45話 弓矢と短剣の使い方
「そういえば、あのヘビの頭に突き刺せるなんてミーミャさんの短剣ってどれぐらい鋭いんですか?」
「これかにゃ?そんなでもないにゃ。突き刺せたのは短剣だからにゃ」
どういうことなのかをミーミャさんが丁寧に説明してくれた。
短剣は攻撃範囲が短い代わりに突き刺す力が強く、皮膚が固いものや急所のみを狙うのが基本らしい。
そのかわり防御はしづらく、避けるのが基本とのこと。短剣を使うなら相当な素早さと体力が必要になりそうだ。
私が持っているショートソードは剣同士の打ち合いに向いているが、動物や魔獣への致命的な一撃を与えるのは難しいとも言われた。
「使ってみるかにゃ?振ってみるだけでもいいにゃ」
「いいんですか?やってみます!」
短剣を受け取って、右手で持つ。剣と比べてとても軽いと感じる。横に縦に振るが、腕がかなり伸びてしまう。
「にゃ、にゃ、にゃ。攻撃するときは一歩踏み込みながらにゃ。常に動き続けるのが基本にゃ。」
なるほど、相手に近づきながら突きを出せば威力もリーチも出るわけだ。ただ常に動き続けるのは相当な体力を使うので、まずは体力作りが必要であろう。
それに流れるように動きながら短剣を振るうのもまた難しい。慣れるまで練習あるのみだろう。
ひとしきり短剣を楽しんだ後、弓についても教えてもらう。
「弓は難しいにゃ。吹いている風と当てる対象との距離。それに動きの予測までしないといけないにゃ」
実際に弓を持ち、矢を引いてみる。頑張って引き絞るが、全然後ろまで引き絞れない。
私の腕はこんなにひ弱だったか?と思ってしまうぐらい引けない。それに加えて狙いにくい。
何が大変かって、顔を近づけると弦が当たりそうになるし、離すと狙えなくなるのだ。加えて女の子である象徴にも当たりそうで怖い。
「わ、私は魔法でいいかな…」
「そうだにゃ、軌道と速さを変えられる魔法の矢はずるいにゃん」
魔法が使えない人からしたらずるいのは分かる。慣れれば直角に矢を動かすことだって出来てしまうのだから。
けれど、できないこともある。例えば音を出すとかだ。
「そうだ、あの時風を切る音がしたんですけど、あれは何だったんですか」
「あれはカゼキリハにゃ。それを矢にの先端に付けて飛ばすと大きな音を出しながら飛んでいくにゃ」
あれはカゼキリハだったのか。前に風邪予防としてギルドで飲んだポーションに入っていたものだ。
森の中でも風が吹くと音が鳴っていたが、多分それもカゼキリハのせいだろう。
ミーミャさんにカゼキリハを一枚貰ってから風の魔法に乗せてみる。
「風よ。浮かせ」
葉に風が当たるたびに音が鳴る。風でくるくる回して遊んでみる。
そのうち何かに使えそうなので、後で集めておくのも悪くないかもしれない。
ちなみにミーミャさんは風魔法に釘付けである。元猫種だけあって珍しいものに惹かれるようだ。
カゼキリハを横に素早く動かしてやると彼女の顔も一緒に動く。
つい楽しくなってたくさん動かしてしまう。
「はっ!いけないにゃん。つい癖で追ってしまったにゃん」
この後私はミーミャさんと一緒に戯れたのであった。
いや、ミーミャさんで遊んだが正しいのかもしれない。




