初ぷるぷる
ぷるん!
耳心地の良い弾力音とともにスライムが現れた
本来の色は透明に近いがわずかに白と青が入ってるような気がしないでもない
そして美しく魅惑的な曲線により構成される球形のフォルム
そして何よりも!
プリンや葛餅、ゼリーをはるかに凌駕するプルプルボディー!
どこぞの通販会社の元社長もお馴染みのあのハイトーンボイスで言うだろう
見てください、このボディー!
と
それはもはや美しさと可愛さを兼ね備えたパーフェクトボディだ
ぷるん
スライムが少し揺れる
「おお…触っても大丈夫かなぁ?」
ぷるん
まるで言葉がわかるかのように縦に少しだけ動いた
「よし…」
ぷにゅん
「おお…」
ぷにぷに、ぷにぷに、ぷにぷに…
「なんという触り心地!
この弾力、何にも形容しがたい…
ちなみに俺の言葉がわかるのか?」
ぷるん
また縦に少し動く
「イエス、ってことなのか?
言葉は喋れないのか?」
ぷるぷる
「左右に少し動くとノーってことか。
俺と別行動する際は距離に制限はあるのか?」
ぷるぷる
「つまり離れてても独立して動けると…
なら、逃げるのに使えそうだな。」
幸明はそう言いながらスライムを手に乗せて撫でる
「撫で心地も良いなぁ〜」
ぷにゅぷにゅ…
ひとしきり撫で終えたあと手のひらに乗せながら行動を開始する
夜
宿舎ではクラスメイトたちが眠るベッドがずらっと並んでいた
寝息を立てるものもいるが眠れない者もいるようだ
それでも構うことなくベッドから出て外へ出る
(こういう時、親密度が低いと楽だな
声をかけられることもない)
幸明の行動に目を開ける者や不審に思いながらも声をかけずに見送る者も…それでも構わず扉を開けて外へと出る