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第98話 魔王アスタロト

 会見の後、シャドウズに大きな動きは無い。数か月後、新に空中戦闘艦の建造計画を立ち上げたと潜入している調査員から情報が入ってくる。ヴェルフは言葉通り宇宙への進出はやめたようである。


 フレイムランドでは異変が発生する。何者かが位相面を破って侵入したのだ。一瞬で位相面を破るなど並みの相手ではない。

 フレイムランド内で第一次戦闘態勢がとられ、町には、住居区画への避難が指示される。

 俺は、ユグドラシルの指令所に向かおうとしたが、感じる気配は1つである。しかも、上位神族のシバより明らかに大きな気配を感じる。

 これはだれにも止められないと考える。そして、王宮の玉座で侵入者が現れることを待つことにする。

 俺は司令官のアーリィに指示を出す。

 「侵入者には手を出すな。かなう相手ではないぞ。」「了解しました。」

アーリィは、フレームシリーズのパイロットと騎士たち戦闘員に待機命令を出す。

 ドニィーシャが俺の傍らに来て言う

 「来る時が来ましたね。」「相手は1人だが今からでは戦闘の準備は間に合わないな。」

 「ええ、この身を盾にして陛下を守りますので逃げてください。」「無駄なことだよ。」

 「陛下をお迎えして楽しい日々を過ごせましたわ。」「まだ、早いよ、相手の目的が分からない。」

 「魔族が相手です、戦い意外に何がありましょうか。」「そうだな。」

ドニィーシャは覚悟を決めているようである。サイーシャも傍らに来る。

 「陛下、お供をします。」「アピルを連れて逃げてもよいぞ。」

 「御冗談をアピルも納得しませんわ。」「そうか。」

上位の神族や魔族に攻め込まれれば、軍備を増強してももろいものである。彼らの早さでは、迎え撃つ準備の時間もない。

 気配はまっすぐ王宮に入って来る。そして、俺のいる玉座の間に向かっている。

 俺は壁を突き破って突き進んでくると思っていた。意外にも侵入者はドアを開け、王宮内を歩いている。

 気配の主が玉座の間に扉を開けて入ってくる。魔族は見かけでは歳は分からないが浅黒い筋肉質の体をした青年に見える。

 「ようこそ、待っていましたよ。」「ふん、空気がピリピリしているぞ、我は魔王アスタロト、戦いに来たわけではない、緊張を解け。」

アスタロトは、すべて見通しのようである。

 「何の用ですか。」「顔を見に来たのだ、シバを倒し損ねたそうだな。」

 「ええ、邪魔が入り殺せませんでした。」「いいぞ、いいぞ。」

確かに魔族にとっては良いことかもしれない。

 「あやつらがさげすんでいる人間に死ぬところまで追い込まれるとは、よくやった。」

どうも魔王に褒められているらしい。俺には魔王アスタロトに意図が読めない。

 「それで、用件を聞きたいのです。」「せかすな、我々は今後、人間と敵対をやめる。」

 「戦うのをやめるということは、この世界に干渉することをやめるのですね。」「その通り、そして、同盟を結ばないか協力して神族を滅ぼすのだ。」

 「断ります。」「ほう、我の申し出を蹴るのか。」

魔王は気配を強め威圧する。だが、フレイムランドに魔族との共闘の選択肢はない。地球に魔族が来れば、戦って殺しあうだけなのだ。

 「私たちは神族と戦うのに力が足りません。それに魔族に恨みを持つ者も多い同盟は結べません。」「我を恐れぬか、面白い今回は見逃してやろう。おぬしたちとは戦わない、干渉しないでよいな。」

 「はい、言われる通りにします。」

最高の条件である、断る理由は無い。

 「そういえば、貴様の名を聞いていなかったな。」「仙田ほむらと言います。」

 「ほむら王よ、また会う日を楽しみにしているぞ。」

そう言い残し魔王アスタロトは去っていく。俺とドニィーシャ、サイーシャは崩れように緊張を解く。第一次戦闘態勢は解かれ、避難指示も加除される。

 報道担当が、魔王アスタロトの来訪と、今後、敵対しないこと、人間に干渉しないことを約束したとフレイムランド内に放送した。



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