第93話 宇宙戦闘艦トールハンマー
フレイムランドでは、すでにシャドウズのトールハンマーのドックの位置を特定している。 トールハンマーの飛行試験の日程の情報が潜入している調査員から入ってくる。
トールハンマーは太平洋を横断するコースをとることも分かる。ジェームス提督の艦隊から偵察艦が1隻情報収集のため動くことになる。
偵察艦コンテは、カルフォルニアにあるトールハンマーのドックの上空で待機し情報収集を開始する。ステルススクリーンを展開しているため発見されずにいる。
トールハンマーの飛行試験が始まる。山に掘られたトンネルのハッチが開き、トールハンマーが姿を見せる。
形は上部が平坦で中央に艦橋がある。ちょうど空母に艦橋を中央にずらした形をしている。色はグレー一色になっている。
船はすでに空中に浮いているようで静かにトンネルのドックから出てくる。船体に砲塔は見られない格納式になっているようだ。
トールハンマーはそのままスピードを上げて太平洋へ出る。コンテも距離を取り並走する。太平洋の中央まで来ると米軍の戦闘機がトールハンマーの周りを飛ぶ。
米軍もトールハンマーの情報を収集したいに違いない。そして事故が起こる。戦闘機の1機がコンテと飛行コースが一致する。
コンテは回避行動を取るとともに防御スクリーンを展開する。回避は間に合わなかった。戦闘機は見えない壁に衝突したように爆発する。
トールハンマーが素早く反応し船体の上下から6台の砲台を出現させる。砲台は3門の三連装砲である。
コンテはステルススクリーンを解除し姿を現す。戦闘機の衝突したのに無傷である。戦闘の意思がないことを示すため、コンテは砲台を出さず、トールハンマーから離れて行く。
コンテの情報収集はここまでとなる。トールハンマーは太平洋上を往復してカルフォルニアのドックに戻る。
アメリカからフレイムランドに事故についての抗議が来る。
ドニィーシャは抗議に対応する。
「不幸な事故です、パイロットの冥福をお祈りいたします。」
彼女はそう答え、領空侵犯の抗議については、公海上の事故だったと押し通してしまう。
トールハンマーは調査からスクルド級とベネディット級の間の火力を持っていると想定される。また、船速や旋回性能は未知数である。
次は、大気圏離脱のテストをするはずである。トールハンマーの封じ込め作戦は間近に迫っている。
既にジェームス提督は艦隊の訓練を終え準備を完了している。後は実行するだけである。
ついにトールハンマーの大気圏離脱テストについて情報が入って来る。浮島からジェームス提督の艦隊が発進する。また、スコーネも動き出す。