第50話 神族との戦い
俺とサイーシヤが前にしている男は人に見えるが気配が異質である
「魔族か。」
俺がつぶやくとサイーシヤは
「いいえ、神族よ。」
サイーシヤが先制して男を凍らせるが、炎を自らまとって凍った体を溶かす。
俺が魔弾を撃つが、男は無造作に魔弾を掴み握りつぶす。
男は右こぶしを打ち込む動作をすると俺たちは力の壁にぶつかり跳ね飛ばされる。
俺たちは後退し男から距離を取る。男はゆっくり近づき、先ほどサイーシヤいた場所へ来ると魔法陣が浮かび上がり、数十本の鎖が男を捕らえる。
サイーシャがわなを仕掛けていた。彼女が地面に手を付けると男の周りは、灼熱で溶けだし男は沈んでいく、しかし、男は笑っていた。
俺たちのすることが児戯と言わんばかりに・・・
俺は、男に魔弾を連発して打ち込むが、効果はない。男は鎖を引きちぎり、灼熱の地面から上がって来る。その時、サイーシヤは右手に魔力の剣を作り出す。
それは、俺から見て、密度が濃く硬質にみえる。次の瞬間、サイーシヤの姿が消え男の後ろに現れる。男の首が落ちた。
「アクセル使った？」
俺はサイーシヤに聞くと
「ドニィーシャのまねよ。」
と言う。
この後、町を徘徊しても気配を捕らえることはなかった。代わりに町の外で、大きな気配が２つぶつかり合うのを感じる。サイーシヤは俺に言う。
「勝った相手と戦うよ。」「勝てるの？」
これまでの相手とは、桁外れに強い。そんな相手にこれから立ち向かうのだ。サイーシャは俺に言い聞かせる。
「少しは消耗しているでしよ。それに勝てないようじゃ。この先やっていけないよ。」
随分、無茶を言う。
俺は拳銃オルカルの弾倉を魔力弾のものに替える。大きな気配は、神族と魔族のもので、最初、拮抗していたが、神族の気配がだんだん衰え始める。俺とサイーシヤは町の外へと向かう。
