第67話 不老不死
俺とドニィーシャはアーシャ・ウィルカーソンを出迎える。アーシャとは久しぶりに会うが姿は少女のままである。アーシャが俺に挨拶をする。
「陛下、お会いできてうれしく存じ上げます。」「君は全く変わらないね。」「はい、陛下と同じく不老不死の身であります。」
不老不死、俺はそんなこと一言も聞いていないし、なった覚えもない。俺はドニィーシャを見る、ドニィーシャは素早く顔をそらす。
「ドニィーシャ、これどういうこと。」「いずれ、わかります。」
ドニィーシャのいつもの口癖が出る。
「今、わかりたいだけど。」「それは、私たちが不老不死ですので、陛下にも不老不死である必要があったのです。」
「俺、覚えがないけど。」「気を失っているうちにサイーシヤに施術してもらいました。」「最初からか、後でじっくり話をしよう。」
俺は最初からドニィーシャの手の上なのである。
とりあえず、俺とドニィーシャ、アーシャはドックへ向かう、アーシャの船を見るためである。
新造艦の強行偵察艦スコーネは、スクルドの姉妹艦である。白い船体に船底は赤色で船尾にかけて赤色が炎のように立ち上がっている。
船をコントロールするアンドロイドは居ないが武装はスクルドと共通である。また、搭載機はセカンドフレーム・クリスが6機である。
アーシャは目を輝かせて見ており、スコーネを気に入ったようである。そして、ドニィーシャはアーシャに言う。
「テスト航海は1週間後、今夜の夜伽はあなたに譲るわ。」
俺はドニィーシャが逃げたと思った。
俺はドニィーシャに不老不死について聞く
文字どおり姿かたちが変わらないこと
心が死を受け入れない限り復活すること
を説明する、要は切られても元通りになるのである。
しかし疑問があるマサソイトの死である。俺はドニィーシャに聞く。
「マサソイトは不老不死ではなかったのか。」「彼は、戦いの中に死に場所求めていたわ、彼は自分で死を選んだのよ。」
俺は、一度は死を覚悟したことはある。しかし、そのうち自分で死に場所を求める時が来るのだろうかと考えた。