第73話 戦士たち
シバの退却により俺たちの勝利は確定した。フレイムランドに戻った俺たちは民衆に歓声で迎えられる。これまで神族や魔族との戦いで苦戦していたのが、上位の神族を退けたのである。
俺は、喜ぶことはできない。シバを取り逃がしただけでなく、他の上位の神族に力の差を見せつけられたのである。今のままでは戦いにもならないだろう。
フレイムランドが勝ったと言っても無傷ではない。数名のパイロットの死者がで。、加勢した戦士たちの集団ではもっと数が多いだろう。
それに無人とはいえ、東京に直径10キロ位の大穴を開けたのだ。かなりの被害が出ている。政府は戦闘の結果に驚愕しているはずだ。日本の対応が気になる。
サイーシヤから俺に上申がある。
「戦士たちは傷ついています。治療のため一時的に受け入れてください。」「俺は構わないと思うけどトラブルにならないか。」
「私がサポートします。」「ドニィーシャの意見を聞いてから決めよう。」
おれに断る理由はない。一応、ドニィーシャに意見を聞く。
「問題を起こさないのであれば良いかと思います。」「問題て何かな。」
「全てのグループと仲が良いわけではありません。」「なら、今回は許可しよう。」
戦士たちは、宮殿に収容することにする。宮殿には使われていない部屋が多いからだ。
俺は、シバと対峙したアルムとティグラトに会って見たかった。俺はサイーシャに聞いてみる。
「アルムとティグラトに会ってみたい。どうかな。」「直接会いに行くのはやめて方が良いと思います。」
「問題があるんだね。」「はい、彼らグリムとはフレイムランドは対抗意識が強いのです。」
「なら王として会うしかないな、会見するなら良いだろう。」「そうですね、他のグループのリーダーとも知り合いになるのがよろしいかと思います。」
サイーシャはグループのリーダーとの会見に動く。彼女は戦士たちに顔が効くらしい。実際、シバとの戦闘では戦士たちと一緒に戦っている。
さっそくノモスのリーダーに会うことになる、彼はオスのライオンの姿をしている
「アサド・バースと申します、このような姿で驚かれたでしょう。」「仙田ほむらです、ここに来てからは大抵のことには驚か無くなりました、ライオンの口で発音が上手ですね。」
「いえ、顔は鬣の中にあります。」「そして横を向くと鬣の中に顔があった。」
「私は魔族にこのような姿にされたのです。」「同じような方は多いのですか。」
「あなたの周りにもいるでしょう。」「はい?」
「まだお聞きになって無いようですね、魔族や神族に恨みを持つものは多いですよ。」
確かにフレイムランドは魔族や神族と戦うために強力な軍隊を持っている。彼らに思う所が無ければ、小さな国で軍を維持できないだろう。
次にアイユにリーダー会う、白髪の女性で両腕に羽毛を生やしている。
「アマル・キリヤです、今回の神族の討伐お見事です。」「仙田ほむらです、あなた方の助力で勝機を得ました。」
「アサドに会われた後ならこの姿にも驚きませんね。」「やはり、魔族や神族のせいですか。」
「私の場合、神族です、飛べるのは便利ですけど人前には出られませんわ。」
皆、神族や魔族に対して訳アリのようである。残るはアルムとティグラトのグループである。彼らのグループはグリムと名乗っている。
俺は、無事にグリムとの会見が出来ればと願う。