何もない。覚悟したとは言え、やはり恐怖に身が凍る。しかもこの同僚、人から奪った下着を自分のポケットに入れて持ち帰るつもりだ!


 「ひゃあああっ!ぱ、ぱんつ返してくださいっ」

 「ひひひひひ!お土産くらい良いじゃないかぁ!どれ、それじゃ開通と行こうか!」

 「ぎゃああああああっ!」


 下に凶器を備えた男を前に、もう我慢がならなかった。


 「カタストロフ様ぁああああああああああああああああっっ!!!」

 「あ」


 エングリマの叫び声に、その空間が凍り付く。それは何者かの強大なプレッシャーにより、勢いよくそそり立っていたエペンヴァの物も、途端に萎れる程のその圧力。


 「……久しいな、第六公」

 「こ、これはこれは!か、カタストロフィ……様」

 「何を、している?」

 「何を、と申しますと?な、ナニでしょうなぁこれは……」


 空間を割り現れた、長い赤毛の男。その目は恐ろしいほどの怒りに染まっている。その目に安堵を覚えたエングリマは、恐怖が今頃蘇り、育て親へと抱き付いた。


 「カタストロフさまぁああああああああっ!うわあああああああん!」

 「可哀相に、エングリマ。怖かっただろう」

 「私は据え膳の上に今とても可哀相だしこれでもかと言うくらいの怖い思いをしているんですがその件について何か」

 「寝言は永眠して言え」


 悪魔の咆吼により、空間にヒビが入る。ここにエペンヴァの本体がいないことを彼は察知していたのだ。

 上手くいけば美味しい話だったんだけど、こんな仕事は割に合わないとでも言いたげに、変態悪魔がエングリマへと片目を瞑って肩をすくめた。


 「まぁ、それも一理あるわけで……」


 ヒビの向こうから苦笑する、変態悪魔と同じ声。その向こうから、笑う女の声をエングリマは聞いた。


 「私の領地へようこそ、カタストロフィ様」


 *


 海神の歌姫

「えへへ♪

 私の悪魔はとっても優秀なんだから!

 もうお兄ちゃんもシエロも諦めたらいいのにね?

 そう、私の悪魔達は、とっても良い子よ?」


 *


 「アルバ、時間がないのは解ってる。だけど教えて欲しい。行きつけの店ってどの店だ?」

 「それならば屋敷の近くです。途中まで案内しましょう。しかしカロン様。ということ……?」

 「ああ……上層街の、シャロンとシエロのデートしていた店だ。シャロンは彼処に隠れている」


 そこは前々からの行きつけの店。シャロンとシエロが何度も会っている人の店。思い返したら妙だった。


 「だって、おかしいだろ。すんなり事が運びすぎている。アルバが口封じに金を渡しに行って……幾ら常連だからって、死体を運ぶのを……悲鳴があったのを見て見ぬ振り、してくれるか?」

 「それは……」


 カロンの言葉にアルバも沈黙。金に物を言わせたのは事実だし、シエロがシャロンを愛していることも確か。二人の仲睦まじさを知っている店主は、もしシャロンの死が明るみに出ても、シエロのアリバイを証明してくれる。だからアルバは店主を見逃したのだろう。

 それでもと、カロンは続ける。


 「俺だったらその店主から殺してるよ。そうなると死体が増えて厄介だってのは解るけど、目撃者は消すに限るし。シエロの指示?甘いよな」


 でもそのお陰で助かったと、カロンはシエロに思いを馳せる。

 店主にシャロンは何度も会っている。アムニシアの力で店主を夢現の夢遊病にでもさせて、操りやすくする。そのための小道具がそこにはあるはず。ああ、それだけじゃない。そこにシャロンが隠れていたなら……あるはずなんだ。シャロンがシレナに変装していた時の衣装が!


 「カロン様、彼方の店です。その裏が犯行現場になりまして……私は急いでここから本家に向かいます。それでは」

 「ああ、また後で!」


 アルバが指差す方向。通りに面した小さな喫茶店。それでも上品な佇まいのその店は、カロンを拒むように建っている。その背には薄暗い裏路地を隠しながら。


(ここが、事件のすぐ近く……)


 そう言えば俺は、現場を見ていないんだ。そう思うと怖くなる。おかしいよな。俺はドリスが死ぬところを見ているのに。見殺しにしたのに、何を怖がって居るんだよ。馬鹿みたいだ。死ぬのは怖くないとさっき思った癖にもう。

 それでもこの場所にはシレナの未練が漂っているかと思うと怖くなる。日記から、シレナは健気な少女だと思った。だけど本当の所どうかは解らない。無惨に殺されたのだ。怨みくらい持っている。綺麗な心で天に昇れたはずがない。だけど彼女が、幽霊になんかになって彷徨っているなんて、推理小説としてあり得ない。ここに残されているとしたら、それは事件の証拠だけ。裏路地には目をやらず、カロンは今やるべき事を思い出す。


(時間が、ないんだ!)


