第56話 空中戦
迎撃をすり抜けた、魔族たちが浮島に近づいて来る。俺は、ユグドラシルと王宮の間の上空へ飛び魔族を迎え撃つ。他にも5人魔導士や騎士が飛んでくる。管制官から指示が来る。
「スター1、飛べる者は数名しかいません、囲まれる前に退避を願う。」「了解。」
飛べる者が数名しかいないとは、飛ぶ魔術は難しいようである。しかし、俺の場合、魔力の翼が生えるので詳しくは分からない。
魔族が近づいてきた、拳銃オルカルを抜き左手に持ち、右手に魔剣マノーブルを空間から抜き出す。まず、オルカルで魔力弾を撃ち、5人はじけ散る。魔力弾はそのまま俺のコントロール下にある。
そして、魔力弾の魔力をコントロールして次の得物を撃ち落とす。俺は、すり抜け近づいた魔族を大剣の形のマノーブルで切り裂く、後ろから近づいた魔族は翼ではじき魔力弾の餌食にする。
20人ほど殺したところで、魔族の一人から声をかけられる。こいつは他の連中より気配が大きく強そうである。
「この羽付きは俺がやる、お前らは先に行け。俺の名は・・・」
俺は相手にせず、他の魔族を始末することにする。先行した魔族を追い5個の魔力弾で撃ち落としていく。
「こら、途中で逃げるな。」
名乗ろうとした魔族は追いかけてくる。
「スター1、追われているのか。」「追撃中です、他の者はどうした。」
「全員戦闘不能になった、スター1も離脱せよ。」「掃討終了後、離脱する。」
俺は、魔力弾で魔族を撃ち落としつつ、移動する。追いかけてくる魔族を引き離さないようにして・・・
「スター1、スター2が向かう、今少し持ちこたえてくれ。」「了解。」
ウルクを降りたドニィーシャが来るようだ。
しばらくするとドニィーシャが来て言う。
「追われているの。」「面倒だから相手にしてない。」
ドニィーシャの問いに答える。俺を追ってきた魔族が顔色を変えて止まり、うなるように言う
「ブラッティー・クリムゾン。」
ドニィーシャは俺にいう。
「陛下、この魔族は差し上げます。」
彼女は魔族を求めて飛び去る。
魔族は、俺に言う。
「陛下だと、これはいい、最高の手柄だ、俺の名・・・」
俺は、言い終える前にオルカルを抜き、3発撃つ、魔族は右手を前に出し魔力弾を防ぐが、3発目は防げず右手が吹き飛ぶ。
「卑怯者め。」
魔族は怒りに震える。彼は気配を大きくして何かしようとするが、その隙をついてマノーブルで魔族の首を落とす。
俺は次の得物を求めて移動する。