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52話 対戦!水の使い手

メインヒロイン(ヒロイン?)との戦い。

因みに真の仲間です。

 無数の水の玉が池から湧き出すように浮き上がってくる。傍から見ると幻想的だが、全てが攻撃用の魔法ということを忘れてはいけない。

 私は杖を取り出し土魔法を用意する。こちらも小さな土を浮かせてみようか、なんて考える。


 水の弾がバラバラに飛んでくる。私はそれに合わせるように土魔法で相殺していく。


 バババババン


 激しい破裂音とともに水と土がぶつかり合って弾けていく。


「なかなかできる魔法使いのようね!でもこれはどうかしら!」


 彼女が杖を大きく振ると、小さい水玉と大きい水玉がさっきよりも速くこちらに飛んで来始めた。

 私もそれに対して大量の小さい土で応戦していく。


「まだ倒れないの?なかなかしぶといわね。それ!」


 今度は水がしなやかにうねって鞭のように動き出す。私は水玉を迎撃するのに精一杯なのに水の鞭を二本も同時に動かしている。

 いや、これは防ぎきれない!


 スパアァン スパアァン


 ぎりぎりで二本の鞭の攻撃を避ける。水の鞭はいい音を立てて地面を叩く。あれに当たったらひとたまりもないだろう。

 避けている間にも水玉は私のことを追尾して降りかかってくる。気を抜いたら体中に穴が開きそうな勢いだ。


 私は走りながら彼女に訴える。


「話を聞いてください!私はあなたを殺すつもりなんてありません!」

「うるさいわね。みんなそうやって騙してきたのよ!もう二度と引っかからないわ」

「お願いだから。攻撃するのを止めて!」


 こちらが何か言えば言うほど相手の攻撃の威力が上がっていく。

 だが私は諦めたくはない。私が諦めてその後で騎士団に殺されたなんて聞いたら、寝付けなくなるに決まっている。


 そう考えていたら鞭がもう二本追加される。これ以上は避けられない!

 私は風魔法で宙に浮いて躱す。


 まるで鳥のように宙を舞う姿はさぞ美しいだろう…ではなく、水玉と水鞭に追いかけまわされているのだが。

 もちろん土魔法は解除している。空を飛ぶのに集中していないと木に激突する可能性があるからだ。


「私だって余計なお世話だってこと分かってるわ!でも騎士団が全力で襲ってきたら、いくらあなたが強くても数で負けるわ!」

「うるさい!私の身は私が守るわ!」


 宙に浮きながら彼女を説得するように試みる。だが伝わらない。一体どうすればいいのだろうか。


 スパゴォォォン


 一瞬考えこんだ隙に一本の鞭が私に直撃する。私は地面に叩きつけられて頭がクラクラする。


「さあ終わりよ。あの村の連中に計画は失敗したって伝えてきなさい!」


「……誰が…」

「?」

「誰が伝えるものですか!」


 空間からショートソードを取り出し立ち上がる。そのまま防御の構えをとって彼女を睨みつける。


「目の前に殺されることが決まっている人を放っておけるものですかぁ!」


 そう叫んで飛んでくる水魔法を剣で斬っていく。水の鞭を斬るときに体に水玉が当たろうと、水のやりが膝に刺さろうと私は諦めない。


 殺されそうな人を見殺しにする王女にはなりたくないのだ。助かる道があるならそれを示してあげたいのだ。


 全力で剣を振るって彼女の攻撃を凌ぎきる。今まで鍛えてきた甲斐あって、まだ地面に伏せていない。


「どうしてそこまでするのよ!どうして私なんかに!あなたには関係がないでしょ!他の人に構いなさいよ!」


「その他人があなたじゃいけないの?それに騎士団にあなたのことを殺さ…… あああ!!!」


 背中に鈍痛が走る。


 冷たい刃物が背筋をかき分けて体内に入り込んできているのが感じ取れる。


 肩を掴まれて刃物が勢いよく抜かれる。そしてまた別の部分が何度も突き刺される。


「派手に暴れてくれてありがとうな。お陰で二つの仕事がすぐに終わりそうだよ。()()()()・サンライト」


「はぁ…… は…ぁ… やっぱり…ね…」

「サンライト王国騎士団員よ!国家反逆者は仕留めたぞ!全員その女にかかれ!」


 なんとなく分かっていた。ルージュさんの家が廃墟になった理由も多分この人たちが原因だろう…


「に……げ…て」


 青髪の彼女に向かって口だけでも動かして伝える。


 そして力なく地面に倒れこんだのであった。

エイリスは王女として国の人が亡くなるのを見逃したくないのです。(悪党を除く)

もちろん騎士団にも罪を重ねさせたくないのです。

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