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2話 愛着

いや待てふざけんなよ

異世界転生といったら美少女かイケメンに生まれ変われば大当たり、元の自分のままでもまあまあ、最低でも人間ではあれよ

なんでえのき?別に好きでもなんでもないよえのき。ってか生き物じゃないよ?菌類だよ?

これで世界を救えと仰りやがってたのかあの神は。


なんてしばらく頭の中でキレ散らかして、少し落ち着いてきた

転生しちゃったもんは仕方ない。まずは状況確認をしようじゃないか


まず、ここは多分林の中。そこそこ暖かいので冬ではなさそう。(というか世界の構造的に四季はあるのか?)

前の日に雨でも降ったのか、地面は柔らかく湿っていて土の匂いがするし、そこかしこに水溜まりがある


そこに映って見えるのが、見事なえのきたけだ。そう、俺のことね...。


なんでえのきなのかは一旦置いておくとして、問題は見事なえのきたけであることだ。

俺は今どの器官で見ているんだ?


説明書があるわけでもなし。ひとまず色々試してみるしかないと、そこで気づいた。


これ、どうやって動くの?



---



数日、いろいろ試してわかったことがある。


まず、案外この体は便利かもしれないということ。

四肢を動かすのとは違い、イメージした通りに体が勝手に動く感覚だ

前に行きたいと思えば、スーッとまっすぐ前進するし、腰(?)を曲げてくねくねしたりもできる


しかも、浮けるこれ。すごい。

大体3メートルくらいは浮けるし、空中でくるくる回ったりもできた。ちょっぴりたのしいかも


それにお腹も空かない。動き回っても疲れるとかもなく、喉も渇かない。

この体、見た目以外は結構いいね


体について分からなかったことは、五感をどうやって感じているのかだった。

なんか見えるし、なんか聞こえるし、なんか嗅げるし、なんか触った感じもわかる。(舌というか口がないので味覚はないかもしれない)

まあ原理は置いておくとして、視力が良くなってたのは嬉しい。なんか良い事ばっかで調子狂うなぁ


次に、この世界は地球とは色々違うということ。

木やそれになる実、草の様子が全然違う。色々規模がちょっと大きくて、色も派手だ。

衝撃的なものだと、2メートルくらいはありそうな白色のパイナップルが、幹に横向きに生えてる木を見つけたりもした。

これfwitterにあげたら万バズだわ。スマホが恋しい


そして、植物類だけではない。というかこれがえのきの次にびっくりした。

太陽が、ずっと真上にあるのだ。で、その光が強まったり弱まったりしているのだ。


先ほど数日といったのはこれが理由である。一番明るくなって、暗くなって、次に一番明るくなるまでを勝手に1日と決めた。




なんとなく身の回りのことが整理できてきて、気づいた。

俺、ちょっぴりさみしい。


そこまで寂しがりやというわけでもないが、知らない世界で1人きり、そろそろ会話がしたい。

この世界に来た経緯と、愚痴を聞いてほしい。


試している途中で川を見つけた。

だいたい川沿いに文明ってのはできるもんだ。知能のある生命体との出会いを求めて、川に沿って移動することにした。

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