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第84話 イザベラの妊娠

 イザベラとのデートから3か月後、イザベラが俺に謁見を求めてくる。俺は、ドニィーシャの立会の元、イザベラに会う。

 イザベラはドニィーシャ抜きで2人で話したいという。俺はドニィーシャに隣の部屋に控えるように命じる。2人きりになるとイザベラは俺に言う。

 「赤ちゃん、できちゃった、女の子よ。」「俺の子?」

 「そうよ。」「責任を取るよ、結婚しよう。」

 「しないわよ、ただあなたとの間で子供ができたことを知っておいてもらいたいの。」「しかし、君はどうするんだ。」

 「今まで通りよ、あなたの船でパイロットを続けるわ。」「どうして、責任取らせないの。」

 「ああ、この国、結婚の制度ないわよ。」「へっ」

 「夫婦として暮らすカップルもいるけど、私はお断り。」「せめて認知だけでもさせてくれ。」

 「それもだめ、王の娘になってしまうわ。ミア・イーストマン、この子の名前よ。」「俺は名前を知っているだけなのか。」

 「子供のことは、陛下と私だけの秘密よ。」「分かったよ」

イザベラは1人で子供を育てるつもりらしい。俺はイザベラ1人で大丈夫なのかと心配になる。ドニィーシャは、俺とイザベラの話の内容を聞いてこなかった。

 俺はアピルに結婚のことをそれとなく聞く。

 「まさか、我と夫婦になりつもりではなかろうな。」「誤解です、アピル様、この国は結婚がないんですよね。」

 「夫婦になっても名前は変わらない。実際の所、同居と言った方がいい。」「子供はどうするんです。」

 「どちらかの子供になる、ある程度の年になると地域で面倒を見るから片親でも十分育てられるし、その方が多い。」「学校へ行くのですか。」

 「我が午前中、子供の勉強を見ているであろう。そこから、軍の学校へ入ったり、どこかに弟子入りしたりする。」「なら、魔術学校とか学問専門の学校が必要ですね。」

 「そうだな、たまには、まともなこと言うではないか。」「よく考えてみます。」

俺はミアが生まれても不自由なく生きていけそうで安心する。今の地域で子供を育てるシステムはこの国が長年の経験で得たものであろう。

 しかし、大学や専門学校に変わるようなものが存在しない。俺は学術機関の必要性を感じる。

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