第70話 シバの神殿
シバの言う期日の前日、俺は東京で記者会見をする。俺は言う。
「魔石などと言う噂に踊る愚か者を我々が滅ぼそう。」
記者たちから質問が来る。
「勝てるのですか。」「勝つために来ています。」
「戦いの被害はどのくらいになりますか。」「強力な敵です。結果は分かりません。」
「東京に被害が続くことにどう思いますか。」「心を痛めています。灰燼となることを食い止めます。」
「どう戦うのですか。」「総力戦をします。フレイムランドは再び現れます。」
同時にフレイムランドは一時的に位相空間発生装置を止め姿を現す。そして、60機に及ぶフレイムシリーズを吐き出す。フレイムシリーズに位相面に干渉する能力がないための措置である。
軍艦はスクルドとスコーネの2隻のみである。俺は記者会見を終えると連絡艇でスクルドへ行き、スノウビューティーに乗り込む。管制官が指示する。
「スター1進路クリヤー発進どうぞ。」「了解。」
俺たちは期日の前日に攻撃を開始する。すでに避難は完了しているので期日まで待つことはない。
フレイムシリーズは東京湾の中央から北上する。シバに位置は気配の大きさから、俺たちの進行上の海岸に位置している。
シバの配下の神族が前線のフレイムシリーズとぶつかるがビームバルカン砲によって引き裂かれる。中位の神族二人がビームの激流に耐えきるが、カイルが操るウルクに一人切り裂かれる。
さらに一人がイザベラの操るホワイトフラウに消耗したところをライフルで撃ちぬかれる。残るはシバだけになるが動きは無い、しかし、確実に気配が強くなってきている。
俺たちが海岸に近づくと異様な光景が広がっている。そこには、工場や倉庫などの建物は無く、赤く焼けた石柱が立ち並ぶ巨大な神殿のようになっている。
彼の強大な魔力が現実を侵食し、彼の心象風景を現実のものとしている。上位の神族は、中位の神族とはけた違いである。
俺たちは、神殿を包囲するように扇形に散開し、一斉にビームバルカン砲を斉射する。標的はもちろん神殿の中央にいるシバである。
皆、撃ち尽くすまでやめない。柱は崩れ落ち、シバにビームの激流が集中する。撃ち終わるとシバはその場で動いていない。シバの神殿は復元を始める。ビームバルカン砲を斉射が効いていないのだ。
その瞬間、大勢の人がどこにいたのか、神殿の中を進みシバへと向かう。管制官から無線が入る
「今、応援の戦士が向かった、同士討ちを避けるため各員しばらく待機せよ。」
俺には、かれらにシバを仕留めることができるとは思えない。
俺はこの隙にスノウビューティーのハッチを開き、オルカルで魔力弾を予備も含めて14発撃ち、魔力をコントロール下に置く。