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第322話 ヴェルフの対応
ムーラーの情報は、シドニーにいるヴェルフとブラジリアの市民代表に伝えられる。幸いシドニーとブラジリアの近郊には地面の盛り上がりは認められない。
2週間後、ブラジリアの市民代表は、フレイムランドに生存者全員の移住を求める。フレイムランドから3隻の輸送船が出発して500人近い生存者を受け入れる。
ヴェルフはオーストラリア大陸の調査を始める。ムーラーの本拠地が無いか調べるのである。
彼はオーストラリア大陸に異常が無ければ、海を利用してムーラーを防ぐことを考えている。
ジェームス提督とクリストフ提督の艦隊と近衛艦隊は中央アジアを中心とした地域でムーラーの本拠地をつぶしている。
ムーラーが活動していないのは幸いだが、数が多すぎるのである。ルーカス提督の艦隊が地球に到達して大気圏突入を始める。
浮島の司令部は、長い時間をおかずにムーラーが活動始めるとみている。ヴェルフに対して街の再建を放棄して浮島に住人を避難させるように提案しているが返答はない。
街の再建が動き出してからの、この情報である。彼は、今しばらく状況を見定めたいのであろう。