第39話 H10襲撃
アーサーはホワイトアースに手を焼いている。ホワイトアースは完成しており、乗員の訓練が終了すれば、テスト航海に出られるはずだった。
しかし、とても動かせる状態ではない、起動プログラムからバグがあり、随所から不具合が見つかったのである。
だが、搭載予定のホワイトフラウのパイロットがだめな状態であり、修復する時間はある。
そんな中、H10基地は襲撃される、迎撃機が発進するが数が多すぎる、港と滑走路を爆撃される。
そして、輸送機から歩兵とウォーカーがパラシュート降下してくるその時、俺は基地の敷地にいた、急いでホワイトフラウの格納スペースへ向かうが降下した兵の方が早い。
どうも基地の情報が敵に知られているようである、なぜなら敵の目標は、明らかにホワイトアースとホワイトフラウのある地下ドックである。
俺は魔剣マノーブルを空間から出し、敵兵を切り捨てながら地下ドックへ向かった。アーサーは、ホワイトアースの作業を中止し、第218歩兵部隊にドックの警戒に当たらせるとともに指令室に連絡を取るが誰も応答しない。
マクシミリアン艦長がアーサーに声をかける。
「イースト准将は」「いません。」
「ホワイトアースは破棄する、自爆スイッチを入れてくれ、ホワイトフラウと君の部隊はブルーアースに乗せる。」「分かりました。」
アーサーは指揮をロブに任せ、ホワイトアースの自爆スイッチを入れに行く。
その時、敵兵がドックに侵入し銃撃する、マクシミリアン艦長が左足に被弾する。俺が地下ドックに着いた時は銃撃戦が始まっている、ホワイトフラウのコックピットに乗り込み、ブルーアースの管制官と通信する。
「ホワイトフラウをブルーアースに搭載できるか。」「そのように艦長から指示が出ています、ホワイトアースは自爆します急いでください。」「了解。」
ハッチを閉めようとするとアイデンが顔を突っ込みながら言う。
「俺のだ代われ。」「命令だ、ブルーアースに乗れ。」「うるさい。」
と言うと力づくで変わろうとする。
俺はアイデンの頭を拳銃で撃ち、タラップから蹴り落とす、そしてハッチを閉めると銃撃している敵兵を胸部内蔵の機関砲で掃射する。その隙に部隊員はブルーアースに乗り込む、俺もホワイトフラウをブルーアースに積み込んだ。
ブルーアースの格納庫は高さが低く、ホワイトフラウは片膝をついた状態で収納した。ブルーアースが発進する。ホワイトアースに敵兵が乗り込む、ホワイトアースも発進する。彼らはブルーアースを追撃するつもりのようだ。
ホワイトアースはドックを出て5分後、自爆する。マクシミリアン艦長は重傷だった、彼の命令でアーサーが艦長代理をすることになる。アーサーが俺に声をかける。
「ルー、噂になっているぞ君がアイデンを撃ち殺したと。」「ああ、反逆罪で射殺した。」
「反逆?」「あのままだとブルーアースも沈んでいたぞ。」
おそらくエドガー・イーガン中将は俺を軍事法廷にかけるだろう。今は敵の包囲を抜ける方が先だが・・・
俺は内通者を始末したはずだが、ホーネットの情報が洩れているように感じる。