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勇気ってやつはとても重要で、その勇気からの行動が思いがけない出来事を与えてくれるものだと、僕はこの時に悟った。
そして大切なものを手に入れるためには、勇気の連続が必要だと同時に思い知らされた。
その結果、神様からさっそく二度目のプレゼントだ。
僕は救われた。
野球に例えるなら、ノーアウトフルベースのピンチに登板して三者三振を奪った気分。
君が僕を覚えていてくれた。
覚えている、覚えていない・・・。
これが結構、重要なんだ。
しかも突然の訪問を笑顔であっさり受け入れてくれた。
七年が経過した今も、色褪せることなく鮮明に覚えている。
僕の願いを二つ返事でOKし、友達付き合いをしてくれた君・・・。
こんなに簡単に願いが叶っていいのかとさえ思った。
でも寂しいことがひとつだけあった。
友達だからとか恋人としてとかじゃなく、君は人生の覚悟を決めていて、自分自身の抱えている問題を会ってまもない僕に話した。
君はひじょうに稀な病気を背負って生きていた。
そのときの僕は、その病気の重大な意味を知らなかった。
君を守っていく未来を考える認識よりも、目の前にあるデートの約束に浮かれ、幸せの絶頂のなかに居た。
デートの日までカレンダーの日付けを塗りつぶしていったり、待ち遠しくて眠れぬ夜を布団のなかで懸命に羊を数えてやり過ごしたり・・・。
そしてデートの当日。
かなり早めの時間に君の家を目指して僕は車を走らせた。