41話 森の狩人
猫人族。
出すかどうか迷いましたがファンタジーだし問題ないでしょ。
「お前かにゃ?こんないい匂いをさせているのは!」
にゃ?今、にゃっと言わなかったか?
木の枝の上に乗っかっている人をよく観察すると、頭に見慣れない耳のようなものが、お尻から尻尾のようなものが生えている、
「というか人がこんな森の奥で何をしているのかにゃ?」
人らしき人が木の上から飛び降りて私の目の前に立つ。背中には弓、腰には短剣を下げた女の人のようだ。
「あの、あなたは…」
「私はミーミャにゃん。この森で狩人として生きているにゃん」
「ミーミャさんですか。私はアリスと申します。えっと、その… ミーミャさんはひと…ですか?」
「ん?もしかして猫人族を知らないのかにゃ?」
猫人族。今まで見たことも聞いたこともないが、人のような猫、いや猫のような人ということだろうか。
「すいません。私何も知らなくて…」
「構わないにゃ。我々はこの国の東側にはあまり行かないからにゃ」
「それで、私に何の用でしょうか…」
「そうだったにゃ!近くを通りすがった時に美味しそうな匂いがしたから確認しに来たのにゃ!」
どうやら、猫というだけあって鼻がいいらしい。というか何を確認しに来たのだろうか。
「私は何かいけないことをしてしまったのでしょうか…」
「そんなことはないにゃ!ただ美味しそうな匂いだったから釣られてしまっただけにゃ」
「それだったら、食べます?」
「いいのかにゃ!いや、やっぱり悪いにゃ」
そうだ、狩人ならこの森に詳しいはず。彼女にこの森の抜け方を教えてもらえばいいのではないか。
「あの、もし良かったらクロプ町にどうやったらいけるか教えていただけませんか」
「クロプ町かにゃ?んー、教えたいのは山々にゃんだけど、決まった道は無いにゃん。ごめんだにゃん」
「えぇっ。それじゃああなたはいつもはどうしてるの?」
まさかとは思うが私の様に彷徨い続けているなんてことはないだろうな。
「そうだにゃー、気ままに歩いていたら出られた、がほとんどかにゃ~」
ああ。うん。そこらへんは普通の猫と変わらないようだ。
道のことは分からないようなので、何か別のことを質問してみる。
「猫人族って何が得意なんですか」
「得意なことかにゃ?うちはお昼寝とか、高いところに登るのが得意だにゃ」
やはり、猫だ。なら気になることが出てくる。
「その、頭の上についている耳とは別に、人の耳とかついていたりするんですか?」
「にゃっはっは!どうして人族はいつもそう同じことを聞くんかにゃ。耳が四つもあるわけにゃいにゃん」
やはりそうなのか。耳が四つもあったら音がどう聞こえるのかとか気になるが、その答えは遠い未来に分かるだろう。
「それと、肉球はしっかりあるにゃん。もちろん自慢の爪もキレッキレだにゃん」
人の手のようだが、確かに肉球がある。とても変な感じだが、彼女らにとっては普通なのだろう。
「あと、あと、えっと。猫とは話せるんですか?」
「気ににゃるよね~。猫人族に初めて会った人はみんなそれを聞いてくるにゃん。もちろん話せるにゃん。ただ、人前では会話しないけどにゃ」
「あ、あと最後に、その弓ってその手で扱えるんですか」
「もちろんだにゃ。これでも狩人の腕としては一級品だにゃん!」
ミーミャさんは背中から弓を取り出すと適当に矢を引っかけて放つ。
矢をかけてから放つまでの時間がかなり短い、それに飛んで行った矢は一直線に木々の間を高速で抜けていく。
彼女は強い。それが最初の感想だった。
シーーーーーーーーー!
矢が飛んでいった方からヘビの鳴き声… いや、叫び声がする。
矢を放った張本人を見ると、彼女の顔と髪が引き攣っていた。これはやばいやつなのでは…




