第305話 本拠地の居場所は
ベルント提督、ジェームス提督とクリストフ提督の艦隊が、ムーラーを本拠地ごと殲滅してから、ムーラーとの戦いは小惑星帯でおかなわれているだけである。
カール司令官は、ヘルヘイムを地球に向かわせている。彼は、ムーラーの本拠地が防衛網をすり抜けて地球に向かっていると考えている。
ベネディット、ホワイトアースは、ゲリエール、ケベック、ゼラス、レパルスがヘルヘイムに先行して地球に向かっているがムーラーとの接敵はない。
ルーカス提督の艦隊も地球に向かっているが、ムーラーはいない。オーバン提督、ボニート提督、シモーネ提督の艦隊は、すでに地球宙域に到着し索敵を始めている。
浮島の司令部は、ムーラーの数から考えて本拠地が22基だけとは思っていない。司令部では、本拠地がどこにいるのか議論されている。
幹部会では、対策は希望移民者の受入れを増やしただけで、ムーラーとの戦いに関しては手を打てずにいる
「ベルント提督、ジェームス提督、クリストフ提督が地球に近づくムーラーを駆除してくれましたな。」「まだ、ムーラーの本拠地があるかもしれません。」
「地球には、3艦隊と近衛艦隊がいます。」「ムーラーの本拠地が残存していても防げるでしょう。」「いまだに、ムーラーの勢力は不明のままです。」
ドニィーシャが俺に言う。
「陛下、地球にムーラーが現れた時には、近衛騎士団のワルカを輸送船で出そうと考えます。」「分かった。その時は俺も出撃する。」
スノウビューティーは修理されていないが、俺用のワルカが用意されている。そのワルカは纏を使うため特別仕様になっている。