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49話 投げ方と使い時

 自分を爆破すること数日。ようやくまともな爆裂ポーション亜種を作り上げられるようになった。

 ルージュさんは爆発したことはないと言っていたが、あくまでもルージュさんがしたことが無いだけで私のは爆発したのだ。

 最初は死ぬかと思うような爆発が私を襲ったが、爆発が起きやすい工程の時に細心の注意を払うようにしたら爆発には巻き込まれなくなった。


 その他にも様々なポーションを作らされたが、今はルージュさんと一緒に外に出ている。


「今日は何をするんですか」

「ふっふっふ。それはもちろん…」


 彼女は笑顔で振り返ってポーションの入った革袋を両手で前に出してくる。


「ポーションの使い方よ!」

「えっと、飲むだけじゃダメなんですか?」


 リュージュさんが呆れた顔をしてこちらを見てくる。


「あなた、麻痺ポーションを飲む気なの?」


 あっ、そういうことか。確かに爆裂ポーションなんかを飲むわけにはいかないものね。

 でも使い方ってどういうことだろうか、投げるだけじゃないのだろうか。


「いいかしら、多分投げるだけって思っているでしょうから教えるわよ。麻痺ポーションとか火炎ポーションとかは相手に投げるのが基本になるわ。でも、ただ相手に投げるだけじゃ防がれて終わりだわ。そうならないように不意をついてかけるか、地面に置いて罠として使うかするともっと効果的よ。」


 ルージュさんは革袋を地面に投げてみせる。革袋はコロコロと転がっていき口が上に向く。


「さあ、投げてみて。必ず袋の口が上に向くようにするのよ」


 私は麻痺ポーション入りの袋を受け取り投げてみる。ポーションがたぷたぷに入った革袋は投げられることには投げられる。

 だが、口が上に向くように投げるのは至難の業である。真下に落とすなら話は別だが。


「だー!空間魔法使っちゃダメですか!これ絶対に上に向かないですよ」

「いいわよ。ただ、手で投げられたほうが便利だけどね」


「それじゃあ、次は罠の起動の仕方よ。起動と言っても何らかの衝撃を袋に与えるだけよ」


 ルージュさんは転がっている袋に対して土魔法でできた土の塊を当てる。

 土が当たった革袋は瞬時に弾け、液体が周りに飛び散る。これが足元で爆発したらひとたまりも無いだろう。


「罠は相手が踏めばいいけど、踏まなかった場合はこうやって爆発させると効果的よ。それと、罠用の袋には爆裂ポーションを少し入れるのを忘れないようにね」


 爆裂ポーションを使うなら普通に相手に向かって投げてから魔法で起動するのが手っ取り早いのではないか。

 そもそも空間魔法が使える私は投げずに敵の後ろに袋を出現させれば不意打ちにうってつけではないか。


 そんなことを考えていたら、次の投げ方を教えてくれるようだ。


「次は思いっきり投げてみるのよ。時には遠くに投げることも必要になるわ。腕をこうやって後ろに引いてから全身を使って前に振るのよ」


 腕をブンっと振って手のひらサイズの石を投げる。彼女が投げた石はきれいに真っすぐ飛んでいく。

 私も真似して小石を投げてみる。


「それ!」


 私の飛ばした小石はあらぬ方向へ飛んでいく。真っすぐ投げたつもりだが上に飛んでしまったようだ。


「えいっ!」


 今度は上に飛んでいかないように投げてみる。しかし小石は地面に叩きつけられていた。

 おかしい、何故か真っすぐに飛んでいかない。


「アリスちゃん… もっと軽くでいいのよ。こう…ふわっと投げるの」


 ルージュさんの動きを見るがどうみてもふわっと投げているように見えない。

 私はそれを頑張って真似をしてみるがどうにも上手く行かない。

 これは一日以上かけて練習する必要があるかもしれない。


「そうね…これは投げる練習が必要かしら」


 ルージュさんは少し落胆するようにして私に付きっきりで投げ方を教えたのであった。

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