第81話 ムーラー
俺はラスクたちのとの話し合いから、地球外知的生命体との接触とムーラーについてフレイムランド国内に発表することにした。発表はブリーフィングルームで行う。映画の撮影クルーも一緒である。
まず、俺はアスカロを襲ったムーラーについて話す。
「接触した宇宙軟体生物は、異星人にムーラーと呼ばれており、これにならってムーラーと呼ぶことにします。」
「ムーラーは本拠地と言う巣を中心に移動し有機物を摂取して増えていき、有機物の繁殖する星があると本拠地が大挙して突入し、有機物を食べつくします。」
「そして、増殖しまた宇宙を移動していく生物で、話し合いや交渉は不可能であります。」
「ムーラーが地球を発見すれば、多量のムーラーの巣が訪れることになるでしょう。」
「また、私たちは、知的生命体とファーストコンタクトしました。」
「私たちが接触した異星人はラスクといい母星をムーラーに滅ぼされ艦隊で戦っています。そして、はぐれた1隻と不幸にも遭遇戦なりました。」
「しかし彼らは、戦闘を望んでいません、友好的に迎えようと思います。」
これをフレイムランドに緊急発表として流される。そして、活動中の我が国の艦船にも伝わっている。
俺は地球にいる日本の総理大臣に連絡をする。そして、発表した内容と同様の内容を伝える。総理大臣は驚いたように言う。
「異星人にムーラーですか。」「ええ、ムーラーについての情報は提供しましょう。」
「時間をいただけますか。」「はい、こちらも帰るのに3日の位置にいます、では、連絡をお待ちします。」
「それで、このことは映画撮影の人たちは知っていますか。」「もちろん、知っています。」
どこで異星人を迎えるかでラスクの扱いは決まるだろう。
俺は土井に伝える。
「1週間の予定でしたが、今から地球へ向かおうと思いますがいいですか。」「ならば、クリスとホワイトフラウの模擬戦を撮りたいのですが、お願いします。」
「一瞬で終わってしまいますよ。」「違います。クリス6機とホワイトフラウ1機での模擬戦です。」
「分かりました。」「ありがとうございます。」
模擬戦が始まる。先に6機のクリスが発進する。続いてイザベラのホワイトフラウが発進する。
クリスはホワイトフラウを取り囲むように布陣する。イザベラは小惑星を盾にして、不用意に近づいたクリスをライフルで狙い撃ちして1機仕留める。
続いて、イザベラは陣形を乱したクリス1機を攻撃を避けながら仕留め、クリスの囲みを破る。イザベラはそれからが早かった、高速で移動しながら1機ずつライフルで仕留め始める。
クリスも反撃するが、イザベラの動きについていけない。残りのクリス4機を仕留めるのに1分とかからない。俺は土井に聞く。
「撮影はうまくいきましたか。」「ええ、うまくいきました。」
土井も仕事を終えることができたようだ。ホワイトアースは、地球へ帰ることになる。
ホワイトアースが地球の軌道上に帰ると総理大臣から通信が入る。
「我々は3日後にラスクを迎賓館で迎えることにします。」「よろしくお願いいたします。」
アーシャ艦長はホワイトアースを大気圏に突入させる。ホワイトアースを東京湾上に待機させ、3日後連絡艇で迎賓館へ行くことになる。ラスクは地球に客として扱われるようだ。