第38話 テストパイロットに問題あり
ホワイトフラウのテストパイロットは、エドガー・イーガン中将の息子アイデン・イーガン少尉だった。予備のテストパイロットは居ない、モーレツに嫌な予感がした。
俺は、アイデンに起動方法を教える、起動はできたがシンクロ率は10%と低い、この時点で向いていないと分かる。アイデンは勝手に動かそうとする。
「やめないか、バカ者。」「バカとはなんだ。」
「上官に対する口の利き方を知らないのか、バカ者」「また言ったな、覚えていろよ。」
話にならない
「シミュレーションモードにしろ。」「シミュレーションモード?」
マニュアル読んでいないのか、今日の訓練は中止だ。俺が部屋で頭を抱えているとドアがノックされアーサーが入って来た。
「戦闘機乗りの鼻つまみ者は、どんな感じ。」「使い物にならない、第218歩兵部隊から誰か貸してほしい。」
「エドガー中将は息子に実績を積ませたいのよ。」「恥を積み上げるだけだろ。」
アイデンがマニュアルを読んでいるか心配になって来た。翌日、アイデンはマニュアルを一応読んできた。
シミュレーションモードで基本動作をやる。しかし、歩けない、直ぐ転んでしまう。
アイデンは怒り出し
「機械が壊れている。」
と主張する。俺はシミュレーションモードで一通りやって見せる。
「やめるなら今のうちだぞ。」「ばかにするな。」
アイデンはシミュレーションを続ける、1週間後やっと歩けるようになったが危なっかしい。俺は、我慢の限界を超え、エドガー・イーガン中将に上申する。
「テストパイロットの交代を希望します。」「君は息子に含むことがあるのかね。」
「いえ、彼には無理です。」「私は、君の指導能力に問題があると思うが」
「その通りです、無能に教える才能は持ち合わせていません。」「アイデンは、私の息子だぞ、無能であるであるわけはない。」
「あれは無能です。取り組む姿勢や性格にも問題があります。」「君を交代したいところだが代わりがいない。必ずものにしてくれ。」
エドガー・イーガン中将は、パイロットを替える気はないようだ。結局、アイデンはシミュレーションを続けることになる。模擬戦までどのくらいかかるか分からない。
そして、H10基地は襲撃される。