第58話 マサソイトの死
中位の魔族クロセルが、マサソイトの前に出る。
「次は私の番ですね。」
クロセルは、戦斧を両手で構える、そして魔力を刃の部分に集中させるとその場で戦斧を振る。魔力の刃がマサソイトを襲うが、トマホークで叩き落す。
マサソイトが左手に魔力を集中し魔弾を打ち出す、クロセルはそれを避けると後方にいた魔族に当たりはじける。クロセルはマサソイトに言う。
「やはり、直接、打ち合わないと勝負になりませんか。」
クロセルはゆっくりマサソイトに近づく。そして、全身を魔力で覆い硬化させる。
クロセルは戦斧をマサソイトの左肩に斜めに打ち込む。マサソイトはトマホークで方向を反らし、クロセルを横なぎにする。
彼は飛びのいてかわし、再び戦斧を正面に振り下ろす。マサソイトはかわしながらトマホークで彼の腕を狙うが戦斧の柄で受け止められる。
さらにマサソイトは、左手に魔力の盾を作り、クロセルの顔面を狙うとクロセルは飛びのく。
クロセルは左肩目掛け戦斧を打ち下ろす、マサソイトは戦斧を盾で受けると同時にトマホークをクロセルの左脇腹へ打ち込む。
クロセルはかわそうとしたが深い傷を負う。さらにマサソイトも盾が砕け、左肩に傷を負ってしまう。マサソイトは構わず前に出てトマホークをクロセルの左肩へ打ち下ろす。
クロセルの左腕がだらりとたれ動かなくなる、しかし彼は右腕だけで戦斧を使いマサソイトの左脇腹へ打ち込む。そこは、ゴモリーが蹴りを入れた所だった、マサソイトは思わず膝をつく。
クロセルはさらに戦斧を正面から打ち込むがトマホークで受け止められる。マサソイトは、膝をついたままトマホークを横なぎにしてクロセルの両足を切る。
クロセルは動きを封じられるが倒れない、二人は足の動きを止め、トマホークと戦斧で打ち合い続ける。
マサソイトは、クロセルの心臓目掛けてトマホークを打ち下ろす。クロセルは、マサソイトの心臓目掛けて戦斧を打ち下ろす。
そして、二人の動きが止まる、二人の気配はだんだん小さくなっていく、感じられなくなるまで・・・
相打ちだった。
残った魔族たちは図書室に向かって進んでいく。