第334話 国に軍隊は必要か
地球が氷漬けの星と化している中、フレイムランドは平穏を取り戻してきている。地球の状況は、国民に詳しく報告されている。
その報告で、移住してきた人々は、地球に戻ることはないと察している。現在、フレイムランド国内には艦隊が不在の状態である。
幹部会では急ぎ艦隊の編成をするべきとの意見が出てきている。軍司令のアーリィが発言する。
「今、危機的状況にあります。異世界側には戦力と呼べるものがありません。」
アピルが言う。
「ムーラーに全軍で対応しているのでしかたないじゃろ。」「もし攻撃されたら対応できません。」
サイーシャが言う。
「今、人類の国家はフレイムランドだけです。戦争は起きないでしょ。」
アマルが発言する。
「軍隊は、国内に必要ないのではありませんか。」「人類は今、一国に統一されている。どこと戦うのだね。」
「みなさん忘れていませんか、我々の敵は、神族と魔族と言うことを。」
アーリィが敵の名を言う。ティグラトが発言する。
「その戦いは、本来、我々戦士の役目だ。艦隊は必要ない。」「今、神族に襲われたらどうするのですか。」
「我々が戦う。」「陛下はどうお考えですか。」
アーリィの矛先が俺に向く。
「艦隊は急ぐ必要はないだろう。今は、国内の充実に力を入れよう。」
アーリィは黙り込む。
フレイムランドには神族がいる限り戦力は必要である。だが、異世界では、今のところ敵はいない。
艦隊まで持つ必要はないのである。軍は必要なければない方が良いのだ。