 擦り抜けた店内。調理場の机には、小綺麗な装いの中年男。彼がここの店主なのだろう。彼は机に伏して寝ているようだ。客が来なくて暇なのか?いや、違う。


(これ、涙だ)


 この人泣いていたんだ。どうして泣いている?近くによってみれば、どうにもその人酒臭い。こんな洒落た店の主が明るい内から酒の臭いを振りまいているなんて、上層街の品位はどうなんだ?


(あ!)


 その人の足下には、上層街の店にはなんだかあまりに似合わない。黒猫のラベルが貼ってある、その瓶は……くろねこ亭の、ブラッドオレンジジュースの瓶だ。床に転がる何本もの空瓶。ラベルの賞味期限は全てずれている。真新しい物だけがテーブルにあり、それにはまだ中身も入っている。


(シャロンはこの人に、お土産として買ったんだ)


 テーブルにはそれで割って飲んだような酒がある。この人は飲んだくれるような理由があった。何か悲しいことがあった。酒に溺れるような、悲しい出来事が。それは何だろう?

 それは解らないが、シャロンは店主に酒を勧めて飲ませたんだ。そうすることでアムニシアに影響されやすくした。シエロが店に来るより先に、シャロンはもうこの人を支配下に置いていた。

 そしてエコーに襲われ逃げてきたシレナを、アムニシアの夢遊病を使って裏路地へと誘い込み眠らせる。シャロン自身は店に隠れていればいい。二階の窓からなら丁度犯行現場が見えるそうだ。後から確認してみよう。

 シャロンはそれから何をしたか。ドリスが現れシレナ殺害事件が起こった後、シレナの時計を現場に落として悲鳴を上げて逃げるだけ。


 店の二階へ上がったカロンは、犯行現場を初めて目にする。死体のあった場所を教えるようなチョークの跡と、出血の跡だろう……黒くなった石畳。その異様なコントラストが気になって、カロンは外へ降りてみる。降りられない高さではない。屋根もあるし、雨樋もある。

 ここは上層街なのに、どうして雪が降らなかったのだろう。嗚呼、両脇の店の屋根が雨よけになっていたのか。

 カロンは納得し、再び壁を擦り抜け店内へ。二階へ戻る前に差し掛かった調理場で……先程は気付かなかったことを知る。


 「あれ、この人……?」


 テーブルの酒瓶の下。手紙がある。それを手に取り、カロンはぞっとする。店主に触れるともう冷たい。調味料だと思っていた卓上の小瓶の蓋は開いており、劇薬の名がラベルに書いてある。


(これ、遺書だ)


 シャロンはもう、始末したんだこの人を。しかもその理由って言うのが、「シャロンが投獄されたことに心を痛めて」とのことだ。シャロンは俺が捕まったことをもう知っていた。

 元々シャロンのファンが経営していた店ならそこまで操らなくても、思い通りに命令できるかもしれない。しかしシエロに嫉妬しないファンだって?それはちょっとおかしいな。二人の仲を見守っているような人って言うと何だろう?


 「厨房の火が、付けっぱなしだ!」


 しかもここ……酒臭いと思ったら、床に酒がばらまいてある。シャロンは証拠隠滅のため、この店ごと燃やすつもりなのだ。


(まずいっ!)


 ここには絶対、何かある!時が解ける前に、持ち出さなければ!

 シャロンがこの人を殺したのは、シエロのアリバイを喋られると困るからってだけじゃない。


 二階の部屋を片っ端から調べる。何処かにシレナの衣装があるはず!そう思ったのに何もない!

 クソっ!もしかしてシャロンはシレナの服はシレナの家に戻したのか!それじゃ何を燃やすつもりだったんだ?遺書まで書かせて置きながら……


 「あれ?これって……」


 侵入した部屋。そこにはシャロンのサインや絵画だけじゃない。何処かで見た記憶のある美人の姿絵。それに僅かに古ぼけ、色あせた誰かのサインが飾られている。

 カロンはそれを手に取り、小綺麗なサインの名を読み上げる。


 「メリア……オレアード」


 その瞬間、エングリマの力は解けて……カロンは牢の中へと戻される。

もうちょいだ!頑張ろうと思いながら過去の文章読み返して粗探しをし、推理の糸口を探りました。

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