第317話 街の再建
調査団はオーストラリア大陸に向かう。オーストラリアでも沿岸の都市は、津波に飲み込まれている。
調査団はここでも支部を特定できずに終わる。彼らはすべての支部を探し終え、浮島に戻る。
シャドーズのヴェルフは、津波に飲み込まれなかった内陸部の街を捜索している。ヴェルフは、いくつかの街で生存者を発見する。
フレイムランドの司令部はシャドーズと連絡を取りあっており、シャドーズの支援を行っている。司令部は救援物資の補給をシャドーズの救援活動に伴ってしている。
そして、シャドーズが救出した生存者の移民を受け入れようとしている。ヴェルフは、地球に街を再建しようと考え、再建を宣言している。
彼が救助した生存者たちも彼に賛同している。このため生存者の移民はいない。
幹部会では、ヴェルフの街の再建に力を貸すか議論されている。ヴェルフの行為は、地球上に新たな国家を作ることになるのである。
フレイムランドは、結局ヴェルフの街の再建を支援することになる。1国だけでは、破綻をきたした時、滅ぶ可能性があると考えられ。
フレイムランドには地球進出の計画がないこと。人道的支援の必要性から幹部会は支援することにしたのだ。
ヴェルフはオーストラリアのシドニーの跡地に街を再建し始める。空中戦艦1隻が待機して、ほかの2隻は生存者の捜索に行っている。
俺とヴェルフは、ムーラーの壊滅が簡単すぎると思っている。俺は、ジェームズ提督に地上を探査してムーラーの痕跡がないか調べるように命令する。
浮島では20万人の避難民が生活している。彼らのほとんどは地球に帰ることを望んでいる。
フレイムランドとしては、移民してもらい、国民として働いてもらいたいのである。しかし、ヴェルフが、シドニーに街を再建している情報が流れている。
避難民20万の中には、それに協力したいと主張する者も少なからずいる。幹部会では、これについてヴェルフと協議する必要に迫られている。
俺はヴェルフとスクルドで会見をする。俺は、ヴェルフに避難民について話をする
「フレイムランドには20万人の避難民がいます。」「初耳ですね。いつ避難したのですか。」
「フレイムランドと国連で秘密裏に行われました。」「そうですか。」
「仕方のない選択だったのです。」「責めているわけではありません。納得はしかねますが。」
「避難民の中に街の再建に加わりたいという者が少なからずいます。」「その人たちを引き受けてほしいのですね。」
「そうです。」「分かりました。全て引き受けます。」
「全てですか、大丈夫ですか。」「はい、苦労を共にしてもらった方が良いと思います。」
「お願いします。」
1万人の避難民が町の再建に加わることになる。ヴェルフの街の再建は加速する。
彼は、避難民が何らかの秀でた才能の持ち主だと予測していたのである。
そして、才能を生かせる配置につかせ再建を進めている。