第340話 月基地脱出
浮島に戻ったカール司令官は、司令部に入って来る。彼は軍司令のアーリィに提案する。
「ムーラーは艦船や基地にいる人を狙って近づいてきます。」「それは分かっています。」
「月基地の人員を脱出させ、大気圏に突入できる船を浮島の位相空間に隔離して、地球側を無人にするのです。」「息をひそめてムーラーが立ち去るのを待つのね。」
「そうです。このまま戦っても勝てません。」「分かりました。ただ、地球側の様子が分かるようにセンサーを設置しましょう。」
アーリィはカールの案に同意する。
月基地から浮島まで脱出するには、ムーラーの群れの中を抜けなくてはならない。ルーカス提督に月基地の人員脱出の指示が出される。
ほかの6提督にはムーラーをひきつけるように指令される。こうして、月基地からの脱出が始められる。
ムーラーは艦隊にひきつけられるものもいるが、大半は月に向かっている。ルーカス提督の艦隊は最大船速で月基地に向かう。
月基地では用意していた脱出経路を使うべく人々が動いている。脱出用に輸送艦を2隻用意している。
月基地の防御機構をオートに設定する。そして基地の要員は、作業が済んだものから輸送艦に乗り込み始める。
基地の全員が輸送艦に乗り込んだ頃、ルーカス提督の艦隊が到着する。ほぼ同時にムーラーの群れが月基地に襲来する。
月基地にハリネズミのように設置された可動式ビームバルカン砲が応戦を始める。
輸送艦は地下に掘られた脱出抗を進む。そして、月基地から10キロほど離れた出口を出る。
そこには、ルーカス提督の艦隊が待っている。輸送艦は艦隊と合流すると地球に向かって発進する。
地球から月基地に向かっていたムーラーが艦隊に向かい始める。