第337話 ムーラー再活動
ヴェルフの作戦決行から半月、6提督の艦隊と宙域防衛艦、ヘルヘイムは、ムーラーの本拠地を殲滅する。地中に隠れているはずのムーラーは、降り積もる火山灰の影響のあり発見できずにいる。
浮島の司令部は6提督の艦隊を4艦隊を月基地に戻し、2艦隊を軌道上に残すことにする。ヘルヘイムは軌道上に残り、宙域防衛艦を運用することになる。4隻が軌道上で警戒して、残りの10隻はヘルヘイムのドックに入る。
ヴェルフ提督の艦隊と近衛艦隊は、火山灰と氷の世界と化した地球上を索敵する。艦隊は、地面の盛り上がりを発見すると艦砲を撃ち込むが、これまですべて外れである。
こうしている間にもムーラーは地中で活動して本拠地を作り上げているはずである。イェルン副官がヴェルフに言う
「見つかりませんね。艦に地中を探るソナーのようなものがあればよいのですが。」「宇宙船だからね。ムーラーは地中深くに潜っているのかもしれないな。」
ヴェルフにもムーラーを見つけ出す良い案はない。
ヴェルフの作戦が終了してから半年が経つ。ヴェルフ提督の艦隊と近衛艦隊は、一部の艦船を休ませながら索敵を続けている。
幹部会では、索敵中止の案が出てきているが、俺の命令で索敵を続けている。軌道上では、ヘルヘイムと4隻の宙域防衛艦、2提督の艦隊が展開している。
多くの者がムーラーは絶滅してしまったのではないかと思い始めているに違いない。
そんな中、スクルドが地面が盛り上がってくるのを発見する。発見の報告は全軍に知らされる。
スクルドが艦砲を盛り上がりに向けて撃つと地面が陥没して、ムーラーが這い出し本拠地が浮き上がってくる。
スクルドから6機のフレームシリーズが発進して、ビームバルカン砲でムーラーを駆逐する。スクルドはSPA砲の発射準備に入る。
本拠地発見の報告に月基地にいる4提督の艦隊は地球に向け発進する。ヘルヘイムのドックにいた10隻の宙域防衛艦も発進する。
スクルドはSPA砲を発射して本拠地を消滅させる。本拠地が活動を始めたのは1基だけではない。各地で地面が盛り上がり始める。
俺のワルカを輸送船に乗せ出撃の用意を始める。ドニィーシャとティグラトも近衛騎士団と共についてくる。
ヴェルフは各艦に高度を取り、動いている地面の盛り上がりにSPA砲を撃ちおろすように指示する。
彼はムーラーが這い出す前に本拠地をつぶすつもりである。