第74話 グリム
最後にグリムのリーダーと会見する。予想通り、グリムのリーダーは、ティグラトだ。彼はアルムを伴っている。
アルムは、俺がサイーシャに頼んで、一緒に来るようにしたのだ。
「ティグラト・ナンマです。」「仙田ほむらです、シバへの勇戦感心しました。」
「撃ち漏らして、勇戦もないでしょう。」「あの場合、シバに固執すれば全滅していました。あとから現れた神族は強いですよ。」
分かりました。勇戦したことにしましょう。こちらがアルム・シャルです。」
ティグラトは俺に横にいる薄い赤色の髪の少女を紹介する。
「あなたの剣さばきは素晴らしかった。」「それでドニィーシャとどちらが素晴らしいですか。」
アルムは挑戦的な目をして俺に聞く。
「私はドニィーシャの全力を知りません、比べられませんね。」
俺が回答するとティグラトが続ける。
「アルムを呼んだのはハーレムに入れるためでしょう。」「無礼ですよ。」
サイーシャが叫ぶ。俺は手で合図してサイーシャを止めて2人に言う。
「そのような意図はありませんよ。私は戦場で共闘したいのです。」「・・・」
ティグラトは俺を見つめたまま何も言わない。俺は品定めされている気分になる。そして、二人は黙って部屋を出て行く。サイーシャは、少しうろたえながら俺に謝る。
「陛下、申し訳ありません。」「いいよ、仲が悪いのは本当のようだね。」
「ええ、特にアルムはバビロニアのブラッティー・クリムゾンと言われ、ドニィーシャとはライバル関係なんです。」「まあ、どっちが上かは興味あるな。」
「ドニィーシャの前では禁句ですよ。」「覚えておくよ。」
グリムともいやでも共同戦線を張れなければ、魔族や神族と正面から戦うのは無理だろう。
俺は戦士たちと話し合う場をいづれ設けることを望んだ。
「いづれ、彼らと共闘することを話しあいたいね。」「以前にもそういう場を設ける話があったのですが、全て実現しませんでした。」
サイーシャは難しい顔をして言う。戦士たちが滞在中、俺はグリム、ノモス、アイユと話したが距離感は縮まらなかった。
そして、グリム、ノモス、アイユともに傷がいえたら、フレイムランドから去っていった。